報道発表

日・キプロス外相会談及びワーキングディナー

平成27年7月8日
日・キプロス外相会談及びワーキングディナー1
日・キプロス外相会談及びワーキングディナー2

 本8日,午後6時40分から約1時間45分,岸田文雄外務大臣は,外務省賓客として訪日中のイオアニス・カスリーディス・キプロス外務大臣(H.E. Mr. Ioannis KASOULIDES, Minister for Foreign Affairs of Cyprus)と外相会談及び引き続いてワーキングディナーを行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭
 岸田外務大臣から,カスリーディス外務大臣の再訪日を歓迎するとともに,基本的価値を共有するパートナーとして,グローバルな課題に対し緊密に協力して取り組みたい旨述べました。これに対し,カスリーディス外務大臣から,日本からの招待に謝意を表しました。

2 日・キプロス関係,日EU関係
 岸田外務大臣は,観光交流,教育・学術分野での人的交流の促進が友好関係の強化に繋がる旨述べました。カスリーディス外務大臣もこれに賛意を示し,キプロスはアジアの中でも日本との関係を重視しており,両国の更なる対話も促進したい旨述べました。
 また,キプロス問題について,カスリーディス外務大臣からの説明を受け,岸田外務大臣から,最近の南北交渉の進展を歓迎した上で,南北の再統一は地域に安定と繁栄をもたらすものであり,早期の解決を望んでいる旨述べました。
 さらに,カスリーディス外務大臣からは,同外務大臣が欧州議会議員であった際,日EU経済連携協定(EPA)交渉の開始を推進したことに触れ,両外務大臣は,日EU・EPAについて年内に大筋合意することを目指すことで一致しました。

3 地域情勢,国際場裡における協力
 両外務大臣は,安全保障やテロとの闘いなど,国際場裡での共通の課題において互いに協力していく旨を確認しました。また,ウクライナについては,同国の主権と領土の一体性を重視する一方で,ロシアとの対話を継続することが重要との意見で一致しました。また,両外務大臣は,国連改革の必要性について一致しました。
さらに,カスリーディス外務大臣は,キプロスは世界の安全保障における日本の役割を重視する旨述べるとともに,現在国会審議中の「平和安全法制」に対して,完全な支持を表明しました。また,両外務大臣は,アジア情勢や現下のギリシャ情勢についても意見交換を行いました。その中で,カスリーディス外務大臣から,北朝鮮による拉致は最悪の形態のテロであるとして非難し,日本の立場を支持する旨述べました。

【参考】キプロス問題
 キプロスは,1960年に英国から独立して以来,南部のギリシャ系住民と北部のトルコ系住民の間の対立が激化し,1974年にトルコ系住民が北部で一方的に独立を宣言して以来南北に分裂。国連の仲介により,南北統一に向けて約40年間断続的に交渉している。


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