報道発表

バングラデシュに対する円借款に関する書簡の交換

平成26年5月26日
写真 (写真提供:内閣広報室)
  1. 本26日,東京において,日・バングラデシュ首脳会談の後,我が方岸田文雄外務大臣と先方アブル・ハッサン・マームード・アリ外務大臣(H.E. Mr. Abul Hassan Mahmood Ali, Foreign Minister)との間で,合計1,209億8,600万円を限度額とする円借款に関する書簡の交換が行われました。
  2. 対象案件の概要

    (1)小規模農家農業生産性向上・多様化振興融資計画(Small and Marginal Sized Farmers Agricultural Productivity Improvement and Diversification Financing Project)(99億3,000万円)
     この計画は,バングラデシュ全土において,バングラデシュ中央銀行から参加マイクロファイナンス機関への転貸を介した小規模・零細農家への農業生産向上に資するツーステップローン供与及び借入農家に対する農業技術指導を実施するものです。この計画の実施により,農業金融に係る資金仲介機能の円滑化,小規模・零細農家の農業生産の向上,作物の多様化を図り,農業金融の深化及び農業セクターの発展に貢献することが期待されます。

    (2)マタバリ超々臨界圧石炭火力発電計画(I)(Matarbari Ultra Super Critical Coal-Fired Power Project (I))(414億9,800万円)
     この計画は,バングラデシュ南東部チッタゴン管区マタバリ地区に定格出力1,200MW(600MW×2基)の高効率の超々臨界圧石炭火力発電所を建設することにより,同国における電力需要の急増に対処するものです。この計画を通じた電力の安定供給により,バングラデシュ経済全体の活性化に貢献することが期待されます。また,高効率な石炭火力技術により温室効果ガス排出を抑制し,気候変動の緩和に貢献するものです。

    (3)包括的中核都市行政強化計画(Inclusive City Governance Project)(306億9,000万円)
     この計画は,対象となる5つの中核都市において,都市インフラの整備と行政官への研修・技術指導等を行うことにより,同中核都市の都市環境の改善と行政サービスの向上を図るものです。この計画の実施により,都市部の経済発展及び住民の生活向上に貢献することが期待されます。

    (4)ハオール地域洪水対策・生計向上計画(Haor Flood Management and Livelihood Improvement Project)(152億7,000万円)
     この計画は,バングラデシュの北東部のハオールと呼ばれる低湿地帯が広がる地域において,洪水対策施設及び農村インフラの修復・建設並びに農漁業振興活動等を行うものです。この計画の実施により,洪水被害の軽減,基礎インフラへのアクセス向上及び農漁業生産性の向上を図り,ハオール地域の生活水準の向上と地域経済の活性化に貢献することが期待されます。

    (5)天然ガス効率化計画(Natural Gas Efficiency Project)(235億9,800万円)
     この計画は,国内の関連サイトにおいて,天然ガス供給及びガス利用の効率化に資する機材・施設(ガスコンプレッサー,送ガス管,ガスメーター等)を整備するものです。この計画の実施により,天然ガス需要増への対応及び安定的かつ効率的なガス供給を図り,バングラデシュの経済全体の活性化に貢献することが期待されます。

  3. 供与条件

    (1)金利:年0.01%
    (2)償還期間:40年(10年の据置期間を含む。)
    (3)調達条件:一般アンタイド

  4. なお,上記2.(2)の案件は,我が国が2013年11月に策定した攻めの地球温暖化外交戦略「Actions for Cool Earth: ACE」の中で表明した,2013年から2015年までの3年間の気候変動分野における途上国支援策計1兆6,000億円の一環として実施するものです。我が国としては,すべての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け,バングラデシュと引き続き気候変動分野で連携していきます。

(参考)
バングラデシュは,面積約14万4千平方キロメートル,人口約1億5,250万人(2013年,バングラデシュ統計局)であり,人口1人当たりのGNI(国民総所得)は830米ドル(2012年,世銀)。


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