記者会見
茂木外務大臣会見記録
(令和3年10月15日(金曜日)10時43分 於:本省会見室)
冒頭発言
日本による新型コロナ・ワクチンの対外供与
【茂木外務大臣】まず、私(茂木大臣)の方から1点、新型コロナ・ワクチンの対外供与に関してでありますが、この度、各国からの追加支援要請を踏まえて、インドネシア及びフィリピンへ各200万回分、タイへ40万回分、ベトナムへ50万回分の追加供与を行うことを決定いたしました。これらのワクチンは本日以降、準備が整い次第、順次、輸送する予定であります。また、台湾についても追加供与を行うべく調整中であります。
こうした直接供与に加えまして、COVAXを通じた提供につきましても、関係機関等と調整が整えば、東南アジア、南西アジア、中南米、中東・北アフリカ、太平洋島嶼国等を念頭に、COVAXを通じた合計500万回分の追加のワクチン供与を実施すべく、調整を開始いたしております。
日本は既に2,500万回分のワクチン供与を行ってきました。ユニセフによりますと、これは世界第三位の実績となります。今後とも、国内のワクチン生産・使用状況、また各国・地域における感染状況やワクチンのニーズ等を勘案しながら供与を進めていきたいと思います。私(茂木大臣)からは以上です。
北方領土問題(ロシア副首相の択捉島訪問)
【北海道新聞 文(ブン)記者】本日、ロシアの副首相2人が、北方領土の択捉島に入りました。ロシア政府要人としては、昨年7月の、首相が入って以来のことになるかと思いますけれども、本日、抗議や申入れなどは行ったのでしょうか。併せて、改めて日本側の立場、考えについて教えてください。
【茂木外務大臣】抗議を行いました。北方領土に関する日本の一貫した立場、これと相容れず、受け入れられない、こういった形で抗議を行っております。
【北海道新聞 文(ブン)記者】関連して、今回の択捉訪問ですけれども、今月7日に岸田総理とプーチン大統領との電話会談を行って間もない状況でのことになります。平和条約交渉など日露外交への影響をどのように考えていらっしゃいますか、お願いします。
【茂木外務大臣】先日の日露の首脳電話会談におきましては、平和条約交渉については、しっかり継続するということを、首脳間で確認をしておりますので、交渉をしっかりと進めていきたいと思っております。
中国のTPP11加入申請
【朝日新聞 相原記者】TPPについて伺います。先日、中国政府がチリの外相から中国のTPP加盟について支持を取り付けたと発表しました。
【茂木外務大臣】ごめんなさい、どこですか。
【朝日新聞 相原記者】チリです。チリの外相から。ここのところ、中国によるTPP加盟をめぐる外交攻勢というのが続いているようですけれども、これについての大臣の所感と、日本のスタンスについて改めてお聞かせください。
【茂木外務大臣】まず、チリについては、国内手続を早く進めていただきたいと、加入に向けて、非常に遅れておりますので。チリで署名式までやったわけですよ。これは、当時のバチェレ大統領が、是非チリで署名式を行いたいということで、3月18日、署名式を行ったわけでありますけれども、まだ入れていないということで、まずは、他人のことよりも自分の手続をしっかり進めて欲しいと思っています。
サウジアラビアの空港への攻撃事案
【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて質問)
中東についてお伺いします。サウジアラビアの民間空港において攻撃が発生し、駐サウジアラビア日本大使が非難の意を示されたかと思います。日本は本件の各関係者と良好な関係を築かれていますが、さらにコメントはありますでしょうか。
【茂木外務大臣】日本政府として、10月8日に発生したサウジアラビア南部のキング・アブドッラー空港への攻撃事案をはじめ、サウジアラビアに対する累次にわたる越境攻撃、強く非難をいたします。日本政府はこれまでも、ホーシー派を含みます全ての関係者に対して、イエメンにおける即時の停戦と政治的解決に向けた早期の対話開始を呼びかけてきております。グランドバーグ国連イエメン担当大使による活動を始め、国際社会のイエメン紛争の終結に向けた取組を引き続き後押しをしていきたいと考えております。
私(茂木大臣)自身も、関係国のカウンターパートとの電話会談、そして8月の中東歴訪の機会に、イエメンにおける停戦と平和に実現に向けた働きかけを行ってきました。引き続き、域内外の関係国と連携しつつ、人道支援の実施を含めて、イエメン及び中東地域の平和と安定の実現に取り組んでいきたいと思います。
日韓首脳電話会談
【東亜日報 キム記者】早ければ、きょう夜、日韓電話会談が行われると見込みがありますけれども、これについて日本側のスタンスについて教えていただければ幸いです。
【茂木外務大臣】日本側の何?
【東亜日報 キム記者】スタンスです。日本側の立場です。そして、今回は韓国の順番が後回しになったような気がしますけれども、韓国側には日本側から、ないがしろにされているとの声もありますけれども、これについても、どう受け止めてますでしょうか。
【茂木外務大臣】岸田総理、主要国の首相と順次、就任して間近、また、国会等々もある中で、順次、首脳電話会談というのを行っているところであります。今まで行いましたのが、米国、豪州、ロシア、中国、インド、さらには英国という形でありまして、まず、日本にとって大切な国は、たくさんあるわけでありますけれど、相手の都合もありますので、そういう時間の調整もしながら、電話会談を行っていると、このように考えております。
イラン核合意(マレー米国イラン担当特使の発言)
【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて質問)
イランの核問題についてお伺いします。核施設に関する核交渉の特使がコメントをしておりますが…
【茂木外務大臣】You mean Rob Marley? (ロブ・マレー米国イラン担当特使のことですか?)
【パンオリエントニュース アズハリ記者】はい。
(以下は英語にて質問)
同特使は、あらゆる選択肢を検討する用意があると述べており、中東の人々の中には戦争が選択肢の中に入っていると懸念する声もあります。このことに関して、日本の一般的な立場についてお聞かせ下さい。
【茂木外務大臣】マレー特使の発言、直接、確認しておりませんで、論評を差し控えたいと思います。