記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和7年12月12日(金曜日)17時38分 於:本省会見室)

(動画)茂木外務大臣会見の様子

冒頭発言

ベトナム中部における洪水被害に対する緊急無償資金協力

【茂木外務大臣】私から、1件報告があります。
 ベトナム中部における洪水被害に対する緊急無償資金協力についてであります。
 先般ベトナム中部を襲った豪雨によって生じた甚大な洪水被害に対して、本日、日本政府は、ベトナムに対する150万ドルの緊急無償資金協力の実施を決定いたしました。
 今般の緊急無償資金により、国際機関を通じて、生活必需品の供与及び水・衛生分の人道支援、これを実施してまいります。
 我が国として、被災地域の一日も早い復旧に向けて、関係機関に連携していく考えであります。
 先日来、東南アジアで、様々な、台風被害であったり洪水水害が生じているところでありますけれど、各国のニーズに応じて、また、要請に応じて、日本として、適切な支援を行ってきておりますし、これからもそういった事態が生じた場合には、そう対応してまいりたいと、こんなふうに考えています。
 私からは、以上です。

ベネズエラの野党指導者マチャド氏のノーベル平和賞受賞

【共同通信 阪口記者】ノーベル平和賞を受賞したベネズエラの野党指導者、マチャド氏が、記者会見を開きまして、マドゥロ政権の転換と民主化の実現に向けて、全ての民主主義国家の支援が必要だ、世界に行動を求めると、協力を呼びかけました。マチャド氏のノーベル賞受賞への受け止めと、こういった呼びかけに対して、日本政府として、どのように対応するお考えかお尋ねします。

【茂木外務大臣】今般、ベネズエラ野党指導者のマチャド氏が、ノーベル平和賞を受賞された。これは、ベネズエラの民主主義回復のための、マチャド氏の活動が評価されたものだと、こんなふうに思っております。
 どういう立場であれ、そういった活動が、国際的に一番権威があるノーベル平和賞を受賞したということについては、心からお祝い申し上げたいと、こんなふうに考えております。
 ベネズエラ情勢については、我が国として、従来から、与野党間の対話の実施など、全ての関係者の広範な参加を得て、一刻も早く、ベネズエラにおける民主主義が平和裏に回復されること、これが重要との考え方の下で、G7外相声明の発出であったりとか、ベネズエラ政府への働きかけなどを行ってきたところであります。
 引き続き、現地の状況を注視しながら、ベネズエラにおける平和裏の民主主義の回復に向けて、国際社会と緊密に連携して取り組んでまいりたいと、こう考えております。

国連機関における日本人職員

【時事通信 千葉記者】少し前の話で恐縮ですけれども、先月末に、ICAO(イカオ)、国際民間航空機関の理事会議長に大沼俊之氏が選出されました。万国郵便連合の目時(めとき)事務局長と合わせて、国連の専門機関のトップに2人の日本人が就くというのは、過去最多と伺っています。これについて受け止めと、また、国連機関全体の日本人職員数というのは増えてると思いますけれども、その中で幹部に日本人が就くことへの期待感を教えてください。

【茂木外務大臣】御指摘のとおり、今般の国際民間航空機関・ICAO、大沼大使の理事会議長選出、理事会議長でありますが、これによりまして、万国郵便連合の目時国際事務局長と、合わせて15あります国連専門機関のうち、二つの機関で日本人の長が活躍するということになったわけであります。
 これは、御本人の実績であったりとか、日本のこれまでの貢献に対する国際社会からの高い評価の表れであり、歓迎をしたいと思っております。
 国連を含めます国際機関において、日本人幹部クラスを含めて、様々なポストで活躍する。これは、以前から申し上げておりますけれど、我が国と、その機関との連携強化のみならず、国際社会におけるルール形成を主導していくと、こういう意味で、極めて重要であると考えておりまして、今後も、国連、国際機関における日本のプレゼンス強化に向けて、こうした取組、進めてまいりたいと考えております。

ミャンマー総選挙

【朝日新聞 小野記者】ミャンマーの総選挙についてお尋ねします。近く、第1回目の投票が予定されておりますが、この総選挙の正当性について、日本政府は、どのような立場をとっているか教えてください。それと、アウン・サン・スー・チーさんはじめ、多くの人が拘束されて、弾圧が続いていますけれども、日本政府として、どのような働きかけを今後されていくか、併せて教えてください。

【茂木外務大臣】なかなか正当性の評価というのは難しい部分はあるとは思いますけれど、日本政府としては、今回の総選挙は、民主的な政治体制の回復に向けたプロセスとして位置づけられるべきものであると、このように考えております。
 この点、ご指摘ありましたように、被拘束者の解放であったり、当事者間の真摯な対話、これを始めとします政治的進展に向けた動きが見られないまま総選挙が実施されれば、ミャンマー国民によります、さらなる反発であったりとか、そういったものを招き、平和的解決がより困難になると、このことを深刻に懸念しております。
 日本政府として、ミャンマー国軍に対して、こうした懸念を含めて、暴力の即時停止、そして、アウン・サン・スー・チー氏を含む被拘束者の解放、民主的な政治体制の早期回復について、具体的な対応をとるように、これまでも、働きかけを行ってきましたし、今後も粘り強く働きかけを行っていきたいと思っております。

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