報道発表

人間の安全保障基金を通じたグアテマラでの事業に対する支援

平成25年3月29日
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今般,国際連合から我が国に対し,グアテマラで実施される「食料安全保障:乾燥地域に住むポコマム族の人間の安全保障への課題」事業に対して,国連人間の安全保障基金から約246万ドル(約2億2百万円)の支援を行うことが決定された旨通報がありました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国が主導して国連に設置されたものです。
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この事業は,国連開発計画(UNDP),国連食糧農業機関(FAO)及び米州保健機関/世界保健機構(PAHO/WHO)が,極度の干ばつにより食料安全保障の課題に直面しているグアテマラの「乾燥回廊」において,資源管理の向上や,質の高い食糧,保健,栄養及び住居サービスへのアクセスを保障することによるコミュニティの能力強化,また,安全を提供する政府及び非政府機関の能力向上を通じ,人間の安全保障を改善することを目的として実施するものです。主な内容は以下のとおりです。

(1)農業,工業及び商業の慣行やリスクマネジメントの原則を改善し,生産システムを安定化させることにより,地域のコミュニティの能力を強化し,食料安全保障を改善する。

(2)土地利用計画の策定プロセスにおいて,コミュニティや,農業組織,相互扶助を目的とする女性組織といった当該地域における社会的な安全の提供者の参加を増加させ,状況に応じた国家政策が実施できるようにするとともに,地方の人的資源やコミュニティ組織が協同できるようにする。

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この事業への支援が実施されることにより,グアテマラにおける人間の安全保障の推進が期待されます。
(参考1)人間の安全保障基金
人間の安全保障の実践のため,我が国のイニシアティブにより1999年に国連に設置された信託基金。人間の安全保障基金に対し,我が国は現在までに総額約421億円(約3億8,020万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の約210のプロジェクトを支援してきている。
(参考2)人間の安全保障に関する国連総会決議
2012年9月10日,第66回国連総会において,我が国の主導により「人間の安全保障の共通理解」に関する国連総会決議が採択された。
本決議は,国連加盟国間の長年にわたる議論を経て醸成された人間の安全保障に関する共通理解を確認するものであり,人間の安全保障の議論における大きな前進が諮られた。また,本決議には人間の安全保障基金のこれまでの貢献を認識し,加盟国に同基金への自発的な拠出の検討を要請するパラグラフも含まれている。

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