報道発表
日ネパール外相会談(概要)

本8日,岸田外務大臣は,外務省賓客として訪日中のマヘンドラ・バハドゥル・パンディ・ネパール外相との間で夕食を取りつつ日ネパール外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
岸田大臣より,日ネパール間では,国交樹立以来伝統的友好関係を維持しており,今後,政策面での協働も更に強化していきたい旨述べました。また,ネパールにおいて民主主義が着実に定着することが重要である旨述べ,日本としてネパールの努力を継続的に支援していく考えを伝達しました。更に,岸田大臣より,パンディ外相が広島を訪問し平和祈念碑で献花したことに感謝の意を表明し,軍縮・不拡散の分野でもネパールと協力していきたい旨述べました。
これに対しパンディ外相より,日本にお招きいただき感謝する,初めて広島を訪問したが改めて平和の尊さを実感した,また日本の優れた科学技術にも触れることができ有意義であったとの発言がありました。また,パンディ外相より,ネパールは現在制憲議会で憲法制定を議論している,憲法は国家発展の基礎になるものである旨述べました。
2 二国間関係
岸田大臣より,ネパールにおける新憲法制定プロセスが進展することへの強い期待を表明し,日本はかつて国連ミッション(UNMIN)に自衛隊員を派遣したが,今後も,法整備支援等,ネパールにおける民主主義定着に向けた取組を支援していく考えを表明しました。更に,外務省間政務協議の立ち上げを提案しました。
これに対しパンディ外相より,プロセスに時間はかかっているが,ネパールとして早期の憲法制定に向けて努力している,憲法制定はネパールの国家発展の基礎になるものと考えている旨発言がありました。また,外務省間政務協議の立ち上げはネパールとして待ち望んでいたものである旨謝意表明がありました。
岸田大臣より,ネパールへの経済協力について,運輸交通,エネルギー分野のインフラ整備など,日本としてネパールの継続的かつ均衡のとれた経済成長への支援を今後も継続的に実施していく考えを伝達しました。これに対しパンディ外相より,インフラ,教育,水力発電などの分野における日本の支援に感謝するとの謝意表明と共に,インフラ,農業,観光等の分野での支援の継続への期待が示されました。
岸田大臣より,人的交流について,スポーツを通じた国際貢献策「スポーツ・フォー・トゥモロー」の一環としてネパールからもサッカー関係者を招へいしたい旨述べました。パンディ外相より,日ネパール関係は,政府間に加えて,ビジネスや知識人など様々なレベルでの交流を強化すべきであり,それが強固な二国間関係に繋がると考えるとの発言がありました。
3 地域情勢等
南アジア地域協力連合(SAARC)と日本の協力について,岸田大臣より,日本は「日SAARCエネルギーシンポジウム」を継続的に開催するなど,日SAARC協力を重視しており,更なる協力強化を希望している旨述べました。パンディ外相より,11月にSAARC首脳会合をネパールで開催する,議長国として,地域の平和と繁栄のために地域統合がいかなる役割を果たすことが出来るか等を議論する場としていきたい旨紹介がありました。その他,軍縮・不拡散,防災,国連安保理改革等における協力関係の強化や地域情勢等について意見交換が行われました。