報道発表
鈴木外務副大臣の世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)第6次増資会合出席

1 10月9日及び10日,鈴木馨祐外務副大臣は,フランス政府主催のグローバルファンド第6次増資会合に出席しました。
2 グローバルファンドは,2030年までに三大感染症を終息させる取組に必要な資金として第6次増資期間(2020-2022)に140億ドルを調達することを掲げて,フランス政府とともに本会合を開催しました。同会合には,援助国政府,グローバルファンドの支援を受ける各国,ゲイツ財団他の民間財団,世界各国の企業,市民社会,国連機関から,首脳級や代表等約900名が出席しました。
3 鈴木副大臣は,今回の会合の中でスピーチ(英文)(PDF)を行い,我が国がこの国際的な取組に対し,前回の第5次増資から5パーセント増である8.4億ドルを支援することを表明しました。また,グローバルファンドが,感染症対策を通じて各国の保健システムを強化することに主導的な役割を果たすこと,また,被援助国が各国で対策資金を確保できるようになるための支援を推進することを働きかけました。
4 鈴木副大臣は,同会合出席の機会をとらえて,エスワティニ国王への表敬,グローバルファンド事務局長,世界保健機関(WHO)事務局長,ゲイツ財団幹部他との意見交換,邦人職員との懇親会等を行いました。
(1)ムスワティ3世エスワティニ王国国王への表敬
鈴木副大臣は,今月の即位の礼に貴国王をお迎えできることは大変光栄と述べ,ムスワティ3世国王からはTICAD他を通じた日本のアフリカ開発に対する取り組みに謝意が示されるとともに,エネルギー分野に関する協力への期待が示されました。また,双方は地域情勢や国際場裡における課題についても意見交換を行い,両国関係を今後一層進展させていくことで一致しました。
(2)サンズ・グローバルファンド事務局長との立ち話
鈴木副大臣は,グローバルファンドが2030年までに三大感染症を終息させる取組を着実に実施するよう働きかけるとともに,両者は受益国の国内資金調達及び民間の活用などについて意見交換しました。サンズ事務局長からは,日本の貢献に対して感謝が示され,両者は今後感染症の根絶に向けて一層協力していくことで一致しました。
(3)テドロス・アダノムWHO事務局長とのバイ会談
鈴木副大臣からは,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の経験の共有の重要性について述べるとともに,WHOの組織改革及びガバナンス強化について提起しました。アダノム事務局長からは,日本がUHCをSDGに含めるよう国際的な働きかけを行い,UHCフォーラムの開催,ランセット誌寄稿等を通じて,国際アジェンダに発展させた取組に対して謝意が示されました。
(4)ジョー・セレルゲイツ財団マネージング・ダイレクターとのバイ会談
双方は,ゲイツ財団が積極的に取り組む革新的資金調達について戦略について意見交換し,企業の動機づけ,企業の営業利益の確保,投資家の意識啓発,成果測定及び効果的なデータ提示等の重要性について一致しました。セレルマネージング・ダイレクターからは,日本政府の国際保健分野におけるリーダーシップ及び貢献に謝意が示されました。
(5)國井グローバルファンド事務局戦略投資効果局長他邦人職員との懇談
両者は,日本人や日本企業が更に貢献していくために政府がとるべき方策等について意見交換し,副大臣は最前線で活躍する邦人職員の更なる活躍を激励しました。國井戦略投資局長から,グローバルファンドが取組む保健システムの活動,ファンドの戦略策定等について説明がありました。
(6)その他
上記のバイ会談以外に,シャーマ英国国際開発大臣とは,英国のEU離脱に係る金融分野の動きや東京栄養サミット等について,バークレーGavi事務局長とは,日本がTICAD7の機会に開催した増資準備会合及び増資会合に向けた戦略について意見交換しました。
5 今回の会合に際し,マクロン大統領が各国に対して資金拠出を働きかけた結果,目標額の140億ドルを満たすプレッジが達成されました。