(1)結核対策には、途上国のオーナーシップや役割が重要であるとの意見が出された一方で、途上国の自助努力には限界があり、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)が創設されたときのように国際社会のコミットメントが不可欠であるとの意見も出された。
(2)世界基金には費用対効果を一層高めるなど改善できる余地はあるが、世界基金は途上国における結核など三大感染症対策を支援する手段としては極めて有効であり、同基金を用いることで、その国の感染症対策が効果的に実施され成果を挙げることが重要との意見が出された。
(3)結核対策推進の重要性に関する国際社会の関心を高め、結核対策予算を増額する必要があるとの意見が出された。その一方で、結核対策には時間がかかるので長期的に取り組むことが必要であり、また、途上国の援助吸収能力に限界があることを考えると、関連予算の増額だけでは問題の解決にならず、多剤耐性結核やHIVとの重複感染に関する技術支援、及び保健システムの強化に対する技術支援(人材育成等)も重要であるとの意見も出された。
(4)今回のアクションプランの発表とこれまでの結核対策支援における日本の継続した努力に敬意と謝意が表明され、今後の結核対策支援における日本の指導力に期待が表明された。同時に、日本が指導力を発揮するためには、国外で活躍できる日本人の結核専門家育成が課題であるとの意見も出された。