記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成31年4月6日(土曜日)14時33分 於:フランス・ディナール)

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冒頭発言

【河野外務大臣】 先ほど,このディナールにおけるG7の外相会合が終わりました。国際社会が直面する吃緊の課題あるいは地域情勢について,かなり忌憚なく意見交換をすることができました。G7による重要課題に対する認識の一致に,日本としてもかなり貢献することができたと思います。

アフリカは,議長国のフランスが不平等との戦いとのテーマの下,非常に重視している分野です。昨日のワーキングディナーに様々な方が招かれて,G7外務大臣と一緒に議論をいたしました。私からは,今年の8月に開催されるTICADVIIについて,アフリカ各国の首脳に加えてG7からもハイレベルの参加を要請いたしました。TICADVIIでは,平和安定を含むアフリカの開発に関して,率直な意見交換をG7を含めて行いたいということを申し上げました。

北朝鮮に関して申し上げれば,G7の優先課題の一つとして,かなり突っ込んだ議論がございました。私からは,アメリカの対応,ハノイを含め,全面的に支持し,北朝鮮の完全な非核化に向けての米朝プロセスをしっかり後押しをしていきたいということを申し上げました。G7としてアメリカの取り組みを支持すると共に,北朝鮮のすべての大量破壊兵器および,あらゆる射程のミサイルのCVIDに向けてコミットメントを確認をいたしました。また,関連する安保理決議の完全な履行とそのための瀬取りを含む制裁回避に関する行動について,G7として,しっかり対応していこうということで一致をいたしました。また,拉致問題について,私から理解と協力を要請し,そこは賛同いただいたと思います。

6月に今度は大阪でG20サミットを開催することになります。G20とG7は経済成長,あるいは格差の是正,地球規模課題での協力など,重なるところもかなりございます。この今回のG7外相会合は,6月の大阪サミット,8月のG7ビアリッツサミットに向けて,日本とフランスの両議長国を中心に,G20とG7の特性を生かしながら,引き続き緊密に連携していくということを確認する場になったと思います。

また,今まで申し上げたことの他,民主主義の擁護,女性,サイバー,イスラエル・パレスチナ紛争,シリア,イラク,その他中東・北アフリカの情勢,ベネズエラ情勢,中国,海洋安全保障,ウクライナ,ロシア,あるいはテロ,違法取引等々,かなり多岐に渡る分野で議論を行うことができました。

まもなく,議長から共同コミュニケが発出されると思いますけども,ルールに基づく国際秩序が挑戦を受けている中,基本的価値観を共有するG7として,連帯を確認し力強いメッセージを発出できると思います。ビアリッツサミット,あるいはG20大阪,TICADVIIにしっかり繋げていきたいと思います。

また,この会合のマージンで,カナダ,フランス,イギリス,ドイツの外務大臣,それからEUのモゲリーニ上級代表とも会談を行いました。私からは以上です。

質疑応答

【記者】 今のお話の中で,中国についてもいろいろ意見交換を行えたということでしたが,具体的にどういったような意見交換を行い,大臣からどのようなお話をされて,皆さん一致されたのか,特に一帯一路ですとか,そういったような,習近平国家主席のヨーロッパ訪問ですとか,そういった点についてもお話があったのか,お願いしたいと思います。

【河野外務大臣】 昨年のG7外務大臣会合と比べると,中国に関する関心は非常に強くなったといってもいいのかな,と思います。中国がこの自由で開かれた国際秩序に責任ある形で参画をしていくのが望ましいということで一致をいたしました。EUが…先般,習近平国家主席がヨーロッパを訪問したこともあり,中国とどのように付き合っていくかということを,EUあるいはEU各国が盛んに議論し始めているな,という感じを強く受けました。

【記者】もう一点伺います。昨日の日仏の外相会談の中で,日産のゴーン前会長のことについて,先方から問題提起があったということでブリーフありました。具体的にどのようなやりとりがあったのかご紹介いただければと思います。

【河野外務大臣】問題提起というか,フランスも日本の司法の独立ということはよく理解をされているわけで,フランス人としてのゴーンさんのことについて,ル・ドリアン外務大臣が触れられたということだと思います。当然,国籍を持っている自国の人間が他国で逮捕されたということは,どの政府でも気にするだろうと思いますので,そこはそういう発言があったとしても特におかしなことはないと思いますし,何か気にすることがあれば,それは遠慮なく言っていただきたいと思います。ただ,まあ司法の独立というのがありますから,政府として何かできることは非常に限られております。

【記者】各社さんお願いします。

【記者】中国の話で日本は今,往来を活発にしたりですね,日中関係もまあよくなっているかと思いますけれども,その日本の対中戦略について大臣からご説明する場面があったのかということと,それについて他国からなにか質問ないし感想みたいなものがあったのかということについてお願いします。

【河野外務大臣】日本が,総理が訪問し,今年,習近平国家主席が大阪へ来られるということもあるので,日本と中国の関係について少し説明をさせていただきました。先ほど申し上げましたとおり,ヨーロッパ各国はこの中国とどのように付き合っていくかという議論が,やはりかなり活発に行われている,それを反映したような今回のG7の外相会合になったのではないかと思います。

【記者】冒頭の質問にありましたゴーンさんの件ですけれども,ル・ドリアン外相からはお話あったと言うことなんですけれども,大臣からの説明はあったんでしょうか,ということと,今回のゴーンさんの再逮捕が日仏関係に与える影響についてお伺いしたいです。

【河野外務大臣】日仏関係に何か影響があるということは全くありません。私からは,それは国籍を持っている人が他国で逮捕されたということは,それは心配の種になるということはよく理解をしておりますから,何かあれば遠慮なく言ってきてくださいと,ただまあ日本は司法の独立ということがはっきりしておりますから,行政府と司法の間でできることは限定されてますということは,申し上げるまでもなく先方から,そのことはよく理解をしているという話がありました。問題提起というよりは,触れられたということなんだろうと思います。

【記者】大臣のカギカッコではないということですかね。今おっしゃったのは。

【河野外務大臣】先方からは,司法の独立ということはよく理解をしているけども,カルロス・ゴーンがまた再逮捕されたということを聞いてます,そのような話でした。

【記者】中国の関係でなんですけれども,欧州での関心が高まっているということをお感じになったということなんですが,特に欧州で最近議論になっているのが,連結性とかあるいは一帯一路の構想ですけれども,その辺に関してはG7の外相会合それから昨日の各国とのバイ会談の中ではどのようなやりとりがあったのでしょうか,その点お答えいただければと思います。

【河野外務大臣】連結性については様々な途上国の資金ギャップがある中で,国際的なスタンダードに沿った形でプロジェクトが行われれば,その資金ギャップを埋めることに貢献することになるという,そういう話はありました。

【記者】それはG7の中で,でしょうか。

【河野外務大臣】G7の中です。

【記者】あともう一点,今回ひとつサイバーの関係での会合が設けられて,ル・ドリアン外相もオフィシャルにG7として一致したセオリーだと言っています。日本としても,必ずしもサイバー対策とは違いますが,デジタル経済というものはG20の中で議論していきたいということは総理自らおっしゃっています。そこまでに,デジタル分野でのないしはサイバー空間での対応ということに関してはG20とG7どのように連携している風に大臣今回お訴えになったのでしょうか。また今後どのように取り組んでいきたいというお考えでしょうか。

【河野外務大臣】G20の大阪サミットの中で,大阪トラックというものの中で,データガバナンスについて,しっかり取り上げていきたいということは申し上げました。また,WTOでeコマースの議論が進んでおりますので,そういうことについても注視していきたいというような話はございました。

【記者】今回のG7会合なんですけども,昨年に続いてアメリカの国務長官が欠席するということになりました。世界の牽引役としてのG7の役割が弱まっているのではないかという指摘もあるんですけれども,今回大臣出席してみてですね,どのように認識されたのかと,今後G7はどうあるべきかということも併せてお願いします。

【河野外務大臣】志を同じくする国の集まりということで,G7の重要性というのはむしろ増しているんだろうと思っております。サリバン副長官はしっかりとしたマンデートをもって今回の議論に参加されましたので,アメリカもしっかりいろいろと発言をしておりましたし,貢献という意味では遜色なかったと思います。

【記者】今回サリバンさんとは会談なり二国間でのやりとりはあったんでしょうか。

【河野外務大臣】会談という形ではやりませんでしたけども,昨日,海上バスでサンマロに移動する中で,いくつかの話をちょっと船の上でさせていただきました。中身についてはちょっと差し控えます。

【記者】サリバンさんの件でですね,来週米韓首脳会談が予定されておりますけれども,それも踏まえてサリバンさんはもしくはG7本会合の場で日米韓の対北朝鮮連携を確認される場面はあったのでしょうか。

【河野外務大臣】日米韓というよりは国際社会が北朝鮮に対して,一致した対応をすることが必要だということは,参加国,参加者すべての総意でした。

【記者】日米韓も含めてということでしょうか。

【河野外務大臣】日米韓というよりは国際社会全体でということですね。

【記者】ちょっとお伺いしたいんですけど,先ほどの中国の件ありましたけれども,来週河野大臣中国の方に訪問出張されるかと思います。今回の議論をどのように次の出張に生かしていかれるか,一言いただければと思います。

【河野外務大臣】先ほど申し上げましたけど,昨年に比べてやっぱりこの中国に対する関心が非常にこのG7の中で強くなっているということがあると思いますし,ヨーロッパが今後どのように付き合っていったらいいのかという議論を相当やってる,それぞれの国の中でもやってるしEUとしてもやっているというところはあるんだろうと思いますので,機会があればそういうこともしっかり中国側に伝えていきたいと思います。

【記者】もう一点,今回,先ほどG7の今回の議論をG20にいかしていこうということでしたけれども,具体的にまあどういったところについて重視していかしていきたいかということでお考えなのでしょうか。

【河野外務大臣】G20はどちらかというと経済が中心になりますんで,経済成長ですとか,格差の是正,そして海洋プラスチックごみを中心とするその地球規模課題,こういうものにしっかりと議論を生かしていきたいとそういう風に思っております。

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