記者会見
茂木外務大臣臨時会見記録
(令和8年9月23日(水曜日)17時11分 於:ニューヨーク(米国))
1 冒頭発言
明日の日程もありますけれども、私自身、 2021年以来となります今回の国連総会について、所感お話をしたいと思います。
今回の国連総会の成果、大きく3点あったと考えています。第一に、日本の多国間主義へのコミットメントを強調したということ、第二に、海洋の安全保障や、重要鉱物、気候変動等々とった喫緊の課題に対応についての議論をリードできたこと、更には3点目として、同盟国、同志国との連携の強化、 更には、グローバルサウスとの協力の強化、これを図ることができたと思います。
まず、本年は日本の国連加盟70周年というのは節目の年です。今回の訪問を通じて、日本の国連、そして多国間主義のコミットメント、これが変わらない旨を強調しました。同時に、改革を通じて国連に対する信頼を回復させ、その機能を強化していくことが喫緊の課題であることを強く訴えました。
新たに就任したラーマン国連総会議長とも国連の改革、機能強化についてじっくりと議論を行い、また、「安保理改革に関するG4外相会合」を開催して、G4の緊密な連携を確認することができました。
第二に、海洋の安全・安定の確保、核軍縮、国際保健といった国際社会の重要テーマについて、閣僚会合を開催または共催をして、国際社会における喫緊の課題への対応について、日本の立場や考えをしっかりと説明することができたと思います。
明日は、イスラエル・パレスチナ情勢について、「二国家解決を実施するためのグローバル・アライアンス閣僚会合」に出席をする予定です。アジア諸国によるパレスチナ支援の枠組みであるCEAPAD をはじめ、日本の取組を紹介する予定であす。
最後に、同盟国・同志国、そしてグローバルサウス諸国と外相の間で連携強化を図ることができたと考えています。 21日に行った日米韓外相会合は、今年3回目の会合となったわけであります。今回も、北朝鮮への対応、そして安全保障及び経済安全保障といった分野での協力を一層進展させるということを確認し、共同声明を発出しました。
G7の外相会合では、ウクライナ、中東、インド太平洋をはじめとする重要な地域情勢について議論を深め、バブ・エル・マンデブ海峡をめぐる情勢について共同声明を発出しました。
このほか、二国間で言いますと、パキスタン、ネパール、フィジー、そして先ほどモルディブの外相との会談で、初めて対面での会談を行いました。こうした国々との間で、外相同士の信頼関係を構築・強化することができたのは意義深かったと考えております。
日本はこれからも、国連を中核とした多国間主義を力強く支えつつ、地域と国際社会の平和と安定のために、役割をしっかりと果たしていきたい。このように考えています。
2 質疑応答
日米関係と対中外交
(記者)昨日、日米首脳会談が行われ、茂木大臣も同席されました。間もなく、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席の会談が予定される中、今回、この時期に日米首脳会談を実施した意義について、どのようにお考えになりますでしょうか。また、今回の内閣改造で外務大臣として留任されました。高市総理からの指示書には、中国との対話についての記載があったとのことですが、同盟国のアメリカとの関係を基軸としつつ、停滞しているとの指摘もある日本の対中外交の舵取りを、大臣としてどのように担っていくお考えでしょうか。
(大臣)高市政権の発足からまだ一年経っていないところでありますけれど、今回で、3回目の日米首脳会談ということになります。私は、すべての首脳会談に同席していますけれど、もともと高市総理とトランプ大統領、打ち解けた雰囲気で1回目から会談実施をされておりましたけれど、今回は特にですね、さらに信頼関係が深まったということを隣にいて強く感じたところであります。
米中の首脳会談直前のタイミングで、高市総理とトランプ大統領が、中国をはじめとするインド太平洋情勢について認識を共有し、また、強固な日米同盟を内外に発信した、この意義は非常に大きいと考えております。また、安全保障環境が厳しさを増す中で、米国のインド太平洋地域へのコミットメントや、国際社会への前向きな関与を引き出していくということがますます重要になってくると考えております。その上で、中国との関係については、確かに現在、日中関係は厳しい状況にありますが、日本と中国が、地域の平和と安定に大きな責任を担っていくということは間違いない事実だと考えており、日中間に懸念や課題があるからこそ、様々なレベルで意思疎通していくことが重要だと考えております。また、日本としては、同盟国たる米国との強固な信頼関係のもと、中国に対して、その立場にふさわしい責任を果たしていくよう働きかけていきたいと考えております。
イラン情勢
(記者)大臣は、本23日に「海洋の安全と安全の確保に向けた協力強化に関する外相会合」に出席され、ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡を含む自由で安全な航行の確保の重要性について日本の立場を発信されました。この会合の狙いと、今後、日本政府としてどのような役割を果たしていくお考か、また、各国からどのような反応があったのか、あわせてお伺いいたします。
(大臣)ご指摘いただいた会合は今年で 3回目の会合となるわけでありますけれど、現下の中東情勢、 2月28日、イラン情勢といいますか、これが緊迫している構図で、初めての会合ということで、こういった現下の中東情勢も踏まえてですね、課題解決に向けた議論をリードしていくために、今年は日本の共催国に加わったわけであります。同時に、関係国が一堂に会する国連総会の機会をいかして、中東各国を含めて、広く参加を呼びかけてきたところです。会合では、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡、ここにおける自由で安全な航行の確保の重要性につきまして、多くの参加国から賛同が得られたところであります。
また、ホルムズ海峡の将来のあり方については、海峡利用国、更にはIMOをはじめ、国際社会全体で議論していくことが極めて重要であると、こういう点について共通の認識が得られたと、このように考えております。
こうした結果も踏まえ、日本としては、引き続き国際社会での議論、これを指導していくとともに、両海峡の早期の安定の回復、さらには幅広い外交努力、力強く続けていきたいとのように考えています。
南西アジア各国との外交
(記者)今回、大臣の期間中に、二国間の会談として、パキスタンやネパール、それからフィジー、モルディブの外務大臣と会談されました。今回の期間に、これらの国々の外務大臣と会談された意義、日本が目指すFOIPの実現などであるかと思いますけれども、今回の会談の意義をですね、教えてください。
(大臣)おっしゃるとおりだと思っているんですが、南アジア、そして太平洋島諸国、これは地政学的にも重要な地域であり、これらの国々との連携を通じて、地域の自律性、そして強靭性を高めていくこと、これはFOIPの実現に向けて極めて重要だと考えております。また、個別の会談、これで申し上げますと、まずはパキスタンですけれど、イラン情勢における仲介努力、これを担っている国でありまして、イラン情勢を受けた中東地域全体の安定に向けた連携を確認することができました。また、ネパール、ご覧のとおりですね、大きな洪水被害に見舞われたわけであり、同国の取り組みを後押しをする支援について意見交換をし、日本として当面の支援、これもあるわけであり、すでに無償協力であったりとか、またDNA管理検査、こういったことをですね、機器の提供等々も行っておりますが、こういった当面の支援からですね、中長期の復旧復興まで、日本として、これからもしっかりと支援していくことをお伝えをし、先方からも非常に感謝する、こういう言葉があったところであります。そしてフィジー、来年の夏にですね、横浜で第11回のですね、太平洋島サミット、これが開催されるわけでありまして、これに向けた協力、これを確認したところであります。今年はそのですね、PALM11の中間閣僚会合、フィジーで開催されることもありまして、それも含めてですね、この太平洋島サミットに向けた準備というか、連携、これを確認させていただいたところであります。最後にモルディブでありますが、来年が日本とモルディブの外交関係樹立60周年でありまして、なかなか訪問の機会がないもので、今回国連でお会いする、こういう機会を持ちましてですね、お互いの強靭性、そしてまた自律性の強化に向けてですね、緊密な協力について意見交換して、連携を確認したことになります。
