記者会見
岩屋外務大臣臨時会見記録
(令和6年12月11日(水曜日)19時40分 於:本省大臣接見室)
冒頭発言
(大臣)先ほど、韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官と電話会談を行いました。
趙長官からは、戒厳令発出後の動きを含め、現在の韓国国内情勢について説明がありました。長官自身、本日、議会で説明を求められているような状況ですので、先方の御発言をここで紹介することは控えたいと思いますが、私からは、こうした状況でも我々の間で意思疎通することを歓迎すると申し上げたところでございます。また、韓国は国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国であることに変わりはありません。そのことを改めてお伝えしたところです。その上で、チョ長官と、いかなる状況であっても、現下の戦略環境の下で、日韓関係の重要性は変わらないということを確認しました。
また、様々な情勢が複雑化していく中にあって、北朝鮮に関して、日韓、日韓米で緊密な連携を確保し続けていることの重要性を再確認したところでございます。既に発表しているところですが、おととい、まさに北朝鮮に関する事務レベルの日韓米協議を行ったところでございます。引き続き、緊密に意思疎通を図っていきたいと思います。
韓国内の政治状況は極めて流動的であり、状況は刻一刻と変化していますが、重要なことは、この地域の平和と安定の観点を含め、日韓政府間で緊密に意思疎通していくことだと思います。その考え方で今後も取り組んで参りたいと思います。
質疑応答
(記者)今回の戒厳令による混乱を受けて、石破総理、元々年明けに韓国を訪問する予定だったのを延期したというような報道もありますけれども、 今回の電話会談の中で改めてこの総理の訪韓について何かやり取りはあったんでしょうか。
(大臣)厳しい国会情勢ということもこれありですね、様々な調整は試みておりましたけれども、何か確定していたということではございません。今日の段階ではそのことについて話をしたということではございません。
(記者)韓国政治の混乱が続いている中ではありますが、今後の日韓、日米韓の連携維持に向けてですね、本日、どのように話し合われましたでしょうか。
(大臣)現地の状況は、先ほど申し上げたように極めて流動的で、刻一刻変化をしているということでございますが、私からは趙長官に、大変な中であっても、 ぜひ職責をしっかり果たしていただきたいということを申し上げた上で、今後も、折に触れて緊密に意思疎通をして参りましょうということを申し上げました。 実際にどういう展開になっていくか、まだこの段階では確たることは予断を持って申し上げられませんが、 来年は日韓の国交正常化60周年という大事な年でもありますし、日韓の緊密な連携をこういう厳しい状況の中にあってもしっかりキープをしていきたいというふうに考えております。
(記者)先日、アメリカのブリンケン長官が、趙外相に深刻な懸念というのを表明をされました。今回、岩屋大臣が先方とお話をするなかで、この戒厳令について伝達をされたこと、お考えをどうお伝えされたのか伺います。
(大臣)ブリンケン長官との話は戒厳令が出された直後のことであったと思います。そこから大分事態が動いてきておりますので、私からは、韓国の民主主義の強靭性を我々は信頼しておりますということを申し上げました。
(記者)北朝鮮に対して日韓、日米韓での連携の重要性を改めて確認されたということですけど、これは、念頭にあることは核ミサイル問題、露朝協力など様々あろうかと思うんですが、テーマについて何か話題になりましたでしょうか。
(大臣)いえ、その具体的な懸念事項について話し合ったということではありませんが、こういう厳しい国際情勢全体も揺れ動いているし、韓国でこういう事案が発生したということもあって、こういう時だからこそ日韓の関係が安定をしていると、また日米韓がしっかり連携しているということを内外にしっかりと示すことは大切ですよね、とそういう話をさせていただいて、そこは合意をみたというか、確認をしたところでございます。
(記者)戒厳令を巡って大統領府に警察が捜査に入ったりとかですね、そういったこともあると思います。
そういった点について、今日ご説明が先方からあったのか、そういった事態について、大臣がどういう所感を持ってらっしゃるのか、伺います。
(大臣)様々報道には私も接しておりますが、 そういう細部についてまでのご説明があったわけではありません。長官自体も今後の事態の展開を予断を持ってお話できる状況にはないのではないかなと思います。私は、そういう中にあってもしっかり日韓の意思疎通は継続をしていきましょうという話をさせていただいたところです。
(記者)先ほど外務省から日米韓インド太平洋対話を今日開催したという発表がありました。この事態でも日韓、日米韓の実務者レベルの連携っていうのは問題なく続けられているという理解でよろしいでしょうか。
(大臣)はい、それがしっかりと継続できていっているということでございます。