報道発表

ベトナムに対する無償資金協力に関する書簡の交換

平成27年7月4日
1 本4日,東京において,我が方深田博史駐ベトナム大使と先方ブイ・クアン・ヴィン計画投資大臣(Mr. BUI QUANG VINH,Minister of Planning and Investment of the Socialist Republic of Viet Nam)との間で,総額36億6,000万円を供与限度額とする無償資金協力3件に関する書簡の交換が行われました。

2 対象案件の概要
(1) 「人材育成奨学計画」(供与限度額:3億5,400万円)
本計画は,ベトナムの若手行政官を対象に,日本に留学するために必要な学費等を供与するものです。今回の協力により,我が国において育成される人材が,帰国後ベトナムにおいて同国が抱える開発課題の解決に貢献するとともに,両国の相互理解,友好関係の構築に寄与することが期待されるものです。
 
(2) 「ホイアン市日本橋地域水質改善計画」(供与限度額:11億1,000万円)
ベトナム中部に位置するホイアン市は,「ホイアンの古い町並み」として世界文化遺産に登録された古都であり,16世紀末から17世紀にかけて国際貿易港として繁栄し日本人街があったことでも知られています。特に同市中心部を流れる水路に架けられている「日本橋」は,日越友好のシンボルとしてホイアン市の観光の中心となっています。しかし,「日本橋」直下を流れる水路では,未処理排水の流入による水質汚濁や臭気が問題となっています。
本計画は,「日本橋」水路の改修及び下水処理施設の整備を行うことにより,「日本橋」周辺の水質及び景観の改善を図り,ホイアン市の生活衛生環境の改善及び観光資源の保全による地域経済の開発促進に寄与し,日越関係の更なる強化が期待されるものです。

(3) 「ハイフォン市アンズオン浄水場改善計画」(供与限度額:21億9,600万円)
ハイフォン市は,ベトナム北部の海の玄関口として近年急速な都市化・工業化が進んだ都市ですが,旺盛な水需要に対しインフラ整備が追いつかず,水道水質の悪化が進んでいます。特に市内最大のアンズオン浄水場では,水源であるレ川への生活雑排水の流入に伴い水質悪化が進んでおり,浄水処理に大量の凝集剤や塩素が必要となるなど,安全安心な給水事業に課題を抱えてきました。
本計画は,ハイフォン市において,北九州市が特許を持つ上向流式生物接触ろ過(U-BCF)の技術を用いた浄水施設を整備することにより,我が国の地方自治体が有する知見や経験を活かして給水の水質改善を図り,同市の公衆衛生の改善,持続可能な発展及び脆弱性への対応に寄与し,日越関係の更なる強化が期待されるものです。

(参考)ベトナム社会主義共和国基礎データ
ベトナムは,面積32万9,241平方キロメートル(九州を除いた日本の面積とほぼ同じ),人口9,250万人(2014年,国連人口計画),人口1人当たり国民総所得(GNI)は2,072米ドル(2014年,国際通貨基金(IMF))。

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