報道発表

パキスタンに対する無償資金協力に関する書簡の交換

平成31年4月23日

  • パキスタンに対する無償資金協力に関する書簡の交換
  1. 1 本23日,東京において,河野太郎外務大臣及びマクドゥーム・シャー・マヘムード・クレーシ・パキスタン・イスラム共和国外務大臣(H.E. Mr. Makhdoom Shah Mahmood Qureshi, Foreign Minister of the Islamic Republic of Pakistan)の立ち会いの下,無償資金協力「パキスタン医科学研究所における母子保健センター及び小児病院の集中治療拡充計画」(供与限度額36億2,000万円)及び無償資金協力「経済社会開発計画」(供与額19億円)に関する書簡の交換が行われました。

    2 各案件の概要は,それぞれ以下のとおりです。

    (1)「パキスタン医科学研究所における母子保健センター及び小児病院の集中治療拡充計画」(供与限度額36億2,000万円)
     この計画は,パキスタン国内有数の第三次医療施設であるパキスタン医科学研究所(PIMS)において,小児病院及び母子保健センターのハイリスク周産期を対象とした診断・治療機能を新施設に集約・拡充するために新棟建設及び新生児保育器等の機材供与を行うものです。
     パキスタンは,南アジアにおいて妊産婦死亡率や新生児死亡率等の母子保健指標が最も低い水準にある国の一つであり,同国政府は国民の保健サービスへのアクセス改善を重点課題として取り組んでいます。首都イスラマードにあるPIMSは,総合病院,小児病院,母子保健センター等から構成され,同国内有数の公的第三次医療機関として,2016年には約6.8万人の入院患者,約120万人の外来患者を受入れており,年々その役割の重要性は大きくなっています。しかしながら,PIMSの医療機材は経年劣化等に伴い故障や不具合が発生している他,患者数の大幅な増加にそのキャパシティが伴わず,既存の母子保健センターでは死亡に至った重症患者のうちの約50%が集中治療室での治療を受けられていないなど,特に緊急性の高いハイリスク妊産婦及び新生児に対する適切な治療や感染管理が行えない状況にあり,同国の母子保健の診断・治療体制強化のために,PIMSの現状を早期に改善することが喫緊の課題となっています。
     この協力により,母体胎児集中治療室が新設されることで,事業完成3年後の2024年には年間300人の同集中治療患者を収容できようになる等,PIMSにおけるハイリスク妊産婦,褥婦,新生児への医療サービス提供体制の強化や患者サービスの質の向上が期待されます。

    (2)「経済社会開発計画」(供与額19億円)
     この計画は,パキスタンの内陸物流拠点に貨物検査設備を整備するものです。
     パキスタンは,世界第6位の人口を有し,アジアと中東の接点に位置するという地政学的重要性を有するとともに,同国内の平和と安定が地域のみならず国際社会全体の平和と安定にとって重要であり,テロ撲滅に向けた国際社会の取組において同国は大きな役割を担っています。近年,同国内でのテロ事件発生件数は減少傾向にありますが,いまだ年間734件(2016年)発生しており,世界第4位の規模となっています。同国政府は,テロ対策を喫緊の課題と位置づけ,管轄する港湾等の税関における国際基準の貨物検査機材導入,武器保有の規制や国境警備強化に取り組んでいます。しかしながら,国際貨物の約25%の通関手続を担っている内陸物流拠点には貨物検査設備が殆ど整備されておらず,爆発物,武器,違法薬物等の非合法物資の検査を迅速かつ適切に実施できない状況にあり,国内主要内陸物流拠点における貨物検査設備の整備が喫緊の課題となっています。
     この協力により,同国の主要内陸物流拠点における貨物検査能力の強化とともに非合法物資の流通抑制を通じてテロ発生リスクの低減に寄与することが期待されます。

    [参考]パキスタン・イスラム共和国基礎データ
     パキスタン・イスラム共和国は,面積79.6万平方キロメートル(日本の約2倍の大きさ),人口約1.97億人(2017年,世界銀行),1人当たり国民総所得(GNI)は1,580ドル(2017年,世界銀行)。


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