記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(令和元年7月30日(火曜日)22時00分 於:バングラデシュ・ダッカ)

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冒頭発言

【河野外務大臣】外務大臣としてこの2年間で3回目のバングラデシュの訪問になります。新しいモメン外務大臣とも初めてお目にかかって外相会談,非常に有意義な意見交換をすることができました。
 外務大臣とは,今年5月のハシナ首相の訪日を踏まえて,日本はバングラデシュの独立以来友好関係を築いてきました。そういう意味で「包括的パートナーシップ」を一層促進していくことを確認いたしました。
 バングラデシュは7%以上の経済成長を実現しており,今年はおそらく8%を超えるとの予測がされております。過去5年間で,バングラデシュに進出している日本企業の数が1.5倍になりました。投資環境整備への期待を伝えると同時に,在留邦人の安全の確保について,一層の取組をお願いしたところであります。
 今年12月までにビーマン・バングラデシュ航空の直行便の再開ということが決定されまして,これは非常に前向きなことだと歓迎をしたいと思います。
 また,特定技能に関する協力覚書について,署名の準備が整ったということを歓迎したいと思います。
 今日はコックスバザールの避難民キャンプを訪問いたしました。2年前の11月にも行っておりますが,2年前の11月は大量の避難民が国境を越えた直後ということもありまして,だいぶ雰囲気的に今回は変わってきたなと思います。第一印象で緑が非常に多くなったということ,それから,防災のための様々な工事が避難民の方々の「キャッシュ・フォー・ワーク」という活動を通じて行われてきて,昨年はモンスーンの時期に災害が起こるのではないかという心配を随分いたしましたが,今回はかなり備えができているというふうに思いました。しかし,依然としてキャンプの中の生活環境はたいへん厳しいものがあると思います。国際機関あるいは日本を含めNGOの皆さん方が真剣に努力を継続してきていることに感謝申し上げたいと思います。また,バングラデシュの政府,あるいはローカルコミュニティの負担も相当大きくなっておりますので,こうした部分での負担軽減ということは,日本を含めドナー国がしっかりと取り組んでいく必要があろうかと思います。
 国連との協力の下,避難民の方が安全,自発的,そして尊厳のある形での早期帰還の実現に向けて努力をしていきたいと思っておりますし,明日,ミャンマーへ行きますので,ミャンマー政府ともこの問題についてはしっかり意見交換をしていきたいと思っております。
 ただ,キャンプの人口の非常に大きい部分が子供たちで,この子供たちに教育をしっかりやらないとロストジェネレーションということにもなりかねませんし,また,そういう中から暴力的過激主義がはびこるということにつながってもいけないと思いますので,早期帰還が望ましいと思いながらも,2年前と比べてやはり長期化するという雰囲気は感じられますので,早期帰還を目指すと同時に,やはり生活環境あるいは教育といった問題について適切に対応する必要が出てきたなというふうに思っております。私からは以上です。

質疑応答

【記者】今の最後の発言に関連してですが,今後この早期の帰還が課題になっていく中で,日本としてどういったお手伝いができるのか,どういう支援があるのかお伺いできますでしょうか。

【河野外務大臣】一つはキャンプ及びローカルコミュニティへの支援を日本としてきっちり続けていくということがだいじだと思いますし,また,ミャンマー側にこの受け入れの準備をすること,それから受け入れ準備がどの程度整っているかということをやはり避難民の方にしっかり伝える必要があると思います。先日,ミャンマー側から政府関係者がキャンプに来て説明をしていきましたが,逆に避難民の代表の方をラカイン州に招いて,現地の状況を見てもらってキャンプでそのことを伝えてもらう,そういう活動をやはりしていかなければいけないのではないかと思います。また,ASEAN各国がこの問題の関与をこれから強めていこうとしておりますので,現地を見た上で,バンコクでASEAN関連会合がありますので,少しASEAN各国ともしっかり意見交換をして,協調できる部分は協調してやっていきたいと思います。

【記者】ロヒンギャの問題で今回の外相会談の方でどういった点で一致ができたとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】どういう取組が必要かということについて,様々意見交換をさせていただきました。それから,ミャンマー側に伝えるべきメッセージ,バングラデシュ側からあればということで何点か伺って,それはきっちりミャンマー側にお伝えしていきたいと思っております。特にローカルコミュニティの負担がかなり大きくなってきておりますので,少し日本としてもキャンプの外への支援ということをしっかり考えていかなければいけないなというふうに思っています。

【記者】今日の会談ではベンガル湾周辺の港湾整備などのインフラ整備をこれからもやっていうくという方針,そういったことについてもお話されましたでしょうか。

【河野外務大臣】マタバリあるいは南チッタゴンといったところのインフラ,あるいはダッカのMRT,必要なインフラについてしっかりと優先順位をつけながら円借款等で対応していきたいと思っております。今,円借款の受け入れとしてはバングラデシュが第3位,今後おそらく第2位まで円借款大きくなると思いますので,非常に政府債務の部分はしっかり管理しながらバングラデシュ政府やってきてくれておりますので,日本としても先方の優先順位を伺いながらインフラ整備,協調していきたいと思います。

【記者】コックスバザールで今日避難民の方と意見交換されたと思うんですが,どういった要望があったかということと,日本の団体等が支援に入っていますけれど,それについて現地の反応等感じたことがあればお願いします。

【河野外務大臣】日本のNGO,それから日本人で国連機関で働いている方々とも今日お目にかかりましたけれども,みなさんしっかりがんばってくれていると思います。特に,前回来たときにお目にかかった人ががまだがんばってくれているというのは非常に日本としてもありがたいと思っております。避難民の方からは,なるべく速やかに戻りたいけれどもいくつか不安なところがあるのでその解消ということの要望がありました。

【記者】それは明日会談の中で伝えるのでしょうか。

【河野外務大臣】ミャンマー側とも少しそういうことについてしっかり意見交換していきたいと思っています。

【記者】確認なんですが,先ほどインフラに関する意欲,おっしゃってますけれど,今日の会談の中で当然その話題があったということですか。

【河野外務大臣】はい,いろいろと意見交換させていただきました。

【記者】話題変わりまして,北朝鮮の関連で伺います。先日北朝鮮が発射した2発の飛翔体について,日本政府は短距離弾道ミサイルだと断定されました。北朝鮮側がそういった弾道ミサイルを発射したということについての受け止めをまずお願いします。

【河野外務大臣】短距離弾道ミサイルというのは,その発射は明確に安保理決議に違反していることになります。先般のポンペオ国務長官との電話会談の中でも,短距離の弾道ミサイルは安保理の決議違反だということをアメリカ側も明確に言っておりましたので,米朝プロセスをしっかりと進めていく上でもですね,明確に北朝鮮に必要な行動をとっていただきたいと思っております。

【記者】一方で,トランプ大統領は今回の発射についても問題視しないという考えをを示しています。前回の短距離の時も同様の考えを示しているのですけれども,これは日米の中で足並みの乱れということにはならないのでしょうか。

【河野外務大臣】トランプ大統領はまあいろんなことを瞬発力でおっしゃいますけれども,日米の政府の間では短距離の弾道ミサイルの発射も明確に安保理決議違反で,そういうことは北朝鮮に対してきちっと提起していかなければいけないというところで一致しておりますので,そこは特に問題はないと思います。

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