報道発表
ジョージタウン大学女性・平和・安全保障研究所、笹川平和財団主催『女性、平和、安全保障における男性の参加』シンポジウムにおける上川外務大臣ビデオ・メッセージ
令和5年10月31日
10月30日、ジョージタウン大学女性・平和・安全保障(WPS)研究所及び笹川平和財団が主催する『女性、平和、安全保障における男性の参加』シンポジウムが、ニューヨークの国連本部で開催されました。
- 同会合の開催に際し、上川陽子外務大臣は、概要以下のビデオ・メッセージを寄せる形で参加しました。
- 2000年の国連安保理決議第1325号の採択以降、我々は、和平プロセスや平和構築における女性参画の拡大、WPSアジェンダの推進のための様々な国際的枠組み、安全保障政策におけるジェンダー主流化に向けた世界的な潮流において、様々な成果を目の当たりにしてきました。そして、それに対する支持も広がっています。
- WPSに関する重要な取組を次の次元に引き上げるためには、新しい発想が必要であり、この点において、男性の視点は非常に重要です。例えば、日本の第3次行動計画では、特に男性の参画の必要性に言及し、男性に対するアドボカシーの強化を重要な行動として位置づけています。また、更なる多様性のために、若者の視点を取り込んでいくことも重要です。日本の行動計画の特徴としては、自然災害等に由来する防災分野における意思決定の中での女性のリーダーシップの役割を高めるとの内容を盛り込んでいる点が挙げられます。
- 日本は、自然災害の経験、そして、女性政治指導者の数が少ないという問題を含め、従来の性別役割分業の考え方がまだある中で、女性のリーダーシップと男女平等を推進することに苦心してきました。だからこそ、日本はこの分野で他国が直面している具体的な課題に対して、より積極的な役割を果たし、協力して取り組むことができると考えています。
- こうした考えの下、私は外務大臣として、全ての国、インド太平洋地域やグローバル・サウス、特に本年が、日本との友好協力50周年であるASEAN諸国との間で、互いに学びながらより平和な世界を共に創っていく決意をもって、WPSアジェンダを更に推進していきたいと思います。
- 今回のシンポジウムは、日・米両国連代表部が共催し、それぞれ石兼公博国連代表部特命全権大使兼常駐代表及びリンダ・トーマス=グリーンフィールド米国国連大使が出席しました。また、メラニー・バービア・ジョージタウン大学WPS研究所所長、ロバート・ネイゲル同研究員、ゲイリー・バーカー・エクイムンド社長兼創設者、サムシダル・インドネシア正義と平和財団理事長、中山万帆笹川平和財団平和構築グループ長兼主任研究員が参加しました。今回のシンポジウムには、登壇者も含め約70名の各国代表部員等が来場した他、多くの視聴者がオンラインで参加し、パネル・ディスカッションでは、男性の参加の重要性等に関し、参加者間で活発な議論が行われました。