記者会見

河野外務大臣会見記録

(令和元年5月21日(火曜日)10時30分 於:本省会見室)

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冒頭発言

河野外務大臣のOECD閣僚理事会・WTO関連会合出席

【河野外務大臣】22日及び23日にパリで開催されるOECDの閣僚理事会に出席する予定です。しばらく外務大臣,この会合には出席ができていなかったと思いますが,OECDの拡大その他,またWTOの話もございますので,非常に重要な会合だと思っております。  今回のOECDの閣僚理事会は,急速に進むデジタル化に焦点を当てる形で,経済・貿易・開発・イノベーションなど様々な政策課題について,議論してまいりたいと思います。また今年はG20の議長国でございますから,日本が重要視する開発上の優先課題などについて,日本の考え方を発信していきたいと思っております。
 また,WTOの非公式閣僚会合にも出席する予定です。WTO改革について日本の問題意識をしっかりと発信してまいりたいと思います。

旧朝鮮半島出身労働者問題

【NHK 奥住記者】昨日,これまでの協議の申し入れから,仲裁委員会の開催要請へと舵を切ったわけですけれども,昨日の国会答弁とかぶって恐縮ですが,このタイミングで舵を切った理由を教えていただきたいのと,これまで協議に一切韓国側が応じる姿勢を示さない中で,韓国側がこの仲裁委員会の開催というものに応じる見込みについて,大臣はどのようにお考えなのでしょうか。
 それから3点目で,昨日の発表でも,韓国側が仲裁に応じる協定上の義務があるという言い方をされているのですが,協定の原文を読むと義務があるという書き方はしていなくて,読めば分かるということなのかもしれないのですが,義務があるということをどうしてそうお考えになるのかというのを解説していただけないでしょうか。

【河野外務大臣】1月9日に,韓国に対して請求権協定に関する協議の申し入れをいたしました。韓国側では李洛淵(イ・ナギョン)総理がこの問題の対応のとりまとめ役を行われているということでございましたので,日本側としては李洛淵さんの対応のとりまとめを,ある面,支える意味で少し抑制的な対応をしてきたつもりでございます。
 多少時間がかかるだろうということは覚悟しておりましたし,しばらく,4か月以上待っておりましたが,先日その李洛淵総理が「韓国政府ができることには限界がある」というような発言をされました。それをお聞きすると,我が方としてもこれ以上待つわけにもいかないということから,仲裁手続き,仲裁付託ということを通告するに至った次第でございます。この件は日韓両国のいわば国交の基盤をなす一番の法的なものでございますので,これが根本から損なわれることは,日韓両国関係にとって非常にゆゆしき事態と言わざるをえないと思います。
 韓国側も,この日韓関係をこれ以上悪化させるということは,好ましくないと考えているだろうと思いますので,こういう事態でございますから,ここは文在寅(ムン・ジェイン)大統領にしっかりと韓国政府を代表して,これは外交問題でございますから,大統領がきちんと責任を持ってご対応いただきたいと思っておりますし,当然にこの仲裁のプロセスに,要するに国内で対応策に限界があるということならば,当然仲裁ということに応じざるを得ないのではないかと思っておりますし,我が方としては,必要なら国際司法の場できちんとこの問題を解決していきたいと思っているところでございます。
 請求権協定の詳細については国際法局にお問い合わせいただきたいと思います。

【共同通信 丹羽記者】先ほどの質問の追加で,必要なら国際司法の場で解決したいというのは,ICJを念頭においていることなのでしょうか。

【河野外務大臣】申し上げたとおり,必要なら国際司法の場で解決を図りたいと思いますが,仲裁のプロセスに韓国が応じていただいて,日韓請求権協定の枠組みの中でしっかりとこの問題を解決していきたいと考えております。

日米外相電話会談

【共同通信 丹羽記者】国務省の発表で,大臣とポンペオ国務長官との,昨日の電話会談で,日本のイランとの関わりやファーウェイについて協議したとありました。具体的にどういったやりとりがあったのか,ザリーフ外相が大臣に求めていた,イラン核合意維持に向けた協力について話し合ったのか教えてください。

【河野外務大臣】詳しい中身については,外交上のやり取りでございますので差し控えます。

北方領土問題

【読売新聞 梁田記者】質問2点ございます。まず1点目なんですが,昨日,ロシアのメドベージェフ首相が北方領土の色丹島,2017年に特区に指定している件で,観光施設等の拡充ということで,新たにそこの特区の内容を拡充するというような発表をしました。それに対して日本政府としてどのように対応なさるかということと,また,ちょうどいま共同経済活動を加速させるということで,局長級,課長級の作業部会が行われている中でそのような発表が行われたことについて,どのようにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】こういう問題を解決するために,北方領土問題を解決し平和条約を締結しようということで交渉しているわけでございますから,粘り強くこの平和条約の締結交渉を進めていきたいと考えております。

【読売新聞 梁田記者】補足で,特に日本から抗議をするとか,そういったお考えはないんでしょうか。

【河野外務大臣】我が方の立場と違うものについては,累次,我が方の立場をしっかりと先方に申し入れをしてきているところでございます。

日本人の氏名の英語表記

【読売新聞 梁田記者】大臣はかねてから氏名の表記,英語での表記に関して,日本語の語順どおり苗字・名前,姓名の順でということを主張なさっています。現在,外務省としての対応もお考えになっていたかと思うんですが,検討状況はどのようになっているでしょうか。また今日,文科省の柴山文部科学大臣が,閣議後の記者会見の中で,国語審議会の20年前の答申をこれからまた周知し,文科省として姓名の表記を徹底するようにするとご発言なさっていますけれども,それについてどのようにお考えになったでしょうか。

【河野外務大臣】平成12年の国語審議会が,日本人の名前のローマ字表記は「姓-名」の順番にすることが望ましいという答申を出しておりますので,外務省としても令和という新しい時代にもなりましたし,東京オリンピックも控えております。またラグビーのワールドカップですとか,即位の礼,G20,TICAD,大きな国際会議も控えておりますので,外務省としては,各国の主要な国際の報道機関に対して,日本語の姓名を習近平(しゅう・きんぺい)主席がXi Jinpingとか,文在寅(ムン・ジェイン)大統領がMoon Jae-inというふうに表記されている外国の報道機関が多いわけですから,安倍晋三も同様にAbe Shinzoと表記をしていただくようなものが望ましいと思っておりますので,私から国際報道機関にそういう要請を出したいというふうに思っております。国内のメディアの中にも英語のメディアを持っているところがあると思いますが,是非,そうしたことをご配慮いただきたいと思っております。

旧朝鮮半島出身労働者問題

【朝日新聞 清宮記者】最初に韓国の関連で追加でお伺いしたいんですけれども,大臣は以前から徴用工の関係で日本企業に実害が及ぶことがあれば,必要な措置をとるとおしゃっていましたが,今回,仲裁申し立てした中で,そのお考えというのは変わらないんでしょうか。また,パリで康京和(カン・ギョンファ)外相も来られると思うんですけれども,同じ場にいらっしゃれば何らか要請を改めてする予定はありますか。

【河野外務大臣】万が一,日本企業に実害が及ぶようなことがあれば,日本政府として必要な措置をとることになろうと思います。23日の午後に日韓の外相会談を予定しておりますので,北朝鮮問題をはじめとする国際情勢,地域情勢に加えて,二国間の懸念事項でありますこの問題についても取り上げるつもりでおります。

トランプ大統領の訪日

【朝日新聞 清宮記者】25日からトランプ大統領が国賓として令和で初めて来日されますけれども,貿易問題,北朝鮮問題などいろいろ課題がある中で,どういう成果を期待されていますでしょうか。

【河野外務大臣】国賓としてご訪問をいただきますので,日米関係,日米同盟が揺るぎないものであるということを,内外にきちんと示せるような国賓の訪問にしていきたいと考えております。

北方領土問題

【産経新聞 力武記者】先ほどのロシアのメドベージェフ首相が北方領土の経済特区を拡大するという話に関連して,領土問題を含む平和条約交渉というのをいま進めておられる中で,こうした形でロシア側の北方領土への実効支配が強まっているという現状については,どのように認識されておられますでしょうか。

【河野外務大臣】こういう問題を解決するためにも,平和条約の締結が必要だと思いますので,粘り強く条約交渉をやってまいります。

外交青書

【毎日新聞 秋山記者】外交青書に関して,北方領土の書きぶりに関して,自民党内で依然として書きぶりに納得しないというような声があるんですけども,こういった声について,外務大臣としてはどのように対応されるおつもりでしょうか。

【河野外務大臣】外交青書の書きぶりについては国会でも累次ご説明をしているように,当該年度の外交活動を総合的に勘案して記載をしております。必要とあれば,少し党への説明ぶりというのを考えていかなければならないと思っております。

北方領土問題

【朝日新聞 竹下記者】北方領土の話に戻って恐縮なんですが,いま共同経済活動に向けて作業部会も進んでいますけれども,双方の法的立場を害さない特別な制度の創設をめぐってもなかなか難しい現状がある中で,平和条約の締結に向けて,共同経済活動というものがどのような役割を果たすものだと期待しているか,大臣のお考えをお願いします。

【河野外務大臣】共同経済活動などといったことを通じて,日露で北方四島の未来を描いて,その中から双方が受け入れ可能な解決策を見出していこうというのが新しいアプローチでございますので,しっかりとそれができるような共同経済活動にしていきたいと思っております。

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