報道発表

岸田外務大臣によるカリコム5か国外務大臣等との会談

平成26年11月15日

 本15日,午後1時半から約2時間半にわたり,岸田文雄外務大臣は,第4回日・カリコム外相会合に出席するために訪日中のカリブ共同体(カリコム)加盟国のうち5か国の外務大臣等と個別に会談を行いました。

 岸田大臣が会談を行ったのは,以下の5か国の外相等です。

(1)ポール・グリーン アンティグア・バーブーダ貿易・商業・産業・スポーツ・文化・国家的祝祭大臣
 (Hon. Paul GREENE, Minister of Trade, Commerce, Industry, Sports, Culture & National Festivals of Antigua and Barbuda)

(2)ピエール=デュリー・ブリュテュス ハイチ共和国外務・宗務大臣
 (H.E. Mr. Pierre-Duly BRUTUS, Minister of Foreign Affairs and Worships of the Republic of Haiti)

(3)アーノルド・ニコルソン ジャマイカ外務貿易大臣
 (Sen. the Hon. Arnold NICHOLSON, Minister of Foreign Affairs and Foreign Trade of Jamaica)

(4)パトリス・ニズベット セントクリストファー・ネーヴィス外務・司法・法務・国土安全保障・労働大臣
 (The Hon. Patrice NISBETT, Minister of Foreign Affairs, Justice and Legal Affairs, Homeland Security and Labour of Saint Christopher and Nevis)

(5)アルバ・バプティスト セントルシア外務・国際貿易・民間航空大臣
 (The Hon. Alva BAPTISTE, Minister for External Affairs, International Trade and Civil Aviation of Saint Lucia)

 冒頭,岸田大臣から,日・カリブ交流年における訪日を歓迎する旨述べたのに対し,各国から,第4回外相会合の開催を高く評価する,7月の日・カリコム首脳会合は大きな成果を収め,そのフォローアップとして行われた今回の外相会合は有意義であった旨述べました。また,今回の外相会合を契機として,日・カリコム関係及び二国間関係を一層強化していくことで各国と一致しました。
 その他の会談におけるポイントは以下のとおりです。

1 アンティグア・バーブーダ

(1)岸田大臣から,水産分野の機材整備案件の調査が最終段階にあり早急な 実施を目指したい旨,救急車供与案件が先般署名されたことは喜ばしい旨,再生可能エネルギー・省エネルギー分野での調査を実施中である旨を述べました。また,前回の外相会合の際にアンティグア・バーブーダから所得基準のみによらない支援の可能性を提起されたことを真剣に受け止め,7月に安倍晋三内閣総理大臣がカリブを訪問した際,日本の新たな方針を表明したことに触れ,引き続き「小島嶼国の脆弱性」を克服するための支援を実施していきたい旨述べました。

(2)グリーン大臣は,水産分野を中心とする日本の支援に対する謝意を表明するとともに,経済の多角化や小島嶼開発途上国特有の脆弱性の観点から,自然災害による被害からの復興やリサイクル,教育等の分野における日本の協力に期待を表明しました。

(3)双方は,安保理改革を含め国際社会における諸課題においても協力していくことで一致しました。

2 ハイチ共和国

(1)岸田大臣から,11月初頭にハイチ北部で発生した洪水被害へのお見舞いを述べるとともに,ハイチの食料安全保障に資するために,新たに食糧援助の実施を決定したことを伝達しました。また,民主化促進の観点から,上下両院及び地方選挙の早期の実施が重要である旨,今後も日本は,2010年の地震により大きな被害が発生したハイチの国家再建を後押ししていく旨述べました。

(2)ブリュテュス大臣は,様々な分野における日本の復興支援及び新たな支援の決定に謝意を表明するとともに,海外からの投資を呼び込み,発展につなげていきたい旨述べました。また,そのためにも,政治的・社会的安定が必要であるとして,諸困難をのりこえて早急に国会議員等の各種選挙を実施していきたいとの決意が表明されました。

(3)双方は,安保理改革を含め国際社会における諸課題においても協力していくことで一致しました。

3 ジャマイカ

(1)岸田大臣から,外交関係樹立50周年の機会に様々な交流が強化されており喜ばしい旨述べるとともに,日本はジャマイカに対し,防災・環境及び格差是正分野での支援を実施してきており,東日本大震災の被災地産の工業用品等を供与する無償資金協力に関する交換公文を早急に締結したい旨,また,新たに防災機材案件の調査実施を決定した旨述べました。

(2)ニコルソン大臣は,長い友好関係の中でも近年,高いレベルの人的交流をはじめ,様々な分野での交流が活発化しており喜ばしいと述べた上で,エネルギー資源の輸入は経済の負担となっており,再生可能エネルギー分野での日本の技術や知見に学んでいきたいとして,再生エネルギー分野への協力に期待を表明しました。また,小島嶼開発途上国特有の脆弱性に鑑み,日本からの防災分野の技術協力等の支援継続及び東日本大震災からの復興に係る経験・知見の共有に対する高い期待を表明しました。

(3)双方は,安保理改革を含め国際社会における諸課題においても協力していくことで一致しました。

4 セントクリストファー・ネーヴィス

(1)岸田大臣から,第3回日・カリコム外相会合に続きお会いできて嬉しいと述べた上で,セントクリストファー・ネーヴィスは先般DACの受益国リストから外れたものの,7月の日・カリコム首脳会合において安倍総理が一人当たりの所得水準とは異なる観点からの支援が重要と表明したことを受けて,再生可能エネルギー・省エネルギー分野での調査を実施中であり,今後の協力の在り方はこれら調査結果を踏まえて検討したい旨述べました。また,水産分野の機材整備案件の調査が最終段階にあり,早急な実施を目指したい旨述べました。

(2)ニズベット大臣は,水産業や人材育成を中心とする日本の支援に謝意を表明するとともに,DAC(OECD(経済協力開発機構)開発援助委員会)の受益国リストからの卒業基準やポスト2015年開発アジェンダにおいて,小島嶼開発途上国特有の脆弱性を考慮してほしいとの強い期待を表明しました。また,持続可能な開発のために鍵となる再生可能エネルギー分野での支援・投資を期待する旨述べました。

(3)双方は,安保理改革を含め国際社会における諸課題においても協力していくことで一致しました。

5 セントルシア

(1)岸田大臣から,第3回日・カリコム外相会合に続きお会いできて嬉しいと述べた上で,9月に水産分野の機材整備案件(5.6億円)に関する交換公文が締結されたほか,防災管理の専門家を近く派遣予定,再生可能エネルギー・省エネルギー分野での調査を実施中である,引き続き「小島嶼国の脆弱性」を克服するための支援を実施していきたい旨述べました。

(2)バプティスト大臣は,水産業その他の分野における日本からの支援に謝意を表明するとともに,持続可能な発展を考える際,一人当たりの所得のみでなく小島嶼開発途上国特有の脆弱性を考慮するとの日本の方針を高く評価する旨述べました。

(3)双方は,安保理改革を含め国際社会における諸課題についても協力することで一致しました。


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