報道発表
モンゴルに対する無償資金協力「ウランバートル市初等・中等教育施設整備計画」に関する書簡の交換
(日本の知見を活かした障害児・防災・環境に配慮したモデル学校の建設)
1 本30日(現地時間同日),モンゴル国の首都ウランバートルにおいて,我が方高岡正人駐モンゴル大使と,先方ダムディン・ツォグトバータル・モンゴル国外務大臣(H.E. Mr. Damdin TSOGTBAATAR, Minister for Foreign Affairs of Mongolia)との間で,23億7,900万円の無償資金協力「ウランバートル市初等・中等教育施設整備計画」に関する書簡の交換が行われました。
2 モンゴルでは,既存の学校は階段や段差が多く,スロープや手すりも国際的な安全性の基準を満たさない設計になっていることから,普通校における障害児に対応した学校施設整備を政策として掲げています。また,近年,モンゴル国内において地震が増加している中,全国656校を対象に耐震診断を行ったところ,非耐震設計の学校が242校存在することが明らかとなり,避難経路確保や耐震設計といった防災対策が施された学校建設の推進が必要となっています。
3 この計画は,モンゴルの教育環境改善のために,日本の知見を活用した障害児・防災配慮に加えたモデル校舎4校を新設または増設するものです(PDF)。加えて日本のモンゴルでのこれまでの協力により蓄積した高効率ボイラの省エネルギー運用に係る知見を活用し,環境へ配慮した施設運営を指導します。こうした学校の整備を通じ,各課題に対する政府や教育関係者,地域住民の意識向上や,この計画で建設した校舎をモデルとする校舎が今後建設されていくことで,持続可能な開発目標(SDGs)ゴール4「質の高い教育をみんなに」の達成に寄与することが期待されます。また,この計画対象校・地区においては,2023年(事業完了後3年後)には教室数が約35教室から約100教室に増加し,安全に授業を受けられる障害児を含む児童・生徒数は約3倍の7,000人規模に増加する見込みです。
[参考]モンゴル国基礎データ
モンゴル国は,面積約156万4,100平方キロメートル(日本の約4倍),人口約303万人(2016年,世界銀行),人口1人当たりの国民総所得(GNI)3,550米ドル(2016年,世界銀行)