報道発表

ハイチに対する無償資金協力に関する書簡の交換

平成29年5月17日

1 本17日(現地時間16日),ハイチ共和国の首都ポルトープランス市において,我が方八田善明在ハイチ大使と,先方アントニオ・ロドリグ外務・宗務大臣(H. E. Mr. Antonio RODRIGUE, Minister of Foreign Affairs and Worship)との間で,供与額20億4,600万円の無償資金協力「中央県及びアルティボニット県小中学校建設計画」に関する書簡の交換が行われました。

2 ハイチは,ラテンアメリカ及びカリブ地域の最貧国であり,同国の人間開発指数は187か国中163位(国連開発計画,2015年)と低い水準にあります。社会基盤が脆弱であり,基礎社会サービス体制の未整備など,多くの開発課題を抱えています。特に,31万人以上が犠牲となった2010年1月の大地震及び2016年10月に同国を通過したハリケーンにより甚大な被害を受け,同国の社会体制が抱える問題は更に深刻化しています。

3 このような中,同国政府は,就学率の改善を優先課題として義務教育の無償化等に積極的に取り組んでいます。一方,度重なる災害により教育施設も甚大な被害を受け,特に第3サイクル(中等教育に相当)の校舎等の整備遅延が深刻化しています。このため,今後の就学児の増加も見据え,教育施設の建設・改修による学習環境の改善が急務となっています。

4 この計画は,人口規模等から教室不足が特に顕著であり,優先度の高い中央県及びアルティボニット県において,災害時に避難所となる機能を備えた小中学校の施設を整備することにより,学習環境の改善及び地域の災害対応能力の強化を図るものです。
 我が国は,防災分野における知見を活用しつつ,ハイチの国家再建に向けた取組を支援しています。この計画は,その一環として実施するものであり,同国における教育振興と災害に強靱な国造りに寄与することが期待されます。

5 さらに,今回の無償資金協力は,我が国の気候変動分野における途上国支援策として実施するものでもあります。我が国は,2015年11月に「美しい星への行動2.0(ACE2.0)(PDF)別ウィンドウで開く」を発表し,2020年に官民合わせて約1兆3,000億円の気候変動対策支援を実施することを表明しています。我が国としては,ハイチと引き続き気候変動分野で連携していきます。

(参考)ハイチ共和国基礎データ
 ハイチは,面積約2.77万平方キロメートル(北海道の約1/3)。人口約1,071万人(2015年,世界銀行)。1人当たりの国民総所得(GNI)は820米ドル(2015年,世界銀行)。


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