報道発表

マーシャルの海洋環境保全の促進のための支援
(無償資金協力に関する書簡の交換)

平成30年7月18日

1 本18日(現地時間同日),マーシャル諸島共和国の首都マジュロにおいて,我が方光岡英行駐マーシャル大使と先方ジョン M.シルク外務貿易大臣(Hon. John M. Silk, Minister of Foreign Affairs and Trade, Republic of the Marshall Islands)との間で,供与額2億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

2 マーシャルは,国土が極めて狭小な環礁で構成されており,また,国民が居住する島々が広大な海域に散在していることから,小規模な農業・漁業以外に主だった産業がありません。このため,同国が保有する広大な排他的経済水域において操業する漁船からの入漁料等は,同国の財政を支える重要な財源となっています。一方で,入漁する漁船による廃油等の不法排出が行われており,海洋汚染に起因する漁業資源への脅威は漁業が主産業である当国において深刻な問題となっています。現在も,マーシャル政府は,ココナツの葉で油の拡散を防ぎながら,月に3~4回程度海洋に流出した油の除去作業を行っています。この協力は,主として,海洋に流出した油類の除去のために,ココナツの葉の代わりとなるオイルフェンス等の機材を供与するものであり,これにより,効率的に油を回収できるようになることから,同国の海洋環境保全の促進が図られることが期待されます。

3 この協力は,5月18日及び19日に福島県いわき市において開催された第8回太平洋・島サミットにおいて,我が国政府が表明した支援の柱である「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」に資する協力(PDF)別ウィンドウで開くとして実施するものです。

[参考1]マーシャル諸島共和国基礎データ地図(PDF)別ウィンドウで開く
 マーシャル諸島共和国は,面積180平方キロメートル(霞が浦とほぼ同じ),人口約5.3万人(2016年,世界銀行),一人当たりの国民総所得(GNI)は4,630米ドル(2016年,世界銀行)。

[参考2]第8回太平洋・島サミット>
(1)第8回太平洋・島サミット(PALM8)は5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域及びオーストラリア・ニュージーランドの首脳級等が出席。マーシャルからはハイネ大統領が参加した。
(2)我が国は,PALM8において,(ア)自由で開かれた持続可能な海洋,(イ)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化,(ウ)人的交流・往来の活性化の3つを柱として,今後3年間でこれまでの実績も踏まえた,従来同様の,しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。


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