記者会見
茂木外務大臣臨時会見記録
(令和8年10月31日(土曜日)16時46分 於:アトランタ(米国))
冒頭発言
昨日今日と二日間のG20外相会合を終了したところであります。G20外相会合や個別の会合については、既に報道発表させていただいているところでありますけれど、今回の出張、いろんな成果があったと思っておりますし、かなりタイトで濃密なスケジュールだったと思っておりますが、特に3点の成果についてお話できればと思っております。
まず、第一点目はG20での協調の必要性、これを確認できたことだと思っております。G20、主要な先進国とグローバル・サウスの多くの国が集まる場でありまして、重要な役割をそれぞれ果たす必要があると考えております。私からは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序、そしてルールに基づく自由で公正な国際経済秩序の強化、これが重要であるという点を強調させていただきました。ホルムズ海峡の不安定化を含む現在のエネルギー危機を受けて、世界のGDPとエネルギー消費の8割を占めるG20が協調して対処する必要性を確認できたことは大きな成果だと考えています。
二点目として、日本が同志国と連携をして、進化した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の下、各国の自律性、そして強靱性を確保に向けた具体的な取組を実際に進めていることを説明し、強調させていただきました。その柱の一つが経済・エネルギーの強靱化でありまして、日本として、産油国である中東諸国と消費国であるアジアを結ぶ結節点として、世界のエネルギー安定供給に取り組んでいく、こういう決意を示したところであります。また、恣意的な輸出規制や、非市場的政策・慣行に基づく過剰生産能力、これが重要物資のサプライチェーンを脆弱化させているといった課題についても明確に指摘させていただきました。この点については、多くの国が、やはりこの過剰生産能力の問題については大きな問題で、対処しなければならない、こういう意見だったと思います。
そして三点目に、同盟国・同志国との更なる連携や、グローバル・サウスとの関係強化に向けて、積極的に各国外相との会談を実施しました。具体的には、ご案内のとおり、日米豪印、日米韓、そしてトルコ、米国、サウジアラビア、豪州との間でも個別に会談等を行いまして、地域・国際社会の安定に向けた協力、これを確認することができました。 また、昨日、ロシアのラブロフ外相との間で、5年ぶりということになりますが、外相会談を行いました。邦人拘束の件を含めて、日本の立場に基づき、しっかりと主張を行ったところであります。
日本は、今後も、G20メンバーを含む各国としっかりと連携して、国際情勢及び世界経済の安定に向けて積極的な役割を果たしていきたいと強く感じました。
質疑応答
G20外相会合の成果
(記者)今回、立場の異なる国々が参加するG20外相会合で、大臣は、航行の自由の重要性やエネルギーの安定供給に向けた日本の取組を発信されました。各国から様々な反応があったかと思いますが、これらの課題について今後各国とどのように協力を進めていくお考えか、お伺いします。
(大臣)今、世界的にエネルギー危機の状況にあるわけでありまして、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡等における自由で安全な航行の回復は不可欠であると、これは基本的に認識の一致するところであると思っておりまして、今後も中東域全体の事態の早期沈静化・安定化に向けて、G20各国とも連携をしていきたいと考えております。
もちろん、個別の論点になると、紅海の問題等、色々ありますし、このG20に参加をしていない国にも関連する問題ありますけれど、基本的には、このやはり今までどおりの自由で安定、安全な航行が確保されるっていうことが世界経済にとっても、そしてまた、各国経済にとっても極めて重要だという認識が、多くの国が共有できるところではないかなと思っております。
その中で、先ほど申し上げましたが、日本は、産油国である中東地域、そして消費国であるアジアを結ぶ結節点としてですね、世界のエネルギーの安定供給に取り組んでいく考えでありまして、既にパワー・アジアを打ち出して、さらには、今後の湾岸諸国との包括的な協力等を通じて、アジアでの備蓄強化であったり、中東諸国のエルギー関連のインフラ整備、こういった協力も進めていきたいと考えているとこであり、おそらく様々な国がこのエネルギーの安定供給に向けて、また航行の自由に向けて、様々な取り組みをしていると思いますけど、日本として今進めているパワー・アジア等々というのは、今回も、G20の会議の際にも私の方から詳しく説明をさせていただきましたけれど、日本はやはり、かなり先頭を切って様々な取り組みをしているなと、こういう印象を持っていただけたんじゃないかなと、こんな風に考えています。
日米豪印・日米韓
(記者)日米豪印と日米韓外相会合について伺います。トランプ大統領が米中露首脳会談に意欲を示す中、今回、日米豪印や日米韓の外相会合を開催できたことの意義をどのようにお考えでしょうか。特に、日米豪印については、今年3回目の外相会合となりましたが、ルビオ国務長官が11月の開催に言及している首脳会談に向けて、今回の議論をどのような成果につなげていきたいとお考えか伺います。
(大臣)元々、この日米豪印(外相会合)でありますけど、2019年9月に、私が1回目の外務大臣の時に国連総会のマージンで開催したのが1回目でありまして、私にとっては思い入れのある会合でありますが、FOIPを実現していくための具体的な協力を着実に推進していくということを、今回は今年3回目ということで確認させていただきまして、日米豪印協力の戦略的な重要性、そして強力なモメンタムというものを示すことができたんじゃないかと思っております。
そして、今般の会合においては、次回の首脳会合の開催への期待を四大臣と共に共有したところでありまして、首脳会合も見据えて外相間でしっかりとコミュニケーションを取って準備も進めていければと思っているところです。
日米韓については、今回、今年4回目ということになるわけですが、この日米韓の結束というものが地域の平和と安定の要であって、今回署名をした北極太平洋パートナーシップに係る協力覚書を含めて、三カ国の具体的な協力、議論するだけでなく、具体的な成果を出していこう、具体的な協力案件というのを発掘して実行していこう、こういう話をしておりまして、そういったことを積み重ねていくことを再確認することができました。日米韓で、「行動志向」の議論を進め、また具体的な行動も進めていきたいと考えています。
日露関係
(記者)今回、ロシアのラブロフ外相との日露外相会談で、拘束された邦人の即時解放を強く求めたということですが、ラブロフ外相から拘束理由などについての説明はあったのでしょうか。
また、解放要求に対してどのような反応があったのか、お聞かせください。併せて、5年ぶりとなる日露外相会談を踏まえて、今後の日露関係の展望についてどのようにお考えか、伺います。
(大臣)もちろん、拘束されている邦人の即時解放を強く求めたところでありますが、この邦人を一日も早く保護しなければならない、こういった中でもですね、非常に微妙なタイミングでの会談ということでありまして、詳細なやり取りにつきましては、これは邦人の保護にも関わる問題でありますので、差し控えたいと思っているわけでありますが、ラブロフ外相は、私が前回の外務大臣時代のカウンターパートでもありまして、今回で6回目の会談であり、1回目の外務大臣の時は国連総会から始まり、そして名古屋でのG20外相会談、さらには、2019年12月に、今度は私がモスクワを訪問して、8時間にわたって協議をし、相当率直なやり取りはしてきた中でありますから、今回も内容についてはつまびらかにできませんが、率直な意見交換ができた、こんな風に考えるとこであります。この現在、日露関係が非常に今厳しい状況にあるのは確かでありますけれど、隣国でありますから様々な課題があり、こういう課題を解決していくためにも、しっかりと意思疎通を続ける、そして、我が方として求めていることについて粘り強く働きかけていく、こういったことは極めて重要だと考えています。
