記者会見

茂木外務大臣臨時会見記録

(令和3年5月17日(月曜日)15時52分 於:省内大臣接見室)

冒頭発言

【茂木外務大臣】今日はですね、在外邦人の安全確認の関係で、ひとつは中東のイスラエル・パレスチナ情勢、先週記者会見でもお話ししたことでありますが、それと、インドの在留邦人の件でお話をしたいと思います。

 まず、パレスチナ情勢でありますが、パレスチナの武装勢力によります攻撃とこれに対するイスラエル軍の反撃の継続によりまして、イスラエル・パレスチナ情勢は日々悪化しておりまして、日本政府は、こうした状況に深刻な憂慮を表明いたします。
 特に双方の民間人に多数の死傷者が生じていることは遺憾でありまして、こうした暴力行為を強く非難いたします。米国やエジプト等による仲介努力等の動きも注視をしながら、国際社会としっかりと連携して、我が国としても、外交的取組を継続していきたいと思います。
 特に5月10日以降には、ガザ地区からイスラエル領内に向けて多数のロケット弾が連日発射されまして、これに対するイスラエル軍のガザ地区に対する大規模な攻撃が継続し、多くの死傷者が発生しているところであります。
 今後情勢が不測の事態に発展するおそれがあることにも鑑み、昨日、ガザ地区の危険情報、これをレベル3「渡航中止勧告」からレベル4「退避勧告」に引き上げました。
 ガザ地区及びその周辺に滞在している邦人の方々にはですね、速やかに退避をお願いするとともにですね、同地区への渡航・入域は中止していただくよう強く求めたいと思います。
 引き続き、現地情勢を注視をするとともに、在留邦人の安全確保に万全を期す考えであります。

 続いて、インドでありますが、インドでは、連日30万人前後のですね、新型コロナ新規感染者が発生しておりまして、医療提供体制も極めて厳しい状況が続いております。
 インドの在留邦人の帰国予定者が、インドにおいてPCR検査を安全・確実に受検し所要の検査結果証明書を速やかに取得できるようにするための支援の一つとして、インド日本商工会議所が、日本政府の支援スキームも活用して、ニューデリー近郊にPCR検査の受検会場を設けました。本日からこの会場で検査を開始することとなっています。
 インドに滞在中で、日本への一時帰国等を検討されている方々には、出国のための手続を早めに進めていただきたいと思います。また、現時点において日本への一時帰国を検討されていない方についても、今後のですね、新型コロナの感染状況の推移に十分注意し、一時帰国を含めた対応を予め御検討いただくよう宜しくお願いします。
 私からは以上です。

質疑応答

【記者】インドに設けられるPCRの検査場ですけれども、運用に当たってはどのような点に留意していきたいとか、邦人の方の安全の確保とか色々あると思いますが、そのへんの外務省としての今後の方針をお願いします。

【茂木外務大臣】ニューデリーの近郊でですね、実際に今、邦人の方で帰国をされる際にですね、便が一番ニューデリー発が多いので、地方にいてもニューデリー経由で出られる方がよく利用されているホテルの庭を使ってやっているところでありまして、安全・確実・速やかに検査ができるという、インドでも検査体制がありますが、それをしっかり補完してですね、帰国されたいという方が所要の検査証明をすぐに取得して出国できるような体制を準備していきたいと思います。

【記者】ガザ地区に関連してなんですが、この地区、今回の日本人へのレベル4への退避勧告ですけれど、どれくらいの日本人の方を念頭にというか、対象にされているか、この地域で。数字があれば教えてください。

【茂木外務大臣】今申し上げたように、ガザ地区、更にはですね、その周辺の領域といいますか、接続しているところにいらっしゃる方、これについて極めて危険度が高まっているということで、レベル4に引き上げたということです。イスラエル・パレスチナ全体で言いますと、在留届出している方で大体1200名ということでありまして、ガザ地区、もしくはその隣接地域でいいますと、その数から比べると少ない数でありますが、状況については掴んでおりますが、数字については色んな流動的な要素があったり、更にはある意味、邦人の安全にも関わる問題でありますので、控えさせてください。

【記者】イスラエルに関連して、もう一つ。先日報道機関が入っているビルへの空爆もありました。こういった攻撃が続いていることに対して、また報道機関が入っているビルもターゲットになっていることについて、外務大臣としてどのようにご覧になっているでしょうか。

【茂木外務大臣】極めて深刻な状況であると思っております。いずれにしても、現地の状況というのは的確に世界に向けて発信される、こういったことも重要だと思っております。イスラエル・パレスチナ双方に対して自制を呼びかける、これが基本的な立場でありますので、この先日のビルの爆破も含めてですね、そういった暴力行為、即時止めるように両側に働きかけていきたいと思います。

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