報道発表

国際刑事裁判所被害者信託基金に対する我が国の拠出

平成27年12月24日

1 今般,日本政府は,国際刑事裁判所(ICC)の被害者信託基金(TFV)に対して,約4万8千ユーロの任意拠出を行いました。

2 TFVは,ウガンダ及びコンゴ民主共和国において,女性・児童等の被害者の支援事業を実施し,着実に成果を上げているほか,2014年に確定判決が出たコンゴ民主共和国の事件における被害者への賠償事業も今後本格化していく予定です。 我が国は,今般の拠出を通じて,紛争下の女性の保護を始めとした被害者支援をTFVと連携して行う考えです。

3 なお,今般の拠出金は,性的暴力の被害者保護対策に充てられます。

【参考1】国際刑事裁判所(ICC)
 国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪(集団殺害犯罪,人道に対する犯罪,戦争犯罪,侵略犯罪)を犯した個人を,国際法に基づき訴追・処罰するための,史上初の常設の国際刑事法廷。設立条約たるローマ規程は,1998年7月に採択され,2002年7月1日に発効。我が国は,2007年7月17日に加入書を寄託し,同年10月1日に105番目の加盟国となった。裁判所はオランダのハーグに所在。

【参考2】ICC被害者信託基金(TFV)
 ICCの被害者信託基金(TFV)は,ICCローマ規程に基づき,ICC第1回締約国会議において設立された。TFVは、ICCの管轄権の範囲内にある犯罪の被害者及びその家族のために,(1)裁判所の有罪判決に基づき被害者賠償を行うこと,及び(2)ICCが管轄権を行使している事態において,被害者及びその家族に物理的リハビリテーション,物資供与及び精神的リハビリテーション等を供与することを任務とし、その資金は、国家、団体、個人等からの任意拠出金等によって賄われる。我が国は昨年約60万ユーロを拠出した。
 TFVはこれまで,上記(2)の役割を果たすため,コンゴやウガンダにおいて,性的暴力の被害者や元児童兵,誘拐された児童に対する支援などの被害者等を対象とする支援プロジェクトを行ってきたが,今後は,上記(1)の損害賠償の実施のための活動も開始される。


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