報道発表
WTO情報技術協定品目拡大交渉の妥結
平成27年12月17日
1 本17日(現地時間16日),ケニアのナイロビで開催されている第10回世界貿易機関(WTO)閣僚会議(MC10)でのWTO情報技術協定(ITA)拡大交渉の閣僚共同記者会見において,ITA拡大交渉の妥結が発表されました。
2 2012年5月以降,ITA拡大交渉参加メンバーは,現行ITA(1997年発効)の合意以降の技術進歩に伴うIT製品の機能向上や新製品の開発に対応するため,対象品目を拡大すべく交渉を続け,本年7月,新たに関税撤廃の対象となる201品目が確定しました。また,品目確定以降,日本が議長として,各メンバー及び各品目の関税撤廃期間(ステージング)について,MC10期間中にも交渉を続けた結果,今般の交渉妥結に至ったものです。
3 WTO事務局の試算によれば,全対象品目201品目の世界貿易額は年間1兆3,000億ドル(現在の世界貿易額全体の約10%に相当)に上り,これらの品目の交渉参加54メンバーの貿易額は世界貿易額全体の約90%に相当します。これらの品目に課される関税は,必要な手続が完了すれば,来年7月1日以降,順次撤廃されていく予定です。
4 このITA拡大交渉の妥結は,WTOにおける交渉が世界経済の発展に大きな意義のある結果を引き続きもたらすことができることの力強い証明であり,多角的貿易体制の維持・強化につながるものです。
(参考1)WTO情報技術協定(ITA: Information Technology Agreement)
1996年12月,WTOシンガポール閣僚会議において,29の有志メンバー(日本,米国,EU(当時は15か国),カナダ,韓国,インドネシア,シンガポール等)が情報技術関連産品(コンピュータ,計算機,電話,ファクシミリ,記憶媒体ディスク,ディスプレー等)144品目の関税撤廃に関する閣僚宣言(正式名称は,「情報技術製品の貿易に関する閣僚宣言」)に合意。翌1997年発効。現在は中国,インド,ロシア等も加わり82メンバーが参加。
(参考2)ITAの対象品目拡大
(1)7月24日に対象品目を確定。デジタルAV機器,デジタル複合機・印刷機,半導体製造装置,新型半導体,通信機器,医療機器等の計201品目。
(2)関税撤廃期間(ステージング)は即時撤廃又は3年が基本。
(3)対象品目の日本からの輸出額は年間約9兆円,関税撤廃効果は約1.700億円(経済産業省試算)の見込み。日系企業の海外拠点からの輸出等を含めると更なる効果あり。
(4)我が国は,必要な手続を終えた後,有税品目5品目を即時撤廃予定(他の品目は既に無税)。
(2)関税撤廃期間(ステージング)は即時撤廃又は3年が基本。
(3)対象品目の日本からの輸出額は年間約9兆円,関税撤廃効果は約1.700億円(経済産業省試算)の見込み。日系企業の海外拠点からの輸出等を含めると更なる効果あり。
(4)我が国は,必要な手続を終えた後,有税品目5品目を即時撤廃予定(他の品目は既に無税)。
(参考3)最終的な拡大交渉参加メンバー(53メンバー)
日本,米国,EU(28か国),中国,韓国,オーストラリア,カナダ,アルバニア,コロンビア,コスタリカ,グアテマラ,香港,アイスランド,イスラエル,マレーシア,モーリシャス,モンテネグロ,ニュージーランド,ノルウェー,フィリピン,シンガポール,スイス,リヒテンシュタイン,台湾,タイ