記者会見
茂木外務大臣会見記録
(令和7年11月7日(金曜日)18時02分 於:本省会見室)
冒頭発言
G7外相会合への出席
【茂木外務大臣】はい。まず私の方から一点。 来週11日から12日まで、カナダで開催されますG7外相会合に出席するため、オンタリオ州のナイアガラを訪問する予定であります。
私にとって4年半ぶりのG7外相会合となりますが、この間、ウクライナ、中東情勢を含む国際情勢は、大きく変化してきました。現下の厳しい国際情勢において、G7が結束をして緊密に意思疎通し、国際社会の諸課題に対応していくこと、これが求められていると考えております。
今回の会合では、2日間にわたって、中東・ウクライナ情勢に加えて、我が国が重視しておりますインド太平洋の情勢や国際社会が直面する課題について、G7各国の外相との間で率直に意見交換を行い、認識をすり合わせたいと思っております。また会議のマージンで、二国間の会談も行って、各国の外相と信頼関係を深める機会にしたいと思っているところであります。
昨日の夜も、議長を勤めますカナダの外務大臣とは電話会談をしまして、お会いできるのを楽しみにしていると、こういう話しでした。私からは以上です。
台湾の前台北駐日経済文化代表処代表の叙勲
【読売新聞 植村記者】中国外務省の毛寧報道局長は、6日の記者会見で、日本政府が外国人叙勲で、台湾の謝長廷(しゃ・ちょうてい)前台北駐日経済文化代表処代表に旭日大綬章授与を決めたことに反発をしました。謝氏は、代表を8年間務め、「日台の友好、親善と相互理解の促進に貢献した」と評価されて、今回受賞をしましたが、今回の中国側の反発への大臣の受け止めを伺います。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】御指摘の謝長廷氏に対する受勲、これは、今お話にあったような8年間にわたります代表として、日本・台湾間の友好親善及び相互理解の促進に寄与したことを讃えて授与されたものだ。このように承知をいたしております。
これまでも同じような事例と、これは何件もあります。
その上で、台湾との関係性に関する我が国の基本的な立場、これは、1972年の日中共同声明にあるとおりでありまして、何ら変更があるわけではありません。
中国による日本人向け短期滞在査証の免除措置及び中国人訪日査証
【共同通信 恩田記者】中国のビザに関して伺います。中国政府は、日本人向け短期滞在ビザの免除措置を1年延長すると発表しています。受け止めを伺います。併わせて、昨年12月に日本政府が発表した中国人観光ビザの一部緩和・新設措置は、約1年経っても実施されていませんが、目処があれば伺います。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】11月3日に、中国の外交部が、日本を含みます、かなり多くの国でありますけれど、中国短期滞在に係る査証免除措置、これを、来年末まで延長する旨の発表したと、そのことと承知をいたしております。
今般発表された査証免除措置の延長が、日中間の交流の促進につながることを期待をいたしております。
一方、日本のですね、中国人観光客に対する短期滞在査証緩和措置の実施時期につきましては、諸情勢を見極めながら、慎重に、今検討しているところであります。
中国軍3隻目の空母就役
【朝日新聞 宮脇記者】中国国営新華社通信は、本日、中国軍の3隻目となる空母「福建」が就役したと伝えました。東シナ海などで、軍事活動がさらに活発化する可能性もありますけれども、外交にどのような影響を及ぼすか、お考えをお伺いいたします。
【茂木外務大臣】中国側の発表によりますと、5日に、中国軍の空母「福建」が南シナ海に面する海南省において就役したと、このように承知をいたしております。
中国は、国防費を継続的に高い水準で増加をさせ、十分な透明性を欠いたまま、軍事力を広範かつ急速に増強させております。今般の空母「福建」の就役を含めて、我が国周辺の軍事動向に関して、政府としては、平素から強い関心を持って、注視をしてきているところでありまして、今後とも、冷静かつ毅然と対応したいと、このように考えております。
G7外相会合
【読売新聞 植村記者】冒頭ご発言がありましたG7外相会談に関して伺います。G7は、発足以降、新興国の台頭などで、その意義が常に問われ続けて来ましたが、現在、ロシアのウクライナ侵略や、中露朝の蜜月、あとはグローバル・サウスの影響力拡大などが起きている、現在の時代に、G7が結束することは、国際社会にどういった意義や意味をもたらすと大臣自身はお考えでしょうか。また、G7が結束を実現するために、茂木大臣自身が果たせる役割とは何だとお考えでしょうか。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】ウクライナもそうでありますし、中東も含めて、国際情勢が非常に厳しい。また、様々な分断であったりとか、新興国の台頭等々が生まれると。こういった中で、価値や原則と、これを共有するG7が結束をして、自由で開かれた国際秩序の実現、この共通の目標に向けて、しっかりと対応していくと。また、国際社会の諸課題に対応していくこと、これは極めて重要だと考えております。
こうした考えをG7各国のカウンターパートと、認識、確認するとともに、私としては、特に、G7の議論に、インド太平洋の視点、これを打ち込んで、具体的な協力を進めていきたい、こんなふうに考えております。
【共同通信 阪口記者】G7の冒頭のご発言なんですけれども、テーマいろいろ、ウクライナであるとか中東情勢についてお話伺いましたけれども、昨今、注目されてますですね、レアアースを含む重要鉱物の話であるとかですね。カナダは確か、海洋安全保障などの分野でも関心高いかと思います。経済安全保障、海洋安全保障についてですね。何かそういった議論があるのか、あるのであれば、どのような会議にしていきたいか、このような議論をされたいのか、伺えればと思います。
【茂木外務大臣】大体4つのセッションに分けて、ワーキング・ディナーから始まって、2日目の議論ということなんですが、中東情勢、ウクライナ情勢があります。そして、インド太平洋の問題、さらに、その他の地域情勢、そして、海洋の安全保障、またエネルギー安全保障、重要鉱物等の諸課題についても議論を行えると、このように考えております。

