記者会見

岩屋外務大臣臨時会見記録

(令和6年11月14日(木曜日)17時14分 於:リマ(ペルー))

冒頭発言

 昨日からAPECの閣僚会議に出席するために南米ペルーを訪問しております。今回の訪問方法は、外務大臣就任して以来初めての海外出張でございます。まず、ペルーのシアレル外務大臣と会談をいたしまして、戦略的パートナーとして、2国間関係を一層強化するために、政治、経済、そして人的交流など様々な分野で緊密に協力していくことを確認をいたしました。またこの機会に、約20万人いらっしゃるというペルーの日系人協会を訪問をいたしまして、日系人の方々からお話を伺いました。多くの苦難を乗り越えて、ペルーの発展に貢献してこられた日系社会の皆様のお取り組みに深く敬意を表するとともに、日本政府としても、引き続き、日系社会の皆さんとの連携を強化してまいりたいということを申し上げたところでございます。

 また、APECの閣僚会議についてでございますけれども、私から零細中小事業者や女性の経済的地位の向上の重要性、また、食料安全保障の強化及び食品ロスの問題等について、APECとして協力して対応することの重要性について申し述べたところでございます。地域の情勢につきましては、ロシアのウクライナ侵略、北朝鮮の核・ミサイルの活動及び露朝の軍事協力、中東情勢に関する我が国の立場を改めて発信をいたしました。会議を通じまして、APECの閣僚との間で、自由で公正な貿易環境、投資環境を促進し、持続的成長を実現すべく、連携していくことを確認できたところでございます。

 さらにこの機会に、バイの会談、二国間の会談を行いました。まず、米国、および韓国の外務大臣と二国間の会談を行いました。米国のブリンケン国務長官とは、就任直後で電話でお話をいたしましたけれども、対面では初めての会談となりました。今日の会談では、日米同盟の強化が石破政権の外交・安全保障政策の最優先事項であるということを改めてお伝えした上で、グローバルなパートナーである日米両国が今後どのようにして、さらに連携を深めていくべきかということについて、率直な意見交換を行ったところでございます。

 韓国のチョ・テヨル外交部長官とも、就任直後の電話会談に続きまして、初めて対面で会談を行いました。国交正常化60周年となる来年を、日韓関係を大きく飛躍させる年とすべく緊密に連携していくことで一致をいたしました。また、北朝鮮をはじめとする地域情勢についても意見交換、協議をいたしましたけれども、日韓、日米韓の協力の重要性を再確認をしたところでございます。

 この他に、タイ、ベトナム、マレーシア、カナダ、インドネシア、ニュージーランドの各外務大臣と、APEC閣僚会議の場で、懇談の機会を持つことができました。今回は飛行機を乗り継いで、まさに地球の裏側までの長旅となりましたけれども、多くの国・地域の閣僚が一堂に関して対面で議論することは、やはり大きな意義があるというふうに感じたところでございます。改めて、この会議の議長を務められたペルー政府に心から感謝申し上げたいと思います。あすからの首脳会議においても、実りある議論が行われるものと期待し、確信をしているところです。以上です。

質疑応答

(記者)日米外相会談の関係でお伺いします。東アジア情勢や中東、ウクライナ情勢などについてどのようなやり取りがあったか、お伺いします。また、トランプ次期大統領は、国務長官に中国やイランに対する強硬派として知られるマルコ・ルビオ上院議員を起用することを表明しています。そうした次の政権の人事や政策について、今日の会談で話題に上がったかどうか、また大臣の今後のカウンターパートとなるルビオ氏とどのような関係を築きたいか、お聞きします。

(大臣)ブリンケン国務長官との間ではですね、中国を巡る諸問題や核・ミサイル問題および拉致問題を含む北朝鮮への対応、そしてウクライナ情勢、地域情勢について率直な意見交換を行いました。ブリンケン長官との間では、インド太平洋の平和と繁栄の礎である日米同盟をさらに強化していく必要があると、今後とも緊密に日米間で連携していかなければならないということについてですね、再確認をさせていただいたところでございます。席上、ブリンケン長官からもですね、次期国務長官についてのお話もありました。しっかり仕事を引き継いでいくということでございましたので、私も次期政権のトランプ政権のカウンターパートとともにですね、強固な信頼関係をこれから築いていきたいと、そして日米同盟をさらに高みに引き上げてきたいというふうに思っております。

(記者)本体の会議の中で、トランプ氏の政策についてのやり取りっていうのは、あるいは大臣のご主張というのは。

(大臣)トランプ氏の政策といっても、まだ新政権が正式に発足したわけではありませんので、そこについて具体的なお話があったということではありません。いずれにしても、日米の関係で言えばですね、政権が変わろうともですね、日米同盟の重要性に変わりはない。これをさらに強固なものにしていかなければいけないという話は、しっかりとさせていただきましたし、私からそのような意見を申し上げたところでございます。

(記者)バイで日韓の外相会談についてお伺いしたいんですが、今し方のご発言で少し補足で確認させていただきたいんですが、日米のほうで、ブリンケンさんから次期国務長官についての話もあったと。しっかり引き継ぎを、仕事を引き継ぐと、これルビオさんにしっかり仕事を引き継ぐと、そういうお話があったという趣旨でよろしいでしょうか。

(大臣)そういう趣旨のお話ですね。長い付き合いのナイスガイだという紹介をされておられました。ブリンケンさんに僕は初めてお会いしましたけど、なかなか爽やかな、潔い話だったなと感じました。

(記者)ナイスガイというのは、ルビオさん。

(大臣)そうですね。はい、そうおっしゃってました。

(記者)日韓外相会談についてお伺いしたいんですが、先ほど大臣ご紹介あったAPECの方で、地域情勢に関しては日本として露朝の軍事協力についての我が国の立場を表明したと。ロシアと北朝鮮の軍事協力について、日韓の場でも話題に上ったのかどうかということと、あと先ほど60周年、来年関係強化というお話ありましたが、外務大臣同士の相互訪問といったことが議題に上ったかどうか、あるいはまた議題に上っていないとしてもご自身のご意向、あるいはチョ外相をお招きするような、そういった点をちょっとお伺いできますでしょうか。

(大臣)露朝の軍事協力については、日韓の外相会談においてもですね、話題にさせていただきました。要は、重大な深刻な懸念を有しているということは、韓国側とも一致を見たところでございます。やっぱり国際社会がこのような軍事協力についてもですね、厳しい、強いメッセージを発していくことが大事だ思いますし、日韓、日米韓としても、しっかり連携していこうということを確認をさせていただいたところでございます。それから、日韓の往来についてですが、もう既に首脳間ではシャトル外交ということがですね、元に戻って始まっておりますので、外相間でもぜひ行ったり来たりといいますか、外相間のシャトル外交もぜひやらせていただきたいと思っております。

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