記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和8年10月20日(火曜日)17時42分 於:本省会見室)

(動画)茂木外務大臣会見の様子

日本外交(成果と課題)

【共同通信 市川記者】高市政権の発足から明日で1年となります。大臣が、豊富な外交経験で総理を支えて、日本外交をこれまで引っ張ってこられましたが、この1年の成果と今後取り組むべき課題、これをどのようにお考えかお聞かせください。今後の中国の向き合い方についても、併せて見解を伺えればと思います。

【茂木外務大臣】高市内閣の外務大臣に就任してから、明日で1年になりますが、この1年で15回の外国出張をしまして、のべ29の国・地域を訪問して、各国外相等との会談は220回に上ります。
 5年前まで、1回目の外務大臣を勤めておりました。当時と比べて世界は大きく変わっている、大変厳しい状況になっている。5年前は、まだロシアによるウクライナ侵略も始まっていませんでした。中東は常に不安定な状況でありましたが、ここまで緊張が高まる、また紛争が激化するという状況でもなかったわけであります。さらには、AIを始め、新しい技術が急速に進展する、そういった中で、戦い方そのものも変わってくる。こういう状況にもあるわけであります。世界は今、戦後最も大きな構造的変化の中にあって、我が国を取り巻く安全保障環境も、一層厳しさを増していると考えています。ここも5年前とは違った状況だと考えております。
 同時に、各国を訪問する、また様々な外相会談等を行う中で、こうした厳しい国際情勢の中で、日本への期待というものが高まっていることは改めて感じているところです。5年前以上かもしれない、こういう思いは持っているところであります。
 こうした期待に応えるためにも、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のための取組を一層進め、そして幅広い国々との幅広い分野で協力関係を構築していくことが極めて重要だと考えており、進化したFOIPの下で、例えば、重要鉱物等のサプライチェーンの強靱化に取り組むなど、より積極的な役割を日本としても果たしていきたいと考えているところであります。
 中国ですけれど、重要な隣国であり、課題がある中でも、課題解決に向けた対応であったり、両国関係を管理するための長年の積み重ねがあります。これを踏まえて、戦略的互恵関係を包括的に推進する、この方針は一貫しているところであります。
 現在、日中関係は厳しい状況にありますが、日本と中国が地域の平和と安定に大きな責任を担っていることは全く変わらないと考えております。課題や懸案があるからこそ、日中間の様々なレベルで、意思疎通を図ることが重要であると考えています。国益を守るため対話を進め、建設的かつ安定的な関係構築をしていきたいと考えています。

ロシアにおける邦人拘束事案

【北海道新聞 吉田記者】邦人記者のロシア当局による拘束についてお伺いします。北海道新聞の男性記者が、ロシア連邦保安局に、極東ユジノサハリンスクで拘束されて、今日で1週間となりました。この間、日ソ領事条約で、拘束から4日以内の権利行使が定められている領事面会が実現していませんけれども、このことについての政府の受け止めをお願いいたします。また、早期の面会実現や、記者の早期解放に向けた今後の政府の取組についてお伺いします。

【茂木外務大臣】今回の事案を含めて、邦人の保護・安全確保には、全力で取り組んでいるところであります。外務省としては、現地時間の10月13日からロシア当局に拘束されている邦人に対して、まずは一刻も早い領事面会を行い、本人の健康状態であったり、事実認識等の確認ができるようにすべく、先方指定の拘置所への往訪も含めて、ロシア側への働きかけや種々の調整を行ってきているところであります。
 御指摘ありましたように、現在も有効な「日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の領事条約の議定書」によりますと、領事面会の権利、これは逮捕又は拘禁の時から、遅くとも4日までの期間内に行使することができるものと規定されているわけです。
 それにも関わらず、明確な理由が示されないまま、領事面会が実現されていない。このことは極めて遺憾だと考えております。
 このような状況を踏まえて、邦人の安全確保、これが第一だと考えておりまして、引き続き、一刻も早い領事面会の実現、邦人の即時解放、そして、人道的配慮や公正・公平な取扱いをロシア側に強く求めて、邦人保護の観点から全力で取り組んでいきたいと思っております。今、様々なルートで、働きかけであったり、調整を行っている。外務省としてできることを、今、全てやっている。このことは間違いありません。

日本政府のミャンマーに対する立場

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 以前にも似たような質問をさせていただきましたが、新たな動きがありましたので、改めてお尋ねします。報道では、最近、東京で米国政府とミャンマー政権の関係者が会談したことなどを挙げて、両国の関係改善の可能性が指摘されています。こうした動きを受けて、日本政府のミャンマーに対する立場に何らかの変化はありましたでしょうか。

【茂木外務大臣】状況が変わったかということは判断にもよると思いますが、御指摘の報道については承知をしておりますが、これは第三国間のやり取りでありまして、日本として、それについてコメントする立場にはないと考えております。
 いずれにしても、これまで申し上げてきておりますように、我が国としては、ミャンマーの情勢改善のためには、暴力の即時停止、そして被拘束者の解放、当事者間の真摯な対話を含む政治的進展、及び国民生活の向上に向けた取組が不可欠であると考えております。引き続き、関係当局への働きかけを含む、情勢改善に向けた取組強化をしていきたいと思います。

ウクライナ情勢への対応

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】トランプ大統領は10月9日の対露制裁の部分的解除の合意に続き、16日、現時点では米国の国益にかなうとして、対ロシア制裁法の実施の見送りを表明しました。トランプ大統領は、10月11日にはホワイトハウスで記者団の質問に答え、ゼレンスキー大統領の辞任と新大統領選出を求める発言もしています。高市総理はウクライナへの揺るぎない支援を表明していますが、日本政府は米国の外交姿勢の転換にかかわらず、これまでとおり、ゼレンスキー政権支援の姿勢を継続していくのでしょうか。

【茂木外務大臣】若干、御質問の中でありました主張とは、我々は考えを異にする部分があります。米国は、大きな方向性としては、ウクライナとロシアの和平が早期に実現するように仲介努力を続けていると考えております。決して、それを諦めているとか、方向転換をしたのではないと考えております。
 日本としては、力による一方的な現状変更の試みは決して許すことはできないとの考えから、国際社会と緊密に連携しながら、ウクライナ支援、そしてロシアの制裁を続けていきます。

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