記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和8年7月24日(金曜日)11時51分 於:本省会見室)

(動画)茂木外務大臣会見の様子

【茂木外務大臣】今朝未明、マニラの方から帰ってきました。ASEAN関連の会合での様々なやり取り等については、既にぶら下がり会見でお話ししたとおりです。御質問がありましたらお受けいたします。

日露関係(外相間のコミュニケーション)

【共同通信 阪口記者】昨日のぶら下がりでも御紹介ありましたけれども、ラヴロフ外相と21日の夕食会の際に、短時間言葉を交わされたと御紹介あったと思います。日本は、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対して、米国や欧州とともに、制裁を続けています。一方で、ロシアとの間では、北方領土問題であるとか、漁業権の問題、北方墓参の問題など、課題は抱えていると思いますけれども、今回のラヴロフ外相との接触を契機に、日露関係について改善に向けた動きにつながるかどうか、今後の対面での正式な会談であったりとか、電話会談の予定があるのかどうか、外相間のコミュニケーションを維持していく考えがあるのかどうかについてお尋ねします。

【茂木外務大臣】21日、マニラを訪問した最初の日でありますけれど、歓迎夕食会ガラディナーがありまして、そこで旧知のラヴロフ外相も出席しておりましたので、短時間、挨拶を交わす機会がありまして、二国間関係や地域情勢について話をしました。
 この接点を接点として、G7を始めとする国際社会と連携をしながら、対露制裁を行うことを含めて、日本の対露政策に変わりはありません。
 その一方、隣国であるロシアとの二国間関係を適切にマネージしていくと、このことは重要でありまして、そのために政府間の意思疎通は必要であると考えているところであります。
 こうした日本側の立場、これは以前から明らかにしているとおりであります。今後もそういった立場に基づいて、何が国益に資するかと、こういう観点から適切に対応してまいりたいと考えております。

日露関係(隣国特有の課題)

【北海道新聞 村上記者】今の質問に関連で伺います。大臣は、昨日のぶら下がりの中で、ロシアは日本の隣国であると、だからこそ関係を適切にマネージする必要があると述べられました。対話を今後も続けていくということが、依然厳しい状況にある中で、隣国であるがゆえの特有の問題、北方領土問題ですとか漁業問題であるとか、改めて、この隣国特有の課題にどういうふうに向き合っていきたいのかということで、改めて大臣のお考えを伺います。

【茂木外務大臣】隣国特有の問題、ロシアでいいますと、やはり領土問題というのはあるわけでありますし、漁業問題であったりとか、元島民の皆さんがいらっしゃる、その北方墓参であったり、そういった課題があると思っております。
 それに対する対処方針、これについては先ほど述べたとおりです。

日露関係(ロシアへの学生短期派遣事業)

【テレビ朝日 飯田記者】ロシアに関して、ちょっと別件で学生派遣の件について質問します。外務省は2020年以降中断していた大学生らのロシアへの短期派遣事業を8月から再開するとのことですが、最近ではウクライナによるロシア国への攻撃も活発化しています。安全面で大丈夫なのか、その点を確認させてください。また、このタイミングで人的交流を再開する狙いについても教えてください。

【茂木外務大臣】最近のウクライナによりますロシア国内への攻撃、これは続いているところでありますが、一部地域を除いて、ロシア現地の治安情勢は比較的安定的に推移しておりまして、その全体的な評価は変わっておりません。
 現在、日露関係は、今申し上げたように、厳しい状況にありますが、人的交流の継続であったり、特に、若い世代の言語学習であったり、交流の機会を設けることは重要だと考えておりまして、昨年9月に危険情報の改定を行ったところでありまして、これも念頭に、ロシア訪問であったり留学への学生の希望を踏まえて、判断をしたものであります。
 いずれにしても、主催者であります日露青年交流センターと在サンクトペテルブルグ総領事館が緊密に連絡をとりながら、安全対策、これについては徹底したいと思っております。

イラン情勢の沈静化に向けた日本の役割

【パン・オリエント・ニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 ペルシア湾での戦争は、日本や各国による粘り強い外交努力にもかかわらず、激化しているように見えます。そのため、地域全体に波及する戦争の可能性が高まっており、これは世界の安定とエネルギー安全保障を脅かしています。この戦争が、日本のエネルギー安全保障や経済に与える影響が大幅に高まると予想される中で、この戦争の全ての主要当事国と歴史的に良好な関係を維持し、独自の中立的な立場にある日本は、仲介の取組において、より積極的な主導的役割を果たすべきだとお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】前回聞いていたことと、ほとんど内容的には変わっていないのではないかなと、こんなふうに思いますが、その上で日本としてということでありますけれど、私自身、これまで、米国、イラン、更にはイスラエルといった当事国に加えまして、パキスタンやトルコ、更にはカタールといった仲介国、湾岸諸国とも電話会談を含めて、2月28日以降で言いますと、80回近くの会談を重ね、日本として、事態の沈静化、更にはホルムズ海峡、これは国際海峡であって、追加的な費用のない自由で安全な航行が一日も早く回復することが重要であると。こういった点は、繰り返し働きかけをしているところであります。
 昨日までのフィリピンでのASEAN関連外相会合の機会にも、米国のルビオ国務長官であったり、またトルコのフィダン外相、どうしても現地の事情で出席できないということで、代理として出席していた外務副大臣との個別の意見交換等も行いまして、日本の立場を改めて説明し、多くの国との間で緊密に連携していくことを確認したところであります。
 ホルムズ海峡を含めます中東地域の平和と安定、これは、日本のみならず世界全体の安全保障や経済にとって極めて重要であります。日本としては、各国との対話のパイプ、これを十分生かしながら、引き続き、最大限の外交努力を行っていきたいと思っております。
 現地で、英国の新しい外務大臣に就任しましたミリバンド外相等とも話をしたところでありますけれど、日本が様々な働きかけを行っていると。仲介国とはまた別にして、そのことについては国際社会もよく理解していると、こんなふうに感じたところであります。

日米豪印外相会合

Asian News International 板垣記者】今回のASEAN等の会議で、QUADに関する話合いもなされたと聞いております。その模様についてお聞かせいただけませんでしょうか。

【茂木外務大臣】QUADの外相会合を5月にインドで開催しましたが、2か月と置かず、今回また開催をしたわけであります。これは日米豪印が、このASEANの外相会合が開かれている機会に開催したものでありまして、日米豪印として、ASEANの中心性・一体性、そして、AOIP、これを支持して地域にメリットをもたらす協力を推進していく、そういう枠組みであり、また我々がそういう意思を持っているということを示す良い機会になったと思っております。
 日米豪印では、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」、これを推進する、このコミットメントを改めて確認し、引き続き、具体的な協力を進めていく。単に話合いをするのではなくて、具体的に協力案件を探し、そして、これだったら、それぞれの強みが生かせるという形で協力していく。こういうことについて確認を取ったところであります。
 もちろん、日米豪印、集まっておりましたから、インド太平洋地域情勢や中東情勢についても意見交換を行わせていただいたところであります。

日露関係(外相間の接触の意義)

【朝日新聞 小川記者】冒頭のロシアの関係なんですけれども、今回、これまでウクライナ侵攻以降、ハイレベルでの政治対話が途切れていた中で、今回5年ぶりに外相同士で、そういう接触があったということですが、その意義、その意味合いみたいなものを、もし大臣の方でお考えがあれば、お聞かせいただければと思います。

【茂木外務大臣】おそらく2019年、年末にロシアを訪問して、ラヴロフ外相と8時間にわたって交渉しました。私が1回目の外務大臣当時以来の外相間の接点ということになると思いますが、先ほど申し上げたように、日本としては、隣国であるがゆえに様々な懸案というものがある。それを解決するためにも、意思疎通を続けていくことが必要であると、こういう考えを持っておりまして、そういった接点を持つこと自体は意義があると考えておりますが、日本が何らかそれによって、これまでの方針を変えるということでありません。

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