記者会見
茂木外務大臣会見記録
(令和8年3月31日(火曜日)16時05分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)第8回日仏外務・防衛閣僚会合(「2+2」)の実施
【茂木外務大臣】私の方から、まず2点、報告をさせていただきます。
第1点目は、フランスとの関係でありますが、明日、4月1日の午後に、第8回の日仏外務・防衛閣僚会合、いわゆる「2+2」を飯倉公館で実施いたします。日本側から、私と小泉防衛大臣、そして、フランス側からは、バロ外務大臣とヴォトラン軍事大臣が出席いたします。
本日から、マクロン大統領が公式実務訪問賓客として訪日され、明日には、日仏首脳会談も予定されております。フランスは、価値と原則を共有する特別なパートナーでありまして、欧州とインド太平洋の安全保障、これは不可分だと考えております。
今回の会合では、日仏間の安全保障・防衛協力であったり、緊迫が続く中東情勢、そして、厳しさを増すインド太平洋情勢といった地域情勢等について率直に議論し、両国の連携を一層強化したいと、このように考えております。
(2)「日印経済室」の設置
【茂木外務大臣】もう1点、インドの関係ですけれど、明日、4月1日付けで、南部アジア部南西アジア課の下に、「日印経済室」を設置することになりました。
インドは、高い経済成長率等を背景にして、日本企業が注目する新興市場・製造拠点となっております。経済分野での日印協力の重要性、これもますます高まっているところでありまして、日印経済室の設置を通じて、日本からインドへの企業進出であったり、投資を後押しし、また経済安全保障分野での協力を更に深化させるべく、官民一体となって取組を進めていきたいと、このように考えております。
私からは、以上です。
日仏首脳会談(中東情勢)
【共同通信 恩田記者】冒頭の日仏の関係についてお伺いします。フランスの大統領府は、今回の訪問について、中東情勢が中心議題になると説明しておりまして、エネルギー危機の打開に向けて首脳間、または「2+2」で、どのような議論が行われることを期待するか伺います。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】明日の日仏首脳会談、幅広い分野について議論が行われると思いますが、地域情勢についても当然議論されることになると思います。
イラン情勢を含みます中東情勢については、事態の早期沈静化やホルムズ海峡における航行の安全に向けた外交努力を、いかに強化していくかということについて議論され、また日仏でどう協力していくか、こういったことについても、話合いが持たれると、このように考えております。
「日印経済室」の設置
【日経新聞 堀越記者】もう一方、冒頭で御紹介いただいた、「日印経済室」について伺います。この新組織は、日印の経済関係をより深めるために設置されたものと承知しておりますけれども、インド、今、大変経済成長著しい中ですけれども、このインド経済と日本の経済を強化していくということは、日本経済にどういうような好影響があるか、大臣の期待するところも含めてお話しいただければと思います。
【茂木外務大臣】先ほど申し上げたように、基本的価値であったりとか、戦略的利益を共有するインドとの経済面での連携、これは重要性を増しております。特に、投資やイノベーションによります経済成長や、経済安全保障分野での協力、これは両国の将来世代が直面する課題の解決にも資するものでありまして、今後の両国間の、相互補完的な協力のベースになるものであると、こんなふうに考えております。
今年1月に、私もインドを訪問した際に、ジャイシャンカル外相とも、会談を行いましたが、その際も、両国の経済成長や、経済安全保障の強化につなげるための、具体的な取組を進めていくところで一致をしたところでありまして、今回の「日印経済室」の設置を通じて、これから、日印の経済関係の戦略的強化、こういったものに取り組んでいきたいと思っております。
中東情勢(トランプ大統領の発言に関する報道)
【共同通信 恩田記者】イラン情勢について追加で伺います。米国のウォールストリートジャーナルは、トランプ大統領がホルムズ海峡が事実上封鎖されたままでも米軍の対イラン軍事作戦を終了させる意向があると側近に伝えたと報じました。イラン情勢の影響は大きいと思いますが、受け止めを伺います。
【茂木外務大臣】報道については承知しておりますが、これまでもそうですけれども、報道の一つ一つについて、政府としてコメントすることは差し控えたいと思っております。
その上で、今何よりも大切なことは、事態の早期沈静化を図っていくことであります。このため、日本としては対話を通じた問題解決、これが重要であると考えておりまして、現在、複数の国が仲介するという形で米国とイランの協議が行われていると、そのように言われておりまして、良い方向に向かうことを期待したいと思っております。
また、ホルムズ海峡の航行の安全確保、これはエネルギー安全保障の観点からも極めて重要でありまして、そのために、関係国・関係機関を含みます国際社会と連携して、ホルムズ海峡の安全の確保に向けて必要なあらゆる外交努力、これを行っていきたいと考えています。
外国による認知戦と対策
【読売新聞 福田記者】読売新聞とサカナAIによるSNSの共同分析で、中国が昨年11月の高市総理の国会答弁をめぐって、仕掛けた認知戦が今年2月の衆院選に合わせても行われた可能性が高いことが分かりました。選挙期間中に、外国勢力が、世論や投票行動に影響を与えようとした可能性をどうお考えなのか、また、併せて、外国による認知戦に対し、現行の対策は十分とお考えでしょうか。大臣の所感を伺いたいと思います。
【茂木外務大臣】先日の会見でもおそらくお答えをしたかと思うのですが、民間機関、読売新聞はしっかりした機関だと思っておりますけど、民間機関によります個別の調査について、その評価を私から申し述べることは差し控えたいと思いますが、その上で、自由や民主主義といった普遍的価値は、いかなる国でも尊重されるべきものでありまして、外国からの選挙干渉、これは民主主義に対する脅威であると、こんなふうに考えております。
AI等の新興技術が急速に発展することに伴いまして、国家間の競争が人間の認知領域まで広がる中で、外務省としては、こういった認知戦、これに関する取組を強化してきているところでありまして、AI等も活用しながら、情報収集、そして、分析力を高めていくとともに、偽情報であったり、誤情報、これらの対策のために、SNSの積極的な活用を含めて、戦略的な対外発信、更には国益に沿った対外発信というものを行っていきたいと思っております。
仏の核政策(日仏外相会談での言及)
【中国新聞 小林記者】先日の日仏外相会談についてお尋ねさせてください。フランスのマクロン大統領、今月初めに核弾頭数の増加を表明し、フランスの核抑止力を欧州に提供する方針を具体化しました。大臣は、今月3日の記者会見で、方針の背景や問題意識について、フランスと緊密に意思疎通を行うとおっしゃっております。日仏外相会談では、このフランスの核政策について、多少なりとも言及はありましたでしょうか。もし言及がありました場合は、どのような内容で、被爆国の日本政府としては、どのような見解を示されましたでしょうか。
【茂木外務大臣】日仏の外相会談、先週フランスで行われた内容につきましては、既に貼り出し等行わせていただいておりまして、それ以上につきましては、外交上のやり取りでありまして、詳細は控えたいと思っております。
また、第三国の政策についてコメントをする、このことも、これまでも控えてきたところでありますが、その上で申し上げれば、今月初めに公表されましたフランスの方針の背景であったりとか問題意識について、引き続き、フランスと緊密に意思疎通を図っていくとともに、関心をもって注視していきたいと、こんなふうに考えております。

