報道発表
パキスタンにおける教育環境向上のための支援
(無償資金協力「ノンフォーマル教育強化計画」(UNICEF連携))
1 本28日(現地時間同日),パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて,我が方倉井高志駐パキスタン大使と先方アイダ・ギルマ国連児童基金(UNICEF)パキスタン代表(Ms. Aida Girma, UNICEF Representative in the Islamic Republic of Pakistan)との間で,供与額3億9,300万円の無償資金協力「ノンフォーマル教育強化計画」に関する書簡の交換が行われました。
2 パキスタンは,初等・中等就学率が最も低い国の一つであり,5,120万人の児童・青年(5歳~16歳)のうち,半数近くが非就学児童です。また,就学しても,多くの児童・青年が義務教育過程を修了できていない状況です。このため,学校教育(フォーマル教育)の質・アクセスを改善するとともに,ノンフォーマル教育(地域コミュニティの既存施設や教員を活用し,教育を受ける機会を持てない,または持てなかった人々への基礎的な学習機会を提供するために行われている活動)の制度・政策面での強化,カリキュラム・教材の開発,教員育成等について,更なる支援が必要となっています。
3 この計画は,パキスタンのシンド州,バロチスタン州及びハイバル・パフトゥンハー州において,UNICEFとの連携により,ノンフォーマル教育用施設(400か所)の整備や400名の教員へ研修等の支援を実施することにより,基礎教育へのアクセスの改善を図るものです。この協力により,約14,750人の非就学児童及び青年が基礎教育を受けられるようになるとともに,ノンフォーマル教育の質の向上を目指します。さらに,ノンフォーマル教育センターを開設する地域コミュニティの住人約8,000名に対し,センター運営に係る知識・ノウハウを習得する機会が提供され,ノンフォーマル教育に対する理解を促進し,よって非就学児童及び青年の基礎教育へのアクセスが改善されることが期待されます。
[参考]パキスタン・イスラム共和国基礎データ
パキスタン・イスラム共和国は,面積約79.6万平方キロメートル(日本の約2倍),人口1億9,320万人(2016年度,世界銀行),1人当たりの国民総所得(GNI)1,510米ドル(2016年,世界銀行)。