記者会見
岩屋外務大臣会見記録
(令和7年5月27日(火曜日)13時57分 於:本省会見室)
冒頭発言
ラザリーニUNRWA事務局長との会談
【岩屋外務大臣】冒頭、一つ御報告がございます。
5月26日から28日まで、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長が訪日されています。私(岩屋大臣)も、本日、これから会談を行う予定です。
ガザの危機的な人道状況の改善と、人道支援が可能な環境が持続的に確保されることが急務です。今回の会談では、UNRWAのガバナンス改善の取組状況を伺うとともに、パレスチナ難民の支援のための国際的な連携に共に取り組んでいくことを確認したいと考えております。
冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。
日米関税協議
【NHK 谷井記者】日米の関税交渉についてお伺いします。今週末にも、赤澤大臣とベッセント財務長官の会談が行われる見込みです。また、来月半ばには、G7サミットに合わせて日米首脳会談の開催も調整される見通しとなっています。経済への影響が広がることも懸念されている中で、こういったG7の機会も含めて、いつごろ関税交渉の合意を目指すべきとお考えになるか、お考えをお聞かせください。
【岩屋外務大臣】23日には、日米首脳電話会談が行われまして、石破総理は日米でウィン・ウィンの関係を築いていこうという点について、トランプ大統領と確認し、いろいろな意識を共有した実感を改めて持ったと述べておられます。そういう意味では、お互いに率直に議論することができる信頼関係が築けてきたのかなと、私(岩屋大臣)も感じているところです。
米国の関税措置に関する日米協議を、いつまでにまとめるかというお尋ねでしたけれども、この段階で予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。日米間では、双方が建設的かつ率直な協議を行って、可能な限り早期に、首脳間で合意し発表できるようにしようということで一致しておりますので、今そこに向かって、様々、協議が続けられているわけです。
大事なことは、日米双方にとって利益になる合意を実現するということであり、早期に合意を実現するということを優先するあまり、日本の国益を、結果、損なうものであってはならないと考えております。
今申し上げた日米首脳電話会談の際に、G7の機会に、対面での会談を楽しみにしている旨述べられて、これに対してトランプ大統領から、同様に楽しみにしているという発言があったと承知しております。程なく、また次の閣僚級会合がセットされると思いますけれども、6月のG7サミットの機会に、あり得るべき日米首脳間の接点も視野に入れて、閣僚間で緊密に協議していくことになったと承知しております。
いずれにしても、今申し上げたような方針・考え方に基づいて、政府一丸となって、今後とも、最優先かつ全力でこの課題に取り組んでいきたいと考えております。
国際装備展示会「DSEI JAPAN」への後援名義付与
【フリー・ジャーナリスト 西中氏】5月21日から23日まで、千葉県の幕張メッセを会場にして国際的な武器見本市、DSEI JAPAN 2025が開催されました。世界78か国から軍需企業約450社が出展する大規模な展示会で、2019年に開始されて今回が3回目です。防衛省と経産省、それから外務省、警察庁が後援しています。参加企業の中には、イスラエルからも20社、イスラエルの二つの政府機関も参加していたのですが、冒頭もお話あったように連日、イスラエル軍によるパレスチナガザ地区への凄惨で大規模な軍事攻撃が続く中で、このような最新鋭の武器の国際的な展示会が日本で開催されて、イスラエル企業も参加することに対して、日本政府はなぜそのことを問題視せずに、外務省も後援を続けているのでしょうか。その理由をお聞かせください。
【岩屋外務大臣】御指摘の今般のDSEI JAPAN 2025は、「先端技術によるインド太平洋地域の安全保障の強化」をテーマに開催されております。そこにイスラエルを含む各国の企業や国防当局が参加したと承知しております。
イスラエルの企業及び国防当局による参加につきましては、本展示会の主催事務局である英国のクラリオン社が、個別に調整した結果によるものでございまして、外務省としてはお答えする立場にはございません。
その上で、外務省としては、後援名義の付与に関して、外務省内の所定の手続きに基づいて適切に行ったものでございまして、問題があるとは考えておりません。
外務省のウェブサイトにおいて、後援名義を使用できない事業を例示しており、申請ごとに個別具体的に、こうした事業に当てはまらないことを含めて、後援名義付与の適否を判断しているところです。
その上で、御指摘のイスラエルによる、ガザ地区での再攻撃、あるいは人道状況への対処については、私どもは深刻な懸念を有しておりまして、それは、私(岩屋大臣)から、サアル外相に直接伝えたところでございます。
今後とも、あらゆるレベルでガザ地区の人道状況の改善、そして、停戦の合意に基づいたプロセスの進捗ということを、強く求めていきたいと考えております。