記者会見

茂木外務大臣臨時会見記録

(令和8年2月14日(土曜日)18時23分 於:ミュンヘン(ドイツ))

冒頭発言

【茂木外務大臣】ミュンヘン安全保障会議及びG7外相会合に出席するため、ここドイツ・ミュンヘンを訪問しております。フランスが今年G7の議長国になりまして、このフランス議長下で初めてとなります対面でのG7外相会合に出席いたしました。国際情勢が大きく揺れる中、ウクライナ情勢、インド太平洋を含む地域情勢などに関して、G7外相が率直にお互いの考えをすり合わせ、更なる連携を確認したことは、大きな意義があったと考えております。今年はこのG7の外相会合を4回やるということで、良いスタートを切れたかなとこんな風に考えております。
 ウクライナ情勢について、ウクライナのシビハ外相、先日、私こちらに来る前に電話会談をしましたが、シビハ外相も交えて議論を行い、公正かつ永続的なウクライナの平和の実現に向けて、G7とウクライナで連携することを確認いたしました。地域情勢についても意見交換を行い、インド太平洋情勢、中東情勢、中南米情勢、アフリカ情勢を含みます幅広い分野において、G7で連携して対応することの重要性を確認いたしました。特にインド太平洋情勢については、私から最近の情勢に関する日本の立場を説明し、北朝鮮についても、核ミサイル開発への懸念を表明し、また、拉致問題の即時解決に向けたG7各国の理解と協力を改めて求めました。
 また、インドのジャイシャンカル外相も交えて、国際的なパートナーシップについて議論を行いました。私から、現在揺らいでいるグローバル・ガバナンスの強化のために、国連安保理改革が重要であることや、インドとも協力しつつ海洋安全保障を巡る問題に取り組むことの重要性を強調したところであります。その中で、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)における日本の取組を紹介し、同志国連携の重要性を改めて訴えました。
 また、この機会にNATOのルッテ事務総長、米国のルビオ国務長官、そしてドイツのヴァーデフール外相とのバイ会談を行いました。NATOのルッテ事務総長とは、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障関係は密接不可分との認識の下、NATOと我が国やその他のインド太平洋パートナーとの協力の戦略的重要性を確認し、引き続き緊密に連携して取り組んでいくことを確認いたしました。
 米国のルビオ長官とは、外交、安全保障、経済にまたがる幅広い分野における日米共通の課題や地域情勢について率直な意見交換を行うとともに、FOIPの実現に向けて連携していくことで一致しました。また、3月にも行うべく調整しております高市総理の米国訪問が、揺るぎない日米同盟の姿を改めて示す機会となるよう、緊密に連携していくことで一致いたしました。
 ドイツのヴァーデフール外相とは、価値や原則を共有する特別なパートナーである日独両国がFOIPの実現に向けて連携することを確認し、安全保障や経済安全保障分野の協力を一層強化していくことで一致いたしました。また、インド太平洋情勢やウクライナ情勢について、日独両国が緊密に連携して対応していくことで一致をしたところであります。
 ミュンヘン安全保障会議に先ほど出席いたしましたが、オランダ、豪州、NZ及び米国の登壇者と共に、パネルディスカッションに参加をしたところであります。私からは、戦後最も大きな構造的変化の中にある安全保障環境に関する認識、三点でありますが、示した上で、FOIPの旗印の下、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に取り組む必要性を強調いたしました。また、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分である旨を指摘し、日米同盟に加えて、欧州を含む同志国との重層的な連携の重要性を指摘いたしました。
 このように、今回のミュンヘン訪問では、インド太平洋地域における厳しい安全保障環境について各国と認識を共有するとともに、数多くの同盟国・同志国との間で緊密な連携を確認する有意義な訪問になったと考えています。
 全体の日程が終わったわけではなく、このあと安保理改革に関するG4外相夕食会に出席いたします。ブラジル、インド、ドイツの外相等々との間で、安保理改革に向けた具体的な方策について議論を行いたいとこんな風に考えています。
 私からは以上です。

質疑応答

外務・防衛両大臣が出席する意義

【記者】ミュンヘン安全保障会議に日本の外務、防衛両大臣がそろって出席するのは2020年以来となります。日中対立が続き、欧州ではアメリカのトランプ政権への不信感から中国に接近する動きも目立っているが、こうした時期に両大臣がそろってミュンヘン安保会議に出席し、欧州各国の大臣らと意見を交わし、会談などを行えた意義についてどのようにお考えでしょうか。

【大臣】ミュンヘン安全保障会議は、各国の首脳・閣僚が一堂に会して、国際社会が直面する様々な安全保障上の課題について率直な意見を交わし議論を行う場であります。私(大臣)は参加するのが3回目になりますが、毎回ハイレベルな参加が増えている、また来場者も増えている、こんな風に感じております。国際秩序が戦後最も大きな構造的変化の中にあり、取り組むべき課題が山積している、またその幅も広がっている、こういった中で、今回、日本として外務・防衛両大臣が今回の会議に出席し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた我が国の取組であったり同志国連携の意義を発信し、多数の同盟国・同志国のカウンターパートとしっかり議論できたことには非常に大きな意義があったとこんな風に考えております。

王毅外相との接触、衆院選が日中関係に及ぼす影響

【記者】ミュンヘン安全保障会議には中国の王毅外相も参加していました。会議の合間に、言葉を交わす機会はあったでしょうか。また、衆院選での自民党の歴史的な圧勝を受けて高市政権の基盤は安定しました。日中関係に及ぼす前向きな影響に関していかがお考えでしょうか。

【大臣】今日は色んなビルを行ったり来たりして、皆さんもご覧になっているようにすごい人の集団でですね、人混みでありまして、王毅外交部長は見かけませんでした。いたのだとは思いますけれど。今回の総選挙の結果が日中関係に与える影響についてでありますが、まだ選挙から1週間経っていない現時点で予断することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、日本政府として、「戦略的互恵関係」の包括的推進と「建設的かつ安定的な関係」の構築という大きな方向の下で、しっかりと対話を行い課題と懸案を減らして理解と協力を増やしていく、この方針に変わりはありません。日本政府として、中国との対話にはオープンであり、今後も冷静かつ適切に対応していきたいと、こんな風に考えております。

NATOを通じたウクライナ支援

【記者】北大西洋条約機構(NATO)加盟国が米国の兵器を購入してウクライナに供与する枠組み「ウクライナ優先要求リスト(PURL)」に、NATO非加盟国の日本が近く参加表明することが一部報道に出ております。政府の方針をお伺いします。また本日のルッテ事務総長との会談でPURLについて話し合われたのでしょうか。

【大臣】ルッテ事務総長とは、現下の国際情勢に関する意見交換の中で、ウクライナを巡る情勢や支援についても議論いたしました。事務総長からは、ウクライナを継続的に支援していく必要性が強調されまして、NATOによる取組について説明があった上で、我が国によるNATOを通じたこれまでの支援に対しても多大な感謝の意が表されたところであります。私からは、我が国によりますウクライナ支援について説明する中で、今般、ウクライナに非殺傷性の装備品を供与する枠組みであります「包括的支援パッケージ(CAP:キャップ)」に対して新たに1,500万ユーロを拠出する旨を決定したことを伝達いたしました。また、お尋ねの「ウクライナの優先必要品リスト(PURL:パール)」についてでありますが、これに関しても意見交換を行い、引き続き、NATO側と調整していくということを確認したところであります。我が国としては、ウクライナの社会、経済を強靭なものとするために引き続き、国際社会と連携し、官民一体の復旧・復興支援等を推進していく考えであり、そういった中でNATOとも引き続き連携していきたいとこう考えております。


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