記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和元年9月13日(金曜日)13時49分 於:本省会見室)

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日中関係

【テレビ東京 坂井田記者】日中関係について伺いたいと思います。中国の孔鉉佑(こう・げんゆう)駐日大使が,今週,2008年の日中共同声明に続く第5の政治文書を結ぶことについて,異存はないというふうに講演で質問に答える形で言及をしました。中国側からこうしたメッセージが出ていますけれども,日中関係改善の具体的成果を求める声が強まっていると思うんですが,茂木大臣,こうした日中関係をどのように取り組んでいかれるのか教えてください。

【茂木外務大臣】日中関係ですね,来年には習近平(しゅう・きんぺい)国家主席の訪日を調整しているところでありまして,ハイレベルの頻繁な交流,こういったものを通じて完全に正常な軌道に戻っているという形であります。政治の分野,外交の分野はもちろんでありますが,経済であったり,様々な分野で交流が進んでいるところでありまして,そういったものを一層発展をさせていくことが,極めて重要だと思っています。

旧朝鮮半島出身労働者問題(大法院判決)

【共同通信 斎藤記者】今日,最初の定例会見ですので,日韓摩擦のきっかけになった元徴用工の大法院判決,これについての茂木大臣の基本的な認識をお伺いしたいと思います。2点あります。1点目ですけれども,大臣は11日の就任後の会見で,この判決について,国際法に違反し日韓関係の基礎を覆していると,このようにおっしゃられました。これは原告の個人請求権は日韓請求権協定に基づいて消滅したという考えに基づく見解なのかどうか,この点をまず確認させていただきたいと思います。

【茂木外務大臣】日韓請求権協定の第2条の1で,財産請求権の問題は完全かつ最終的に解決されたものであることを明示的に確認して,さらに第2条の3で,一方の締約国およびその国民の他方の締約国およびその国民に対する,すべての請求権に関していかなる主張もすることができないとしております。したがって,一切の個人の請求権は,消滅していないとしても救済されない。また国としては救済できない。このような法的な規定になっております。

【共同通信 斎藤記者】2点目ですが,その関連になりますが,大法院判決では,例の日韓請求権協定に基づく5億ドル,有償無償の5億ドルの経済協力金の供与について,判決はその損害賠償,慰謝料請求権,損害賠償の性格までは有しているとは認めがたいと,こう判断していると理解しております。同時に非人道的な扱いを受けた原告の慰謝料請求権については,今,大臣からお話がありましたけれども,第2条の対象には入らないと。つまり趣旨としてはもともとこれは一般的な。

【茂木外務大臣】分かっていると思います。よく理解しています。

【共同通信 斎藤記者】分かりますか。これについて,ではそうなってくるとこちらのほうとして,いやいや,慰謝料の分も全部含まれていると,だから払ったんだからチャラだと,という立場をとるのか。そうなってくるとその根拠はどこにあるのか,あるいはそうとらないのか。その点についてご説明いただきたいと思います。

【茂木外務大臣】日韓請求権協定に基づいて,我が国はご案内のとおり,韓国に対しまして,無償3億ドル,そして有償2億ドルの経済協力を行ったわけであります。それと同時に同協定によりまして,日韓両国および国民の財産請求権の問題は,完全かつ最終的に解決済みである,こういったことを確認したわけです。
 したがいまして,日本企業に対して慰謝料の支払いを命じた韓国大法院判決,これは同協定に明確に違反をいたしております。

日米貿易交渉

【朝日新聞 楢崎記者】日米貿易交渉についてお伺いしたいんですけれども,先日の会見で引き続き担当するということをおっしゃっておられたのですが,閣僚としての担務として引き続き担当されるということでしょうか。改めてその理由も含めてお聞かせください。

【茂木外務大臣】外務大臣として担当いたします。

日韓関係

【NHK 高島記者】日韓関係に戻りますが,今後,日本政府としてあるいは外務大臣として,韓国側にどのような具体的な対応策を求めていくお考えがあるのか,もしあればその具体的なビジョンをお教え願えますでしょうか。それと国連総会を控えておりますが,外交当局間の対話を継続するというふうなこともありますが,康(カン)長官等とお会いする予定,お考えがあるかどうかお聞かせください。

【茂木外務大臣】我が国としては韓国側に対して先ほど申し上げましたが,国際法違反の状態を一刻も早く是正すること,引き続き強く求めていくことに変わりはないわけであります。康京和(カン・ギョンファ)長官との外相会談につきましては現時点では決まっておりませんが,外務大臣同士はじめ,外交当局間の意思疎通,これは引き続き行っていきたいと考えております。

大和堆における船籍不明船舶,接近事案

【読売新聞 阿部記者】北朝鮮公船が水産庁の取り締まりを威嚇した事案ですけれども,外務省からはいつ抗議されたかということと,大和堆周辺では違法操業が過去にも起きていますが,受け止めをお願いします。

【茂木外務大臣】ちょっと,いつ抗議したかという具体的な時間は確認しておりませんので,それは確認をしてお答えをさせていただきたいと思っておりますが。まず事実関係から言いますと,8月23日の午前9時半頃,大和堆西方の我が国排他的経済水域内において,水産庁の取締船が船籍不明の船舶を確認し,また翌日8月24日の午前9時頃,同じ水域において海上保安庁巡視船が監視警戒を行っていたところ,小銃らしき武器を保有した船籍不明の船舶に接近される事案が発生いたしました。なお,水産庁取締船と海上保安庁巡視船の被害,これは発生しておりません。政府としては本事案発生後直ちに関係省庁で情報共有を図るとともに,これまで判明している事実関係から同船舶は北朝鮮関係船舶である可能性が高いと見ておりまして,北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議いたしました。何時にやったかはちょっと確認させていただきます。

米朝首脳会談

【共同通信 福田記者】トランプ大統領が米朝首脳会談に意欲を示しました。受け止めと日朝対話への影響についてお願いします。

【茂木外務大臣】重要なことは,昨年6月の米朝首脳共同声明のとおり,朝鮮半島の完全な非核化に向けた北朝鮮のコミットメントを含む両首脳の合意,これが完全かつ迅速に履行されることだと思っております。我が国としては,引き続き米朝プロセスを後押ししていく考えでありまして,拉致,核,ミサイル問題の解決に向けて,米国と緊密に連携をとっていきたいと思っております。

国家安全保障局の局長人事

【朝日新聞 竹下記者】国家安全保障局の局長人事についてお伺いします。今日付けで北村元内閣情報官が局長に就任しました。警察庁出身の北村さんが就任したことで,外務省の影響力は弱まるのではないかという懸念の声も聞かれますけれども,今後の外交政策への影響も含めて,大臣の受け止めをお願いします。

【茂木外務大臣】外交と安全保障,表裏一体と申しますか,極めて連携が重要であります。これまでも誰が局長であっても誰が事務局長であっても,NSC,そして外務省の間,緊密な連携をとってきました。そのことに変わりありません。

日米貿易交渉

【ブルーム・バーグ通信 占部記者】今月末,署名を目指している日米貿易交渉ですけれども,自動車関税の取扱について伺わせてください。特に11月13日に延期されている,

【茂木外務大臣】ごめんなさい。ちょっと大きな声でお願いしていいですか。

【ブルーム・バーグ通信 占部記者】自動車関税の取扱いですけれども,昨日,西村経済再生担当大臣は今月末の合意以降の継続協議は予定していない,想定していないという言い方をされていらっしゃいましたけれども,今月の合意で自動車分野も決着することができるのか,その辺の見通しについてお伺いさせてください。

【茂木外務大臣】もう一回,ごめんなさい。正確に聞きたいので,正確にもう一度お願いしていいですか。

【ブルーム・バーグ通信 占部記者】はい。自動車関税の取扱いについてですが,昨日,西村経済再生担当大臣は今月末の署名後の継続協議というのは想定していないという,自動車に限ったことではないですけれども,継続協議は想定していないという言い方をされていらっしゃいましたが,自動車に関して,そうするとそれまでに決着することができるのか,それ以降も継続協議になるのか,そこの見通しについてお伺いさせてください。

【茂木外務大臣】232条の追加関税,それから輸出に係わります数量規制の問題ですか。それとも今の2.5%の自動車関税そのものの問題ですか。

【ブルーム・バーグ通信 占部記者】両方お伺いできますでしょうか。

【茂木外務大臣】まさに今,ライトハイザー通商代表との間では主要項目(Core Elements)について意見の一致(Reach Consensus),こういった状態にあるわけでありますが,協定文のドラフティングから始まりまして,まさに関税率を決めます譲許表を作る,さらには原産地規則,そして両国でこの協定を結ぶにあたって必要な文書での確認を行うサイドレター,こういった作業を行っているところであります。
 これまでの経済連携協定でもそうでありましたが,そういったことについて,文書を含めて合意に達した時点で,内容についてこれは公表させていただく,丁寧に国民の皆さんに対しても説明をさせていただく,このようになっておりまして,また,現在その途中過程でありますので,この交渉の内容,これにつきましてはコメントは控えさせていただきたいと思っております。

日中関係

【フェニックステレビ 李記者】日中関係に戻りますけれども,最近よく日中双方では,中国と日本が今後,新時代に合致するような関係を作っていくと。大臣としてはこの新時代の日中関係ということを,どのように理解されていますか。

【茂木外務大臣】日本と中国,これから様々な分野で,世界に大きな責任を果たしていく。アジア太平洋地域の平和,安定,さらには発展,そして世界全体に対しても大きな責務を,お互いに肩を並べて背負っていく。こういう立場でありまして,しっかりとそういった責務を果たしていきたい。もちろん中国との間では,関係も完全に正常化をするという中で,まさにこれから未来志向の日中新時代,日中関係,こういったものを作っていきたいと思っております。

【フェニックステレビ 李記者】そうすると,日中の間でまだ解決できていない釣魚島,日本で言われる尖閣の島の問題をどのように対処していくべきでしょうか。

【茂木外務大臣】尖閣に関しては領土問題は存在しておりません。

茂木大臣の英語での応答

【毎日新聞 秋山記者】大臣,先日の就任後の会見で,外国プレスの英語での質問に対して日本語でお答えになっていたんですけれども。

【茂木外務大臣】英語で答えたほうがよかったですか。

【毎日新聞 秋山記者】いや,そういうことではなくてですね,前任の河野大臣が会見でも英語でお答えになったり,あるいは正式な会談でも冒頭のプレス公開の場で英語で発言されたりしていたんですが,一部では日本語で発信したほうがいいのではないかという意見もありました。このあたり,茂木大臣のお考えがあれば教えていただけますか。

【茂木外務大臣】例えば海外の人と最初に「say hello」といろんなことを言うときに,それは挨拶ですから大体向こうの人がお互いに母国語が英語がネイティブでなくても,そういったやり取りはあると思うんですけれども,その後の冒頭発言につきましては今のご意見等々も含めて,いろんな方にとって分かりやすい,こういったことを工夫したいと思います。

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