記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和8年6月2日(火曜日)16時45分 於:本省会見室)

(動画)茂木外務大臣会見の様子

冒頭発言

エジプト外務大臣の訪日

【茂木外務大臣】私から一点、エジプト外相の訪日についてであります。
 本日、6月2日から5日まで、エジプトのアブデルアーティー外務大臣が外務省賓客として訪日します。この機会に、外相間戦略対話を行う予定であります。
 エジプトは現在も、御案内のとおり、米・イラン間の主要な仲介国の一つでありまして、4月にも私はアブデルアーティー大臣との間で、イラン情勢を中心に電話会談を行ったところであります。
 今回は、幅広い分野における二国間協力に加えて、イランやガザをめぐる情勢といった中東地域全体の安定と繁栄に向けた連携を中心に、じっくりと議論を行いたい、そのように考えています。
 私からは以上です。

イラン情勢(米・イラン間の協議、船舶航行)

【共同通信 恩田記者】米・イランについて伺います。米・イランの停戦交渉は、イラン側が停止したと発信し、トランプ大統領は継続を表明しました。これについての受け止めをまず伺います。また、国営イラン通信は、ペゼシュキアン大統領が高市首相との電話会談で、「日本の船舶がより容易に通行できるように努める」と述べたと報じました。今後、外交当局間でのやり取りを強化するかなど、対応について伺います。

【茂木外務大臣】御案内のとおり、様々な報道であったり発表が連日なされておるところでありまして、そういった報道や発表も、発言も含めて、米国とイランの間の協議をめぐる動向、これについて、引き続き、重大な関心を持って注視しております。
 単に関心をもって注視しているだけではなくて、日本としても、合意が一日も早く得られることを強く期待しておりまして、そのための外交努力、私も5月20日には、事態発生以来6回目となりますイランのアラグチ外相との電話会談を行いまして、ホルムズ海峡の自由で安全な航行の確保、また、イランが、引き続き、最大限の柔軟性を発揮して、米国との協議を早期に再開されることを強く求める旨、働きかけを行いました。
 また、これを踏まえて先週26日、QUADの際に、日米外相会談を行いまして、そこでルビオ長官に対して、ホルムズ海峡の安定を含め、米・イラン間の合意が一刻も早く実現することが重要である旨を伝えて、日米で緊密に連携していくことを確認をしたところであります。
 さらに、昨日の日・イラン首脳会談では、高市総理から、日本、日本やアジア諸国を含む全ての国の船舶について、ホルムズ海峡を一日も早く自由で安全に通過できるよう、改めて強く求めたところであります。前向きな発言が先方からあったということについては、好意的に受け止めているところであります。
 日本としては、米・イラン間の早期合意、さらに、ホルムズ海峡における自由で安全な航行の回復に向け、イランとの継続的な意思疎通を含めて、必要な外交努力を、引き続き、粘り強く行っていきたいと、こんなふうに考えています。

イスラエルによるレバノン攻撃

【パン・オリエント・ニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 イスラエルは、レバノン南部の広大な地域を占領し、その中には、歴史的城塞Al Shuqaifも含まれています。イスラエルは、あたかも自国の領土であるかのように、そこに国旗を掲げており、これは事実上の併合を意味します。フランスは、イスラエルによるレバノン領土の占領を非難しています。この侵攻についての日本の立場をお聞かせください。また、日本には、他国への侵略や武力による現状変更に反対するという重要な原則があります。これはイスラエルにもあてはまるのでしょうか、それとも、ロシアだけにあてはまるのでしょうか。

【茂木外務大臣】イスラエル、レバノンによる停戦の合意が維持され、両国間でさらなる対話が進められているにも関わらず、イスラエルとヒズボッラー、双方の攻撃の応酬が継続をして、民間人や医療従事者の犠牲、さらには民間インフラの破壊が、引き続き発生していること、深刻に懸念をいたしております。
 また、イスラエルによりますレバノンでの地上作戦の拡大、強く懸念をしておりまして、レバノンの主権と領土の一体性が尊重されることを改めて強く求めます。いずれにしても、全ての当事者が停戦合意を完全に履行することを、引き続き、強く求めたいと思います。
 なお、各地域の情勢については、それぞれ、事情が異なりますので、単純に比較することは困難であると思っております。

NATOのウクライナ支援の枠組みへの拠出、日露関係

【北海道新聞 村上記者】NATOによるウクライナ支援枠組み「ウクライナ優先要求リスト(PURL)」について伺います。日本は、殺傷能力のない装備品の購入に充てるため、約22億円を拠出しました。この枠組みに加わった狙いを改めて教えてください。2点目として経産省と外務省の幹部が26、27両日にロシアを訪問し、日本企業の保護を要請するとともに、制裁を続けつつ、対話継続の重要性を確認しましたが、なぜ、PURLへの資金拠出の発表が政府職員の訪露の直後だったのでしょうか。最後に3点目として、ウクライナ支援と対露制裁を継続していく中で、日露間の政治レベルの対話再開の見通しはどうなっているのか伺います。

【茂木外務大臣】なぜ拠出を決定したかということでありますけれども、我が国は、一日も早くウクライナにおける公正かつ永続的な平和を実現すべく、これまでもウクライナ支援これを推進してきました。
 かかる観点から、今般、我が国はNATOのウクライナ支援、優先必要品リスト、いわゆるPURLの非殺傷性装備品パッケージに対して、日本円で22億円を拠出した次第であります。
 発表のタイミングについてでありますが、政府職員のモスクワ出張とは関係ありません。本件拠出について、NATO側との調整が整ったため、公表したものであります。別に政府職員がそれに関わっているという話は全くありません。
 また、御指摘の日露間の政治レベルの接触については、現時点で、何ら具体的な予定はありません。
 二国間、確かに困難な状況にありますが、こういう困難な状況にあるときこそ、日露両国、この意思疎通が重要であると考えております。
 我が国は、隣国であるロシアとの関係を適切にマネージしていく観点から、外交当局間も含めて、引き続き、ロシアとの意思疎通についてオープンであると、こういう姿勢には変わりありません。

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