報道発表
イラク共和国に対する円借款「港湾整備計画(第二期)」に関する書簡の交換
1 2月16日(現地時間同日),イラク共和国の首都バグダッドにおいて,我が方梨田和也駐イラク大使と先方サファーアッディーン・ムハンマド・アル・サーフィー財務大臣代行(H.E. Dr. Safaaldeen Mohammed Al-Safi, Acting Minister of Finance of the Republic of Iraq )との間で,総額391億1,800万円を限度とする円借款に関する書簡の交換が行われました。
2 この協力は,日本の技術を活用してイラク南部のコール・アルズベール港等を整備し,港湾機能の回復と効率化を図るものです。現在,イラクで実質的に機能している2つの港湾(ウンム・カスル港及びコール・アルズベール港)では,過去の経済制裁等の影響による不十分な維持管理や土砂の堆積と沈船等のため,船舶航行に支障を来しています。また,港湾機能が低く,荷役機材の不足・機能不足によりバースでのコンテナの荷役に相当の時間を要しており,年間取扱貨物量の増大に十分に対応できていない等,円滑な流通を阻害しているため,その改善が急務となっています。
3 今般の協力により,イラク南部の港湾施設・航路の整備,管理運営強化を行うことが可能となり,港湾機能の回復・効率化が図られることが期待されます。
4 供与条件
(1)土木工事部分
ア | 金利 | : | 0.20% |
イ | 償還期間(うち据置期間) | : | 40年(10年) |
ウ | 調達条件 | : | 日本タイド |
(2)土木工事以外の部分
ア | 金利 | : | 0.65%(優先条件:「平和構築支援」) |
イ | 償還期間(うち据置期間) | : | 40年(10年) |
ウ | 調達条件 | : | 一般アンタイド |
(3)コンサルティング・サービス部分
ア | 金利 | : | 0.01% |
イ | 償還期間(うち据置期間) | : | 40年(10年) |
ウ | 調達条件 | : | 日本タイド |
(参考1)
イラク共和国は, 面積約43.74万平方キロメートル, 人口約3,296万人(2011年推定,世銀), 人口一人当たりのGNI(国民総所得)は2,640米ドル(2011年,世銀)。
(参考2)
我が国は,2003年10月,50億ドルのイラク復興支援を表明し(無償資金協力15億ドル,円借款35億ドル),2012年5月の円借款の交換公文(E/N)の署名をもって,この国際公約を達成した(無償資金協力16.7億ドル,円借款41.1億ドル,計57.8億ドル)。