記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和8年9月8日(火曜日)14時57分 於:本省会見室)

(動画)茂木外務大臣会見の様子

冒頭発言

ネパールにおける洪水・土石流被害に対する緊急無償資金協力

【茂木外務大臣】私の方から、1点報告をさせていただきます。
 先般ネパールで発生しました大規模な洪水と土石流によって生じた甚大な被害に対して、本日、日本政府は、新たに300万ドルの緊急無償資金協力の実施を決定いたしました。
 これにより、国際機関等を通じて、食料、保健といった分野で人道支援を実施いたします。
改めて、今回お亡くなりになられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、御家族や被災者の皆さんに心からお見舞い申し上げます。
 現地では、既に緊急援助物資、テントであったり、毛布が引き渡され、身元確認支援に関する国際緊急援助隊の専門チームが現地で活動を開始しております。引き続き、長年の友人でありますネパールの被災地の一日も早い復旧・復興のために、我が国としてもあらゆる支援を惜しまない考えであります。
 この点は、先日、私の方からネパールの外務大臣に電話をいたしまして、長年の友人であるネパールの支援のために、日本としてやれることは全てやると、こういったことはお約束したところでもあります。
 私からは以上です。

中国による経済的威圧

【朝日新聞 宮脇記者】中国商務省は、7日、半導体製造に使われる日本産の特殊ガスについて、ダンピングが行われていると暫定的に認定し、対抗措置をとると発表しました。台湾有事をめぐる総理の国会答弁以降、中国は日本への経済的威圧を続けており、今回の措置でも、日本からの輸出に影響が出る恐れがありますが、受け止めをお伺いします。

【茂木外務大臣】昨日、中国政府が行っているアンチ・ダンピング関税の調査におきまして、中国政府が、その対象となる日本企業に対して、最大99.2%の暫定関税を付加する旨の仮の決定を行ったと承知をいたしております。早ければ、今日からも実行されるということであると思います。
 我が国としては、調査対象となっている日本企業と緊密に連携しながら、当該調査の影響や状況等を十分に精査し、事業活動に不当な影響が出ないように、適切に対応していきたいと考えております。

核兵器使用・核実験被害者支援・環境修復関連会合等

【中国新聞 下高記者】1日に国連で開かれた核兵器の被害者援助と環境修復に関する国際会議の関係で伺います。日本政府も出席し、被害者援助などに関し、今後も関係国と連携して取り組むとの意向を示されました。今回、初めての開催となった会議の意義を、どのように評価しているでしょうか。また、11、12月にある核兵器禁止条約の再検討会議でも、同じテーマが主要な論点になる見通しです。政府は1日の会議で被爆国の知見を生かす意義を述べられましたが、こうした観点から禁止条約の再検討会議に参加する考えがあるかも教えてください。

【茂木外務大臣】御指摘のありました会議につきましては、我が国も賛成した国連総会の決議に基づいて開催されたものでありまして、日本政府から梅津国連代表次席大使が出席し、ステートメントを実施いたしました。
 我が国は、かねてから、原爆投下による被害者への支援を行っております。また、唯一の戦争被爆国としての経験・知見を踏まえて、核実験の被害者支援や環境修復、さらには被爆の実相への正確な理解向上のための取組を積極的に行ってきているところであります。
 こうした観点から、政府として、本件会合を重視しておりまして、会議のステートメントの中でも、こうした我が国の取組を紹介しながら、我が国の「核兵器のない世界」の実現に向けたコミットメントを述べたところであります。
 核兵器禁止条約につきましては、「核兵器のない世界」への出口ともなり得る重要な条約であると考えております。その上で、11月の運用検討会議も含めて、同条約への対応については、国際社会の動向であったり、厳しさを増す我が国周辺の地域情勢、これを見極めつつ、我が国の安全保障の確保と核軍縮の実質的な進展のために、何が真に効果的かという観点から、慎重に検討する必要があると、このように考えております。

ウクライナ支援

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】9月2日、米財務省のスコット・ベッセント長官は、ウクライナによるロシアのエネルギーインフラへの攻撃が世界的なエネルギー・ショックを引き起こし、価格を押し上げていると、ウクライナのロシアへの攻撃を批判しました。世界市場における石油危機を、更に逼迫させているウクライナに対し、日本政府は、これまでに総額で3兆円を超える国民の血税を拠出していますが、石油危機が悪化して苦しむのは原油輸入国である日本自身です。日本は自分で自分の首を絞めているのではないでしょうか。ベッセント長官の発言について、茂木大臣の考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

【茂木外務大臣】ベッセント長官の発言、その趣旨、大半の部分というのは、米国の中低所得者向けの支援策、これを今行っている、これについて続けていくと、こういう趣旨で発言をされて、その前段として、様々な国際環境に触れているものでありまして、御質問の趣旨とはかなり違った内容だと、こんなふうに考えております。
 ロシアのウクライナ侵略、これにつきましては、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、このような力による一方的な現状変更の試み、決して許すことはできない。こうした我が国の考え方に変わりはありません。
 日本は、一刻も早いウクライナにおける公正かつ永続的な和平を実現すべく、対露制裁とウクライナ支援にこれまでも取り組んできておりまして、引き続き、G7を始めとする関係国と連携しながら、こうした取組を進めていきたいと考えております。

米国による赤根・国際刑事裁判所(ICC)所長に対する制裁

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 日本の国会議員やいくつかの国は、赤根国際刑事裁判所(ICC)所長に対する米国の制裁を非難しています。しかし、米国はこうした批判を無視しているようにみえます。なぜなら、この制裁はパレスチナにおけるジェノサイドなどの容疑に直面しているネタニヤフ・イスラエル首相に対するICCの決定への報復として、赤根所長に科されたものだからです。この点、そして日本のICCと赤根所長に対する支持を踏まえ、日本は正義のために尽くし、ネタニヤフ首相に対して報復的な制裁を科すべきとお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】我が国は、国際社会における最も重大な犯罪の処罰と撲滅、法の支配の徹底のために、常設の国際刑事法廷でありますICC、一貫して支持してきております。今般の措置は、こうした我が国の立場と相容れるものではない、このように考えております。
 米国のICCに対する姿勢は非常に厳しいと認識しておりまして、更なる措置というものも示唆されております。厳しい状況にありますが、米国に対して働きかけを継続するとともに、引き続き、関係国と意思疎通を行いながら、国際社会における法の支配の強化に、しっかり取り組んでいきたいと、こう考えています。

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