報道発表

エチオピアの産業人材育成能力向上のための無償資金協力に関する書簡の交換

平成30年3月30日

1 本30日(現地時間同日),エチオピア連邦共和国の首都アディスアベバ市において,我が方内田晃在エチオピア臨時代理大使と先方アドマス・ネベベ財務・経済協力大臣(H.E.M. Admassu NEBEBE, Minister of Finance and Economic Cooperation)との間で,供与限度額を29億3,100万円とする無償資金協力「TICAD産業人材育成センター建設計画」に関する書簡の交換が行われました。

2 エチオピア政府は,従来の農業中心の経済構造から工業を軸とした経済構造への転換を目指すべく,製造業の発展に取り組んでいます。その方策として,「カイゼン」を通じた人材育成に注力しており,2011年にはエチオピアカイゼン機構(EKI)を創設(PDF)別ウィンドウで開くし,製造業を中心とした民間企業に対し,生産性向上を目的とした研修等を実施していますが,EKIには十分な研修室や機材が不足しており,円滑な活動に支障を来しています。

3 今回の協力は,エチオピアカイゼン機構(EKI)の施設整備を行うことにより,カイゼン実施・普及機関としての機能強化を図り,もってエチオピアの民間セクター開発に寄与するものです。これにより,EKIの人材育成能力が向上し,研修生数が年間延べ28,593人から50,600人とほぼ倍増し,エチオピアにおける産業の品質・生産性向上に貢献します。

4 我が国は2016年のTICAD VIにおいて,アフリカの経済の多角化・産業化に向けて,経済活動の核となる産業人材を約3万人育成することを表明(PDF)別ウィンドウで開くしています。この協力は同表明を具体化するものです。

[参考1]エチオピア連邦民主共和国基礎データ
エチオピア連邦民主共和国は「アフリカの角」地域の中心に位置し,面積約109.7万平方キロメートル(日本の約3倍),人口は約10,240万人(世界銀行,2016年),人口1人当たりの国民総所得(GNI)は約660米ドル(世界銀行,2016年)。

[参考2]カイゼンプロジェクト
カイゼンとは,主に製造業の生産現場で行われている品質や生産性向上を目的に行う活動。「整理,整頓,清掃,清潔,躾」の頭文字をとった「5S」や品質管理サークルなど,現場の従業員が様々なアイデアを出し合ったり,より効率的な方法を提案したりするボトムアップの取組み。


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