報道発表

ウクライナにおけるOSCE特別監視団への人員派遣

平成27年7月30日

1 本年8月3日から,ウクライナにおけるOSCE特別監視団(以下,SMM)の報告・分析部報告ユニットの報告官ポストに外務省職員1名を派遣します。本派遣は,OSCE加盟国を除くパートナー国11か国の中では最初の人員派遣となります。報告官は,ウクライナ各地域から報告される情報を分析し,報告書を作成する業務を担当します。

2 SMMは,ウクライナにおける政治的安定と民主主義の回復を目的とし,ミンスク合意の下,停戦,重火器撤収等の状況をモニターし,報告するという重要な任務が付与されており,我が国を始めとするG7諸国はその活動を後押ししています。

3 日本はこれまで,OSCEとの特別な協力関係や,ウクライナ情勢におけるOSCEの役割の重要性に鑑み,政治対話促進ミッションへの財政的・人的貢献(2014年3月~4月),ウクライナ大統領選挙及び議会選挙の監視活動への人的貢献(2014年5月及び10月,計20名)を行うとともに,SMMに対しても,計200万ユーロの財政的貢献を行っています。本派遣が,ウクライナの平和と安定に貢献することを期待しています。

(参考)

1 欧州安全保障協力機構(OSCE:Organization for Security Co-operation in Europe)
 OSCEは,北米(米・加),欧州,ロシア,中央アジア・コーカサスの57か国が加盟する世界最大規模の地域安全保障機構。経済,環境,人権・人道分野における問題も安全保障を脅かす要因になるとの考えの下,安全保障を軍事的側面のみならず包括的に捉えて活動している。OSCEには,加盟国のほか,アジア・パートナー国(5か国:日本,韓国,タイ,アフガニスタン,豪州)と地中海パートナー国(6か国:アルジェリア,エジプト,イスラエル,モロッコ,チュニジア,ヨルダン)がある。

2 OSCE特別監視団(SMM : Special Monitoring Mission to UKRAINE)
 ウクライナにおける国内の対話と統合の促進を目的として,監視活動(安全状況,少数民族を含む人権擁護の状況を監視),人質・捕虜交換の仲介,国内避難民の状況報告,メディア対応, MH17便への対応,市民を含むあらゆるレベルの組織,共同体との対話,緊張の緩和に取り組んでいる。2014年9月5日のミンスク合意を受け,新たに停戦監視の任務が付与され,停戦維持のため,特別監視団の規模拡大・能力強化が急務となっている。OSCEは特別監視団のマンデートを2016年3月31日まで延期し,人員を500人から1000人へ拡大中。特別監視団の活動支援等を目的として,日本は2014年4月に緊急無償資金協力50万ユーロ,2015年3月に150万ユーロを拠出。


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