報道発表
原子力エネルギーに関する日仏委員会第三回会合の開催(結果概要)
1 10月7日から8日まで,東京において原子力エネルギーに関する日仏委員会第三回会合が開催されました。この委員会は,2011年10月の東京での日仏首脳会談における両国首脳の主導により設置されたもので,二国間の原子力協力については,本年6月のフランソワ・オランド仏大統領が訪日した際の日仏共同声明においても支持されています。
2 この会合では,北野充外務省軍縮不拡散・科学部長及びベルナール・ビゴ仏原子力・代替エネルギー庁長官の共同議長の下,国際的な観点からの原子力安全,両国の原子力エネルギー政策,東京電力福島第一原発事故に関連した除染や廃炉,環境調査,高速炉分野の協力並びに世界最高水準の安全性を有する原子炉に関する産業協力について,日仏間の新たな協力強化の可能性について検討しました。
3 両国は,規制機関として独立した原子力安全当局を設立しており,原子力規制委員会(NRA)と仏安全規制当局(ASN)がその職務遂行に必要な卓越した能力保持・向上に資するために構築した協力関係を強く支持することとしました。両規制当局の委員及び専門家が参加した第一回会合が9月にASN本部で開催されました。
4 福島第一原発の廃炉に向けた前例のない取組に国際的な専門的知見を活用すると日本政府が表明したことに対して,フランスからは日本を支援していくとの意向が示されました。特に汚染水問題に関して,詳細な意見交換が行われ,国際廃炉研究開発機構(IRID)を通じた連携を含め,同分野において日仏が具体的に協力していくことが確認されました。
5 両国は,責任ある,持続可能な核燃料サイクルの重要性について認識を共有し,特に使用済燃料の再処理,核燃料サイクル政策及び廃棄物の最終処分の促進により,この分野における協力を強化していくことについて合意しました。
6 フランスは,フランスにおけるナトリウム高速炉実証炉計画の進捗状況について,日本からは,もんじゅ,常陽の現状について発表しました。両国は,効率的に高速炉の研究開発を実施するため,研究及び技術的知見を共有していくことで合意しました。
7 本年5月,トルコは日本との間で,原子力発電所の建設計画に関する排他的交渉権を付与する共同宣言に署名,ATMEA原子炉の建設計画を行う日仏の合弁企業に計画が委任されました。本件の成功は,第三国への新たな共同輸出の機会への道を開くものであり,両国は,この計画に係るそれぞれの企業の協力を歓迎しました。両国は,能力構築の支援,サプライチェーンの強化を進め,この分野において緊密な協力関係を維持していくとの点で一致しました。
8 両国は,原子力賠償に関する議論を行いました。フランスは,対象となる市民の保護の拡大のため,全ての国に国際的な原子力賠償の枠組みへの加入を促す米仏共同大臣声明(本年8月に署名)を説明しました。
9 次回の会合は2014年にフランスで開催される予定です。