安倍総理大臣

平成25年3月25日
安倍総理は,18時30分頃から約30分間,ファン=ロンパイ欧州理事会議長(H.E. Mr. Herman VAN ROMPUY)及びバローゾ欧州委員会委員長(H.E. Mr. José Manuel BARROSO)と電話首脳会談を実施したところ,概要以下のとおり。日本側から,菅官房長官,加藤官房副長官ほかが同席。会談の成果として,共同プレスリリース( 全文仮訳 英語版)を発出した。

1 冒頭

冒頭EU側から,キプロス支援をめぐる混乱のため,日EU定期首脳協議を延期せざるを得なかったことは大変残念であるとしつつ,キプロス支援問題に関し合意ができたとの説明があった。
 これに対し安倍総理から,日EU定期首脳協議が延期されたことは残念であるが,延期に至った事情は理解する,キプロスをめぐる事態の収拾に向けた合意ができたことは喜ばしい旨述べた。

2 日EU関係

EU側から,日EU関係の戦略的重要性に鑑み,延期となった定期首脳協議を早期に開催し,日EU関係や国際社会が直面する種々の問題について意見交換したい,日EU・EPAと政治協定の交渉開始に合意することが良好な日EU関係をさらに強化させていく上で適当である旨述べた。
 これに対し安倍総理から,戦略環境が変化する中,日本とEUのパートナーシップを一層強化していく必要がある,この観点からEPA及び政治協定の交渉開始を決定することができ大変喜ばしい,4月には両協定の交渉を開始して,できるだけ早期の妥結を目指したい旨述べた。
 引き続き安倍総理から,日EU・EPAについては,日EU双方の経済成長,ひいては世界経済全体の発展に資する高いレベルの日EU・EPAをつくりたい,また,日EU間の政治協定は,基本的価値を共有するグローバルパートナー同士の関係にふさわしい内容とすべきと述べた。

3 地域情勢

地域情勢に関し,安倍総理から,厳しさを増す東アジアの安全保障環境の下で,対中武器禁輸措置の維持及び汎用品を含む輸出管理の厳格な運用は不可欠である旨述べた。続いて北朝鮮に関し,一連の挑発行為への強い遺憾の意,拉致問題の解決に向けた決意,国連人権理事会での調査委員会設置への評価につき述べた。さらに,イランの核問題の平和的解決に向け,対話と圧力の双方におけるEUとの連携の必要性について述べた。
 これに対しEU側から,対中武器禁輸については,現在EUにおいて解除に向けた動きはないとの発言があり,加えて北朝鮮の最近の動向については懸念を有しており,国連安全保障理事会決議の履行が重要であると述べた。イランについては,日本の取組みへの評価を述べつつ,対話と圧力の継続というEUの取組みについて説明があった。


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