
日・チリ外相会談(概要)
平成24年3月29日
本29日(木曜日)午後3時50分から約45分間,玄葉光一郎外務大臣は,実務訪問賓客として来日したピニェラ・チリ大統領に同行して来日中のアルフレド・モレノ・チャルメ・チリ共和国外務大臣(H.E. Mr. Alfredo Moreno Charme, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Chile)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
- 冒頭,玄葉大臣から,東日本大震災に際してのチリからの協力に謝意を表するとともに,チリが我が国からの輸入産品に対する規制をいち早く撤廃したことを評価している旨,また両国は地震国であり,相互の震災支援を緊密に行っていくことが必要である等述べ,本年7月に開催予定の大規模自然災害に関するハイレベル国際会議へのモレノ外相又は担当閣僚の参加を求めました。これに対し,モレノ外相は,今次招待に感謝する,チリはこれまでの地震に際しての日本からの支援に大いに感謝しており,地震・津波対策の早期警戒システムからも多く学ぶことがある,7月の国際会議にはチリとして是非参加したい旨述べました。これに対し,玄葉大臣から,早期警戒システムに関しては,日本企業の高い技術力も貢献できるのではないかと述べました。
- 玄葉大臣から,2007年の経済連携協定(EPA)発効後の両国の経済関係の深化,また我が国が多くの鉱物資源をチリに依存していることに触れたところ,モレノ外相から,鉱山分野での我が国企業の一層の投資と,それら投資が付加価値を付けた産業基盤育成につながることへの期待が表明されました。また,モレノ外相は,EPAを更に活用していきたい旨述べるとともに,環太平洋パートナーシップ(TPP)への我が国の参加に関し,チリはあらゆる支援を提供したい,引き続き必要な情報も提供する用意がある旨の発言がありました。
- 玄葉大臣から,国連改革に関するチリの我が国の立場への支持への謝意を表明したところ,モレノ外相から,新たな国際社会の現実を反映する安保理になるためには日本は当然不可欠であるとして,日本の常任理事国入りを引き続き支持するとの発言がありました。
- 玄葉大臣から,北朝鮮の問題は国際社会の関心事項でもあり,ミサイル発射計画に自制を求めているところであり,チリにも協力して欲しい,また北朝鮮人権決議へのチリの支持への謝意と引き続いての協力を求めたところ,モレノ外相から,いわゆる衛星打ち上げに関しても,人権問題に関しても,チリの立場は日本の立場と全く同一であるとの発言がありました。
- 玄葉大臣から,中南米の地域統合である太平洋同盟(メキシコ,コロンビア,ペルー,チリ)を我が国として注視している旨述べたところ,モレノ外相から,これはアジア太平洋地域を重視する開放的な経済を有する国々の統合であり,日本の関与を歓迎する旨の発言がありました。
- この他,軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI),ミャンマー情勢等につき意見交換が行われました。