報道発表
日中高級事務レベル海洋協議第3回全体会議及びワーキンググループ会議の開催
本22日,横浜市内において,日中高級事務レベル海洋協議第3回全体会議及びワーキンググループ会議が開催されたところ,会議の概要は以下のとおり。(日本側から,下川眞樹太外務省アジア大洋州局審議官(日本側首席代表,団長)ほか,内閣官房(総合海洋政策本部事務局),外務省,文部科学省,水産庁,資源エネルギー庁,国土交通省,海上保安庁,環境省及び防衛省が参加。中国側から,易先良(い・せんりょう)外交部辺境海洋司副司長(中国側首席代表,団長)ほか,外交部,国防部,公安部,国土資源部,交通運輸部,国家海洋局,中国地質調査局,中国海警局,総参謀部等が参加。)
1 全体会議においては,両国団長による冒頭挨拶に続き,昨年9月の前回協議に続いて両国海洋関係機関が一堂に会する海洋協議が着実に実施されていることは,海洋関係機関間の交流と意思疎通を促進するものであり,日中関係の改善・発展にも大きな意義を有するとの認識を共有した。また,海洋に関する日中間の最近の状況について意見交換するとともに,両国間の諸課題について率直に互いの立場を述べた。その後,双方の海洋関係機関から,最近の取組や主要な関心事項について紹介した上で,両国が共に関心を有する問題について意見交換を行った。
2 さらに,今回の海洋協議においては,(1)政策及び海洋法ワーキンググループ会議,(2)海上防衛ワーキンググループ会議,(3)海上法執行及び海上安全ワーキンググループ会議,及び(4)海洋経済ワーキンググループ会議を設けた。これらのワーキンググループ会議において,日中双方は,各関係機関がそれぞれの関心事項及び日中双方で取り組むべき協力の内容等について集中的に議論を行った。
3 日中双方は,全体会議及びワーキンググループ会議における意見交換は,お互いの業務内容や両国政府の海洋政策及び立場等についての理解を深める上で非常に有意義であると認識し,以下について一致した。
- 双方は,先般,日中防衛当局間の海上連絡メカニズムに関する第4回共同作業グループ協議が東京において開催されたことを歓迎し,また,なるべく早期に防衛当局間の海空連絡メカニズムの運用を開始するため,引き続き協議を継続していくことで一致した。
- 双方は,海上保安庁と中国公安部辺防管理局の間で,密輸密航等の海上犯罪に関する対策等について連携協力を維持・継続することで一致した。
- 双方は,海上保安庁と中国海警局の間で,両機関の本庁間における対話の窓口を設け,更なる協力の在り方についてできるだけ早く議論していくことで一致した。
- 双方は,日中高級事務レベル海洋協議の枠組みの下で,海洋政策及び海洋法についての対話をそれぞれ強化することで一致した。
- ・双方は,関連の国際法に従って,捜索救助,科学技術及び環境等の分野における海洋協力を強化することで一致した。また,双方は,日中海上捜索・救助(SAR)協定を早期に締結することについて意見交換を行った。
4 次回の会議については,本年下半期に中国で行うこととし,詳細は外交ルートを通じて調整していくことで原則一致した。