報道発表
クーヴルール国際司法裁判所書記による岸外務副大臣表敬

1 本23日,岸信夫外務副大臣は,外務省の招へいにより訪日中のフィリップ・クーヴルール国際司法裁判所書記(Mr. Philippe Couvreur, Registrar, International Court of Justice:ICJ)の表敬を受けました。
2 冒頭,岸副大臣から,クーヴルール書記の訪日を歓迎するとともに,国際社会における法の支配の強化のためにICJが大きな役割を果たしてきたと述べるともに,法の支配を重視する我が国は一貫してICJの管轄権を受諾してきたが,現在においてもICJの管轄権受諾宣言をしている国は国連加盟国の193か国中72か国にとどまっている現状を指摘し,我が国として,今後とも国際社会における法の支配の実現のために引き続き努力していくとの決意を述べました。
3 これに対し,クーヴルール書記から,招へいへの謝意が表されるとともに,ICJが国連の主要な司法機関としての責任を果たすためには各国による支援が必要であり,かかる観点から,ICJへの日本の一貫した支援に感謝が示されました。
4 また,岸副大臣とクーヴルール書記は,国際裁判の最近の動向等について,有意義な意見交換を行いました。
(参考1)国際司法裁判所(ICJ)(PDF)
国際法に基づく裁判で国家間の紛争を平和的に解決することを任務として1945年に設立。国連安全保障理事会及び総会の選挙で選ばれた15名の独立・公平な裁判官により構成され,オランダのハーグに所在。国連憲章により,国連の「主要な司法機関」とされ,国際の平和と安全という国連の目的の実現のために活動。国際法上のすべての問題を付託できる普遍的性格をもった唯一の国際司法機関。国際法解釈を通じて長年国際法の発展に寄与し,現在もその判決や意見には高い権威が認められている。
(参考2)フィリップ・クーヴルールICJ書記(ベルギー出身)
過去35年にわたりICJ書記局(ICJの法務や渉外・行財政事項を所掌)に勤務し,2000年に書記(書記局の長)に就任し,現在3期目を務める。