記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成30年12月18日(火曜日)13時43分 於:本省会見室)

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冒頭発言

(1)12月11日の記者会見での発言

【河野外務大臣】前回の私(大臣)の記者会見で,ご質問に対して「お答えできません」と,お答えできない質問だったのですが,「お答えできません」と答弁すべきところを質問をあたかも無視したかのようなことになってしまったことについて,反省をし,お詫びを申し上げたいと思います。
 日露の交渉がこれから加速化されていく中で,交渉に影響を及ぼしかねないことについて,今後もお答えは差し控えなければならないことについてはこれまで同様でございますので,ご理解をいただきたいと思います。これは政府の対応方針,あるいは政府の立場,あるいは先方のどなたかのコメントに対するコメントといったものは,交渉に影響を及ぼしかねないと考えられますので,引き続きお答えは差し控えたいと思います。それについてはご理解をいただきたいと思います。

(2)「冬の海外安全強化月間」

【河野外務大臣】今日から1月末まで海外への渡航者が非常に増えるということが見込まれておりますので,「冬の海外安全強化月間」とさせていただきます。 もちろん,外務省,在外公館,邦人の保護あるいは安全の対策というものはやりますが,基本的には,まず,自分の身は自分で守っていただくという心構えが必要でございますので,渡航先の安全情報を海外安全ホームページでご確認をいただいた上で,パスポートを忘れないというのと同じ重要性で「たびレジ」への登録も忘れずに,また海外旅行保険への加入もしっかり行っていただくようにお願いしたいと思っております。
 2020年の3月をめどに,更に安全性の高いパスポートに,我が国のパスポートを切り替えていく予定にしております。新しいパスポートで,中身が富嶽三六景の中の確か24の絵を見開きそれぞれに入れております。これ自体セキュリティをかなり高めることになると思いますし,ICチップその他にも安全性を強化してございます。
 この強化月間中,ケンドーコバヤシさん「たびレジ」登録推進大使と吉本興業所属の「おかずクラブ」さんに「たびレジ」登録を広く呼びかけてもらうことにしておりますので,彼らの登場する動画も近く公開する予定にしております。

(3)第12回日本国際漫画賞受賞作品の決定

【河野外務大臣】外務省は,毎年海外への漫画文化の普及と漫画を通じた国際文化交流に貢献した漫画作家に対して日本国際漫画賞を授与してきております。これは確か麻生外務大臣の時にスタートしたものだと思います。
 今年,第12回目を迎えますが,68の国・地域から過去最多となります331作品の応募がございました。
 先月行われた審査委員会の厳正な審査の結果,中国の湯霄(トウ ショウ)氏(ペンネーム:Dani ダニ)の『黒い塔』が最優秀賞として選ばれたほか,優秀賞3作品を含む受賞作15作品が決定されました。
 第12回日本国際漫画賞の授賞式は,来年2月26日に最優秀賞及び優秀賞の受賞者を招いて,東京にて開催する予定にしております。
 漫画・アニメは今,和食と並んで,多くの国で日本文化あるいは日本語に関心を持つきっかけとなっておりますので,こうした観点から,普及を歓迎していきたいと思います。

(4)カンボジア若手政治関係者の訪日

【河野外務大臣】12月2日から8日の日程で,カンボジアの若手政治関係者,与党人民党,旧救国党,その他野党から合計10名を日本に招聘いたしました。
 この招聘は,我が国として,カンボジアが民主国家として発展をしていく,それを後押しするために,カンボジアの将来を担う世代に,日本の複数政党制民主主義について学んでもらおうということで実施をしたものでございます。
 参加した10名は,国会議員との面会あるいは地方選挙,これは具体的には茨城の県議選だったのではないかと思いますが,現場を訪問したり,民主主義の実践について理解を深めていただけたのではないかと思います。また,カンボジアはなかなか意思疎通ができない中,この10名が日本で長い期間にわたりお互い同士話しができたということについてもいい感想を頂きました。
 こうした招聘を,引き続き行なっていって,カンボジアの民主化を後押ししてまいりたいと思っております。

12月11日の記者会見での発言

【朝日新聞 清宮記者】前回の会見の関連でお伺いしたいのですけれども,冒頭発言がありましたが,ブログも拝読させていただきましたが,今回「お答えできません」と答弁すべきところとおっしゃられましたが,どうして前回,なぜ「次の質問どうぞ」と言われたのでしょうか。あと,「あたかも無視したかのように」と先ほどおっしゃられましたが,無視ではないというお考えなのでしょうか。

【河野外務大臣】もう日頃の懇談などを通じ,あるいは度々の記者会見,あるいは国会答弁をご覧をいただいて,日露に関して「お答えはできません」ということを累次申し上げてまいりました。この記者会見に来ていただいている記者の皆さんには,そのことがよくご理解をされていると思いましたので,日露に関する質問について「お答えはできないよ」ということをご理解の上に質問していただいたのだというように思います。
 そこは,それであっても「お答えは差し控えます」と言うべきだったのだろうと反省をしているところでございます。

【産経新聞 力武記者】交渉に影響が及ぶということでお答えを差し控えるというのは,分かるのですけれども,お答えをそのように控えても,あるいは前回のように,記者に対しての質問に答えないという,対応しないというようなことで対応されたとしても,ラヴロフ外相の方は,昨日も北方領土の実効支配は合法的だと認めることが交渉の不可欠な一歩と対外的に発信されています。日本も従来の立場と変わらないということであれば,同じように相応の発信をしても良いのではないかと,その方が国民の疑念を招かずに済むのではないかという考え方もあるかと思いますが,この点についてはいかがでしょうか。

【河野外務大臣】残念ながら発言の一部が切り取られて,それがロシアの世論に影響を及ぼすことは,これは好ましくないと考えております。発言を最初から最後までコンテキストの中できちっと報道していただければそういうことにはならないのかもしれませんが,残念ながらそれを100%確保することができないわけでございますので,そこについてはむしろロシア側が積極的に発言をしているからこそ,こちら側はより慎重にならなければならないと認識をしておりまして,我々の主張は交渉の中できちんと主張していきたいと思います。
 立場が違うわけですから,この数十年にわたりこの平和条約を妥結することができなかった,それを双方が納得する形でまとめようとしているわけでございますので,そこについては今までの立場を繰り返し申し上げているだけでは,お互い納得するところにお互いが達することができないわけですので,そこについては引き続き,交渉の中できちんと申し上げ,合意したところについてきちんと対外的にご説明をする,そういうやり方を引き続きやってまいりたいと思います。

【NHK 奥住記者】先ほどの「無視したかのようなことになった」という発言ですが,無視をする意図ではなかったということでよろしいのでしょうか。

【河野外務大臣】質問された記者の方々も答えがないのは,多分,お分かりをいただいて質問をしていただいていたのだと思いますので,その意味でのコミュニケーションはあったんだと思いますが,そうしたことが分かっていない,YouTubeというか,動画をご覧になった方,あるいは議事録を読んだ方にしてみれば,あたかも質問を無視したように捉えられるということもあろうかと思いますので,そこについては不適切であったと思います。そこについてはお詫びをしたいと思います。

今後の日米関係

【読売新聞 梁田記者】二つ質問ありまして,一点,日米関係とその後,日露についても伺いたいと思います。日米関係なんですけれども,今日,年内,恐らく最後の会見かと思うので伺いたいんですが,これまで安倍首相とトランプ大統領の信頼関係を基に日米いい関係を築いてきていると思うんですけれども,一方で,貿易等でのいろんな摩擦というのも顕在化している中で,来年以降,どのように日米外交を展開していきたいというふうに今お考えか,まずお考えを伺えればと思います。

【河野外務大臣】首脳同士が極めていい関係を築いておりますので,日米両国,友好関係あるいは同盟関係の観点からも,非常にいい状況にあると思っております。もちろん二つの国でございますから,そこには様々違いもあって,その違いについては,様々な交渉をするというのは,これは当然のことだと思いますので,何か交渉が始まるから両国関係が悪くなるということでは決してなかろうかと思います。

日露関係

【読売新聞 梁田記者】もう一点,冒頭でもご発言のあった日露の関係なんですけれども,ロシアの軍が今回,択捉島と国後島に新しい軍人用の住宅を作ったというふうに発表されたと,日本でも報道がされています。従来でしたら日本政府としては抗議をするのかと思いますが,今回も抗議はされているのでしょうか。

【河野外務大臣】抗議する予定です。

【読売新聞 梁田記者】今の時点では,まだ。

【河野外務大臣】すみません,今の時点でどうなっているか確認できていませんが,少なくとも先ほどの時点で,まだ行っていない,これから抗議するという予定になっています。

【読売新聞 梁田記者】ということは,抗議するということは,やはりあそこは日本の固有の領土だというふうな姿勢は,政府として堅持していらっしゃるということでよろしいのですね。

【河野外務大臣】お答えは差し控えたいと思います。

【読売新聞 梁田記者】先ほどのご発言の中で,ロシアのラヴロフ外相始め,積極的に発信をしているからこそ,日本としては慎重になるべきだというふうに考えていらっしゃるというご発言だったんですけれども,積極的にそういう発信があることに対して,率直に大臣としては,やはり交渉に資さないとお考えのはずですから,改めてそこについてどのようにお考えか伺いたいんですが。

【河野外務大臣】今度の平和条約の交渉の前提は,領土問題を解決して,平和条約を締結しようということでございます。これは一般論で申し上げれば,領土問題というのは,それぞれ当事者となっている国の中で様々世論を喚起することになります。そういう中で,お互いが数十年にわたって,立場が違って平和条約を締結できてこなかったものを交渉を加速化して締結をして行こうということでございますので,そこはやはり主張は交渉の場の中できちんとさせていただいて,世論が様々な形で盛り上がって,交渉に影響を及ぼすというようなことは,できるだけ避けたいと思っておりますので,そのようなことにならないように,我々として最大限気をつけていきたいと思っておリます。

貿易経済に関する日露政府間委員会会合

【日経新聞 林記者】今日の夕刻以降に,貿易経済に関する日露の政府間委員会が開かれると思うのですけれども,中国など他国と比べて日露が経済協力できる分野はどこだとお考えでしょうか。また,その経済協力が双方にどういったメリットを生むのか大臣の考えを聞かせてください。

【河野外務大臣】日露の間には様々な分野で協力ができると思っています。エネルギーあるいは農業といった分野でも当然協力ができるでしょうし,インフラというところでも協力は進められるのだろうと思っております。そういう意味で,今日,向こうからオレシキン大臣がいらっしゃいますが,しっかりと議論をし,日本とロシアの経済関係,協力関係をさらに強くしていきたいと思っております。

12月11日の記者会見での発言

【共同通信 斎藤記者】もう一度,前回の記者会見に話を戻させていただきたいと思います。先ほど,冒頭,大臣がお詫びを申し上げるとおっしゃられましたが,このお詫びというのは,誰に対するお詫びなのかと。つまり記者クラブなのか,そういう質問をした記者なのか,後ろにいる国民なのか,この点をはっきりさせていただきたいというのが一点と,二点目は,大臣は,この外務大臣の記者会見の果たすべき役割,ご自身がここで発言される,果たすべき役割,最も大事な役割は何だとお考えか,この点について説明願いたいと思います。

【河野外務大臣】冒頭のお詫びは,今日,ここに来てらっしゃる記者の皆さん,あるいは前回出席をした記者の皆さん,それからこの記者会見を様々な形でご覧になっている国民の皆さんに対するお詫びと捉えていただいて構いません。
 この記者会見は日本の外交政策について,国民の皆様の理解を深めていただくためのものと思っております。特にODAについて,やはりもう少し国民の皆様にしっかり理解していただく努力を,外務省としてもやっていかなければならないと思っておりますので,ODAに関するご理解をどうしたら深めていけるだろうかというのは,外務省の担当部局,あるいは様々な部局で試行錯誤しているところでございます。そうしたことを含め,国民の皆様に外交について,しっかりとご理解を頂くようこれからも努力してまいりたいと思います。

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