記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年12月24日(月曜日)16時56分 於:モロッコ・ラバト)

冒頭発言

【河野外務大臣】モロッコは外務大臣就任以来初めての訪問となります。
 特に,バイの文脈で言えば外務大臣がモロッコを訪問するのは31年ぶりということで,ブリタ外務大臣並びにオトマニ首相,二人にお目にかかりました。ブリタ外務大臣とは,3度目の会談となりますが,今回も率直に意見交換をさせていただきました。
 日本にとってモロッコは中東アフリカ外交における重要なパートナーであり,モロッコとの協力関係をきわめて重視していることを申し上げ,今回の訪問をきっかけにさらにこの両国関係を緊密化していきたい,ということを申し上げました。
 来年の8月のTICAD7に向けた意見交換もさせていただきました。
 モロッコ側からも日本との緊密な連携をさらに新しい次元に引き上げていきたいという話がありました。
 モロッコは「アラブの春」以降も政治的に安定をし中東アフリカそしてヨーロッパとの結節点として政治経済的に非常に重要な国であります。日本からの企業進出もアフリカで第二位ということで,さらに経済的に重要なパートナーでありこれを後押しすべく,法的枠組みの整備をしっかりやって参りたいというふうに思っております。
 またモロッコとは引き続き重層的な対話を続けて参りたいというふうに考えております。私からは以上です。

質疑応答

【記者】先ほどの会談の中で西サハラの問題についてどういった意見のやり取りがあったのか教えていただける範囲で教えていただきたいのと,またその日本が国家として承認しないということですけれども,来年のTICADへは西サハラというのはどのように呼ぶのか呼ばないのかも含めて教えてください。

【河野外務大臣】西サハラは日本は国家として承認しておりませんし,今後も国家として承認するつもりはございません。また,国家として承認をしていない西サハラを日本がTICADに招待をするということはありません。その旨はモロッコ側にも明確に申し上げました。

【記者】その西サハラに関連して何かもしおっしゃられるような内容があれば教えていただきたいのですが,どういったやり取りがあったのか。

【河野外務大臣】西サハラを巡りAUの中でも様々な議論がありますので,そうしたことを踏まえ,少し意見交換をいたしました。また,EU,AUの会議も来年早々にも予定をされているので,そうしたところの取組その他を注視していきたいというふうに思っております。

【記者】TICADの関連で,AUは55か国目のメンバーとして西サハラを承認していて,そのTICADの参加というものも求める国も多いと思います。この辺に関してはいかがですか。

【河野外務大臣】日本はあくまでも54カ国を招待するというところは変わりありません。仮に西サハラの旅券を持ってビザの申請に来られても日本は査証を出すわけにはいきません。それは極めて明確でございます。その上で,前回のモザンビーク・マプトでの閣僚会議の中でも暴力沙汰のようなことが起きましたので,そのようなことがないようにですね,AU側ともきちんと意思疎通を図って参りたいというふうに思います。

【記者】関連なんですが,今日の会談で,それで決まったというわけではなくて,TICADまで話し合いを関係国と続けていくという理解でよろしいでしょうか。

【河野外務大臣】TICADは日本とAUC,それからUNDPあるいは世界銀行といった共催者がおりますので,これはどのようにやるかというのは共催者とコンセンサスで決めていくというのがルールでございますから,あのどこかの国と2国間でモダリティーが決まるということはありません。

【記者】関連なんですけど,今日の会談の中で,閣僚級による会議の立ち上げが決まったと思うんですけど,これについて具体的な内容を教えてください。

【河野外務大臣】あの,日本とモロッコと様々な協力関係を強化をしていこうということで,合同委員会というものをこれまでもやって参りましたが,少し,閣僚級の合同委員会をやっていこうという提案がありましたので,それに向けて様々これから準備をしていきたいというふうに思っております。

【記者】話題変わりまして,韓国について伺います。
 あの新日鉄住金の判決を受けて,原告側の弁護士が,24日までに回答がなかったということで,資産の差押えについて手続きに入るということを明らかにしました。一方で時期についてはその日韓両政府の協議の行方を見守ってということなんですけど,これについての受け止めをお願いします。

【河野外務大臣】あの日本はもうこの問題については請求権協定で「完全かつ最終的に解決」済みであります。
 あの,韓国側が今イ・ナギョン総理を中心に対応を検討していただいておりますので,日本としては不当に日本企業に不利益が生ずることはないような対応を韓国政府がきちんと取ってくれるものというふうに考えておりますが,万が一ということが起きた場合には対抗措置あるいはこれはもう国際裁判も含めた手段を取る用意はできております。ただ,あの日本としては韓国政府がしっかりと対応してくれるものというふうに思っております。

【記者】今おっしゃっていたその対抗手段というのはどのようなことをお考えなのかもし仰れれば教えてください。

【河野外務大臣】あのこれは日本側の手の内を明かすことになりますので差し控えたいというふうに思いますが,韓国側がしっかりとした対応を取ってくれればそのような必要はなくなりますので,日本側としては李洛淵総理を中心に韓国側がしかるべく対応をしっかり取ってくれるというふうに考えております。

【記者】関連して金杉局長がですね,訪韓されてこの問題についても議論をされました。
 一方でそのなかなか進展というのが見られなかったのかなと思うんですけれど,この点についてはいかがでしょうか。

【河野外務大臣】あのまあ韓国側は李洛淵総理を中心に対応策を検討していただいております。これは韓国側の中でも難しい問題というふうに理解をしておりますので,日本としては日本企業に不当な不利益が生じない限り静観をしたいというふうに思っております。

【記者】関連してなんですけれど,李洛淵総理の下に作られたタスクフォースでの検討について,韓国側の報道で韓国政府と韓国企業,日本企業の三者による基金を作って原告を救済する案というのが一部報道で出ていますが,日本側も関わる案なのですが,この案について大臣ご意見ございますか。
【河野外務大臣】あの正式に何もまだ聞いておりませんので,コメントのしようがありませんが,この問題については請求権協定で完全かつ最終的に解決済みというのが日本側の立場だということが韓国側もよく理解をしてくれております。

【記者】韓国のその先日のレーダー照射なんですけれども,韓国側は意図的ではなかったとの説明をされております。あのちょっと出発前のぶら下がりでもお聞きして恐縮なんですけれども,あのこの点についてこの説明,韓国側の説明についてどのようにお感じになっているでしょうか。

【河野外務大臣】あの今回の金杉局長も局長級の協議の中で韓国の国防軍それから日本の防衛駐在官も入って技術的な話が行われたというふうに思っております。あの技術的な話についてはですね,これは防衛省と韓国国防軍の間でしっかりとした事実の認識をしてくれると思っておりますので,それをしっかり待ちたいと思っています。

【記者】その現状の事実認定ですがね,意見が食い違っていることについてはどのようにお感じになっておりますか。

【河野外務大臣】あのそれはまあ技術的なことでございますから,外務省というよりは防衛省にしっかり対応してもらわなければならないと思っておりますが,この件だけでなくてですね,今日韓の間で非常に難しい問題を韓国政府が抱えている中で,様々,竹島への国会議員上陸ですとか,竹島防衛訓練ですとか,あの不必要と思われるようなことが度重なって起きておりますので,そうしたことについてはしっかり韓国側にですね,政府一丸となって対応してもらわなければなりませんので,そこは韓国側に対応をしっかりとやってもらいたいと思っております。
 この件については技術的な話はまず,防衛省と国防軍の間でしっかり詰めていただきたいと思っております。

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