記者会見
茂木外務大臣会見記録
(令和8年10月13日(火曜日)17時41分 於:本省会見室)
米国の対ロシア制裁緩和
【共同通信 市川記者】米国の対ロシア制裁緩和について伺います。米財務省は 9 日、ロシア産軽油に対する制裁を一時的に緩和すると発表しました。トランプ大統領が燃料価格の引き下げに腐心していることが背景にありますが、この対応についてウクライナのゼレンスキー大統領は弱腰だと批判しています。ウクライナ支援と対ロ制裁を推進する立場の日本政府として、今回の米国の対応、これをどのように受け止めているか、大臣のお考えを伺えますでしょうか。
【茂木外務大臣】米国の大きな方向性として、ウクライナとロシアの和平が早期に実現するように、何度にもわたって特使を派遣する等の仲介努力を続けていると考えております。
今回の対応についても、米国として様々な要因を考慮して判断したものと思われますが、他国の対応の一つ一つについて日本としてコメントすることは差し控えたいと考えております。
その上で、日本としては、力による一方的な現状変更の試みを決して許すことはできないという考えから、国際社会と緊密に連携し、引き続きウクライナ支援と対ロ制裁に取り組んでいくという方針に変わりはありません。
米国によるICCに対する制裁への対応
【日本経済新聞 中岡記者】米政府による ICCへの制裁とその対応についてお伺いします。米国は9日にICC本体への制裁を発表しました。茂木大臣は10日に赤根智子所長、ルビオ米国務長官と続けて電話会談を実施しましたが、この一連の電話会談の狙いや成果を伺います。また、日本は制裁に反対し、撤回を求めるとする締約国議長団声明や外相声明に参加していますが、この声明に参加した理由を伺います。また、議長団声明で赤根氏個人への制裁撤回要請まで踏み込んだ理由をお伺いいたします。
【茂木外務大臣】9日の米国の発表については、すでに総理、そして私自身からも発信しておりますとおり、日本は国際社会における法の支配の徹底を一貫して重視し、その役割を担いますICJ、ICC、ITLOS 等の国際裁判所を支持しております。今回の措置は、こうした日本の一貫した立場と相容れるものではなく、深く懸念しております。
制裁の発表、先週の金曜日の夜の 11時半頃だったと思いますが、その翌日10日の夜には、今回の措置の発表を受けて赤根所長と電話会談を行い、ICCをめぐる現下の状況等について意見交換を行ったところです。赤根所長にも寄り添いながら、今のお気持ちなどについて丁寧にお聞きしました。
また、先月の日米首脳会談においても、この問題については、日米間では私とルビオ国務長官との間で意思疎通することにしておりまして、今回も早速10日の夜、ルビオ長官はちょうど海外出張から帰られた直後の、現地時間で週末の朝でありましたけれど、日米外相電話会談を行いまして、本件を取り上げ、日本政府の立場を伝えた上で、外相間で緊密に意思疎通を継続していくことで一致したところであります。
また、ご指摘のありました外相共同声明の参加であったり、また、ICC の締約国全体を代表する機関であり、我が国もメンバーであります締約国議長団が発出した声明についても、我が国の立場を踏まえて関係国とも調整をして発出をしました。
厳しい状況にある中でも、引き続き政府として米国側に対して働きかけを行うとともに、赤根所長であったり、関係国と意思疎通を継続して、国際社会における法の支配の強化に取り組んでいきたいと考えています。
中国代表団による択捉島訪問
【産経新聞 永原記者】ロシア極東のサハリン州は本日、実効支配する北方領土の択捉島を中国黒竜江省の代表団が訪問したと発表しました。ロシアの手続きに沿った北方領土への入域となりますが、日本政府としての受け止めをお願いします。
【茂木外務大臣】報道については承知をいたしております。現在、事実関係確認中でありまして、我が国の立場に基づいて適切に対応していきたいと考えています。
