報道発表
インドに対する円借款(4件)に関する書簡の署名・交換
3月24日(現地時間同日)、インドの首都ニューデリーにおいて、小野啓一駐インド共和国日本国特命全権大使とアロック・ティワリ・インド財務省経済局局長(Dr. Alok Tiwari, Joint Secretary, Department of Economic Affairs, Ministry of Finance, Government of India)との間で、円借款(注)4件に関する書簡の署名・交換が行われました。
インドは、グローバルパワーとして一層存在感を高めており、我が国と基本的価値や戦略的利益を共有する同国との関係強化は戦略的に重要です。また、インドが抱える多様な開発課題への協力は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のビジョンの下での法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化等にもつながるものです。
注:円借款は、開発途上国に対して必要な資金を緩やかな条件(低い金利や長い返済期間)で貸し付ける協力です。日本へ返済される資金であり、開発途上国にとっては、効果的な活用や自立的発展に繋がることが期待されます。
1 対象案件の概要
(1)「ベンガルール・メトロ建設計画(フェーズ3)(第一期)」(供与限度額1,024億8,000万円)
ベンガルール都市圏はインドのシリコンバレーと呼ばれ、多くの日系企業が進出しています。しかしながら、人口増加に伴う自動車登録数の増加が顕著であり、交通渋滞が深刻化していることから、経済損失のほか、大気汚染・騒音等の自動車公害が深刻化しています。
この協力は、ベンガルール都市圏において、大量高速輸送システムを建設することにより、増加する輸送需要への対応を図り、もって交通渋滞の緩和と自動車公害減少を通じた地域経済の発展及び都市環境の改善、ひいては気候変動の緩和等につながることが期待されます。日本企業が活動する環境の改善にも資する取組でもあります。
日本はこれまでに、ベンガルール・メトロ建設計画(フェーズ1)及び(フェーズ2)に支援を実施しました。ベンガルール以外でもインドの主要な都市でメトロ建設に協力しており、女性専用車両や、整列乗車、点字ブロック等、日本の公共インフラにも導入されている手法が採用され、快適で安全な交通インフラ環境の整備に貢献しています。
(2)「マハラシュトラ州における三次医療・医科及び看護教育に係る体制強化計画(第一期)」(供与限度額622億9,400万円)
マハラシュトラ州では、結核発症例数やコロナウイルス感染症による死者数も多くなっている等、保健セクターにおける取組に改善の余地があります。これらの背景には、医療人材や医療インフラが不足していることが挙げられ、州として取り組むべき課題となっています。
この協力は、同州において、三次医療施設(大学附属病院)、医科大学及び看護学校の建設等を通じて保健システム強化を支援することで、同州において医療サービスへのアクセスや質を改善し、同国のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成に資するとともに日印間での共同研究にもつながることが期待されます。
UHCは、国際場裏において日本が主導してきたものであり、この協力は、日印首脳間で合意したUHC達成に向けた協力の強化を具体化するものでもあります。
(3)「ムンバイメトロ11号線建設計画(第一期)」(供与限度額924億円)
ムンバイ都市圏はインドの金融・経済の中心地として発展を遂げてきた世界有数の大都市圏であり、日本企業の進出もインドで最も活発です。自動車登録数の増加が著しく、交通渋滞が深刻化していることから、経済損失のほか、大気汚染・騒音等の自動車公害が深刻化しています。
この協力は、同州の州都ムンバイ都市圏において、大量高速輸送システムを建設することにより、増加する輸送需要への対応を図り、もって交通渋滞の緩和と自動車公害減少を通じた地域経済の発展及び都市環境の改善、ひいては気候変動の緩和等につながることが期待されます。日本企業が活動する環境の改善にも資する取組です。
日本はこれまでに、ムンバイメトロ3号線建設計画にも支援を実施しており、この協力はそれに続くものです。ベンガルール・メトロ同様、日本の目に見える支援により快適で安全な交通インフラ環境が整備されることで日印関係のさらなる強化につながります。
(4)「パンジャブ州における持続可能な園芸農業推進計画」(供与限度額186億8,400万円)
パンジャブ州は農業が主要産業となっていますが、近年コメを中心とした穀物生産に伴う地下水の過剰揚水が深刻な課題となっており、同州政府が比較的節水型で環境負荷の小さい園芸作物への転換を促進しているものの、栽培技術の普及やインフラの整備が不十分であることから、十分に進んでいません。
この協力は、同州において、野菜や果樹等の園芸作物への作物多様化支援、バリューチェーン強化のための施設整備、園芸局の能力強化等により、持続可能な農業の推進及び対象農家の所得向上を図り、もって同州の社会経済発展につながることが期待されます。
2 供与条件
(1)上記1(1)
- 金利:変動金利(TORF+80bp)(コンサルティングサービス部分は年0. 8%)
- 償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)
- 調達条件:アンタイド
(2)上記1(2)
- 金利:年2.7%(コンサルティングサービス部分は年0..8%)
- 償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)
- 調達条件:アンタイド
(3)上記1(3)
- 金利:変動金利(TORF+80bp)(コンサルティングサービス部分は年0. 8%)
- 償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)
- 調達条件:アンタイド
(4)上記1(4)
- 金利:年2.9%(コンサルティングサービス部分は年0..8%)
- 償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)
- 調達条件:アンタイド
(参考)インド基礎データ
インドは、面積約329万平方キロメートル(日本の約8.7倍)、人口14億5,094万人(2024年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)2,650米ドル(2024年、世界銀行)。

