報道発表

人間の安全保障基金を通じたペルーでの事業に対する支援

平成26年2月24日

1 今般,国際連合から我が国に対し,ペルーで実施される「ペルーにおける平和的共存の促進を通じた人間の安全保障及びコミュニティの強靱性の強化」事業に対して,国連人間の安全保障基金から約225万ドルの支援を行うことが決定された旨通報がありました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国が主導して国連に設置されたものです。

2 この事業は,国連薬物犯罪事務所(UNODC),国連開発計画(UNDP),国連人口基金(UNFPA),ラテンアメリカ・カリブにおける国連平和・武装解除・開発のための地域センター(UNLIREC)及び汎米保健機構(PAHO)が,リスクが高く脆弱なペルーの3つのコミュニティにおいて,自立的に持続可能で,多部門に及ぶ包括性をもつ犯罪削減モデルの開発を目的として実施するものです。主な内容は以下のとおりです。

(1)小型武器による暴力の削減及び平和的共存の推進を通じた,脆弱層,特に犯罪の多いコミュニティの保護と強化

(2)犯罪の多いコミュニティにおける,脆弱なグループの教育,保健及び所得向上活動について相互に関連したニーズへの対応

(3)人身売買及びその他ジェンダーに基づいた暴力の脅威に対する青少年(特に女性の若者)の脆弱性の軽減

3 この事業への支援が実施されることにより,ペルーの脆弱層における人間の安全保障の推進が期待されます。

(参考1)人間の安全保障基金
 人間の安全保障の実践のため,我が国のイニシアティブにより1999年に国連に設置された信託基金。人間の安全保障基金に対し,我が国は現在までに総額約428億円(約3億9,021万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の217件のプロジェクトを支援してきている。

(参考2)人間の安全保障に関する国連総会決議と国連事務総長報告書
 2012年9月10日,第66回国連総会において,我が国の主導により「人間の安全保障の共通理解」に関する国連総会決議が採択された。同決議は,国連加盟国間の長年にわたる議論を経て醸成された人間の安全保障に関する共通理解を確認するものであり,人間の安全保障の議論が大きく前進した。
 同決議を受け,2014年1月21日,人間の安全保障に関する事務総長報告書が発出された。本報告書では,人間の安全保障を,平和と安全保障・開発・人権という3つの相互関連性のある国連の柱に関係する普遍的な枠組みと位置付け,人間の安全保障の利点,付加価値及び有用性が説明されている。


報道発表へ戻る