報道発表
ミャンマーに対する無償資金協力に関する交換公文の署名
1 本5日(現地時間同日),ミャンマー連邦共和国の首都ネーピードーにおいて,我が方樋口建史駐ミャンマー大使と,先方レイ・レイ・テイン国家計画・経済開発副大臣(Ms.Lei Lei Thein, Deputy Minister, Ministry of National Planning and Economic Development)との間で,総額77億2,300万円を限度とする以下3件の無償資金協力に関する交換公文の署名が行われました。
2 新タケタ橋建設計画 (The Project for Construction of New Thaketa Bridge)(供与限度額42億1,600万円)
(1)種々の改革が進み,経済発展が著しいヤンゴン市では,車両台数が大幅に増加し,交通渋滞が常態化しています。特にヤンゴン都市圏を流れるパズンダウン川を渡り,ヤンゴン市中心からタケタ・タウンシップ以東を通り,現在開発が進むティラワ地区とを結ぶ幹線道路ネットワーク上の重要な位置を占めるタケタ橋では,日常の交通量が橋の交通容量を超過しており,交通のボトルネックとなっています。
(2)更に,タケタ橋は供用開始から47年が経過し老朽化が進み,大型車両の通行時に大きな振動が発生する等の問題が生じており,現在,車両重量制限が課せられています。
(3)本計画は,既設のタケタ橋の架け替えによる拡幅を行い,物流の効率化を図るとともに,地域住民の生活改善に資することを目的とするものです。
3 教員養成校整備計画(The Project for Improvement of Education College)(供与限度額25億2,000万円)
(1)ミャンマー政府は,2011年にテイン・セイン大統領が示した,教育開発の方向を示す10 項目の教育政策に従い,教員の能力改善や教育水準の国際レベル化を目標に掲げ,その実現のために教員の増員や質の改善に取り組んでいます。
(2)ミャンマー政府は,教員養成の強化のため,「教員養成校拡充計画」を策定し,基礎教育に携わる教員養成数を増やすことを目指していますが,多くの教員養成校では施設が老朽化し機材も不足しており,施設や機材の整備が急務となっています。特に,タウングー教員養成校は,国土の中心部に位置し,首都ネーピードーにも近く,最新設備を備えたモデル校として整備が期待されています。
(3)本計画は,タウングー教員養成校の学校施設の建て替え及び機材の整備により,教育環境の改善を図ることで基礎教育の質の向上に寄与することを目的とするものです。
4 地方村落電化計画(The Project for Electrification of Rural Villages)(供与限度額:9億9,400万円)
(1)ミャンマーは,他のASEAN諸国と比較しても電力整備が遅れており,2013年の時点で,ミャンマー国内にある全村落約6万2千村のうち,非電化村落が,7割(約4万5千村)を占めています。
(2)非電化村落の電化に向け,ミャンマー政府は,畜水産・地方開発省や農業灌漑省等から構成される地方電化支援委員会を結成し,2016年までに約1万2千村の電化を目標に掲げていますが,地方での送電線網整備が遅れており,その達成が危ぶまれています。
(3)このような送電線網整備の遅れを補完するため,ミャンマー政府は,オフグリッドの村落の電化を目指し,エネルギー自給策として,バイオマスや風力発電とともに,太陽光発電や小規模水力発電の整備に取り組んでいますが開発は十分に進まず,地方の多くの村落の住民は,夜間の電燈でさえ賄えない生活を強いられています。
(4)本計画は,こうした村落に,小規模水力発電及び太陽光発電を導入することで,貧困地域における電化を促進し,地域住民の生活環境を改善することを目的とするものです。
(参考)
ミャンマーは,面積約68万平方キロメートル(日本の約1.8倍),人口6367万人(2012年IMF推定),人口1人当たりGDP(国民総所得)は834米ドル(2012年IMF推定)。