本18日(木曜日)午後7時から午後9時まで、中曽根弘文外務大臣は、外務省賓客として来日したホーシヤール・ズィーバーリー・イラク外相と飯倉公館において、会談及び夕食会を行ったところ、概要は以下のとおりです。また、同会談終了後に、「日イラク外相共同声明」が発出されました(骨子、本文及び仮和訳)。
(1) 中曽根大臣は、日イラク外交関係樹立70周年の本年に、イラク外務大臣が訪日したことを歓迎するとともに、イラクの情勢に改善が見られることは、同国の復興と安定に積極的に取り組んできた我が国としても喜ばしい、自衛隊の任務終了に伴い、両国関係は新たな段階に入りつつあり、今後とも、長期的視野に立ってイラクとの戦略的パートナーシップ関係を強化していきたい旨述べました。
(2) ズィーバーリー外相は、2005年に訪問した折、この飯倉公館で麻生外務大臣(当時)と債務削減の署名式を行ったが、日本のこれまでの自衛隊の派遣、円借款や技術協力を通じた復興支援、国際社会における支援に感謝する、イラクは最も困難な時に支援してくれた国に対する恩義を忘れることはない旨述べました。
(1) 中曽根大臣は、概要以下のとおり述べました。
(イ) 両国の要人交流、政治対話を緊密に進めていきたく、経済合同委員会、ハイレベル政治対話を進めたい、また、日本は今後とも、円借款、技術協力、経済・ビジネス関係強化を中心に対イラク復興支援を継続する旨述べました。
(ロ) また、経済面での交流が徐々に進展している状況を歓迎、日本企業が今後イラクへの進出を果たせることを期待しており、その為にも、治安状況の改善など両国で協力していきたいと述べました。
(ハ) 文化関係については、本年が外交関係70周年であることを踏まえ、双方で可能な範囲での文化行事を行うとともに、イラク政府が進める留学生派遣事業に関して、多くのイラク人留学生の来日を期待する旨述べました。また今後は、観光・遺跡分野などにも関係の裾野を広げていきたい旨述べました。
(2) これに対し、ズィーバーリー外相は、日本との関係は新たな段階に入っており、今後は戦略的・包括的パートナーシップ宣言に基づき、経済関係を積極的に強化させていきたい、日本の経済界が今後一層イラクに存在感を示すことを強く期待している旨述べました。
(1) 中曽根大臣は、本年1月の地方議会選挙が円滑に実施されたことを評価しており、来年1月の国会選挙に向けた政治状況の展開に注目している旨述べました。
(2) ズィーバーリー外相は、イラクの治安は未だ完全とは言えないが、安定確保について自信を有している、今後は多国籍軍とイラク軍により治安を永続的に安定化させること、来年の国会選挙等を通じた更なる国民融和が大きな課題である旨述べました。